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キミに贈る朗読会 「春とみどり」2024年4月28日(日)マチソワ 備忘録

山根綺さんが出るからいった
土屋さんも前田さんも見たかった。





前日にイエロー・モンキーのライブにいっていたから気持ちの切り替えに不安はあったが全く関係なかった。


会場は、TOKYOFMホール
天井がとても高く、丸いシャンデリアみたいなのが吊られている。
シャンデリアみたいなのには、スピーカーだか照明が円状に生えていた。
良い会場です。

ステージは、マイクスタンドが3つ。中央上手下手に。その側にマイクスタンドの上に電球をつけた感じの、街路灯みたいなのがそえてあった。
ステージ奥は、譜面台と椅子のセットが3つ。椅子の向きは、下手と中央のやつが左向き。上手だけ右向き。

本編では、左向きの椅子に、みどり:前田さん、つぐみ:山根さんが。
右向きのやつは、春子:土屋さんがそれぞれ座った。(この向きのやつ。舞台とか映像では、左とか右で向いている方向で、キャラクターが過去や未来を見てるのをほのめかせられるっぽいから、その関係かもしれない。)

本編

ほんとに独創的で、類を見ない演出と舞台道具の配置だった。


土屋さん・春子が14歳。つぐみが生んだ子供。
前田さん・みどり31歳。中学時代につぐみが好きだった。
山根さん・つぐみ 死去。高校をすぐにやめて、つぐみを産み、事故で死亡。

薄暗くなって、街路灯がつく。
薄暗いなかで演者が定位置につく。
下手に前田さん、中央に山根さん、上手に土屋さん。
衣装がいい。白い。


言葉の輪唱。
幻想的だ。もうかなり場が静かにピンと張り詰めた。スウーーっと長くはっきり息が吸われて、揃ってタイトル(はず)。この息を吸う音で各話のタイトルをいうのが物語の節目で度々登場した。かなり雰囲気がでる。


台本の紙を読んで、読み終わった紙を床に捨てた。
こっ、こりは、花羽音ですぞ!!!!


※注釈

この朗読劇の演出と脚本かいた淡乃晶さんは、過去に花羽音というボイスコアリーディングと銘打たれた舞台?朗読劇?をやった。俗物的にいうと激トガリしてる舞台。(和久井優さんが出てた。ちなみに2回目が今年2024年5月にある)。花羽音でも、読み終えた紙落とす演出をやっていた。まさかこの迫力ある演出がまた見られるとは……!

注釈の時は、落とした紙が羽のようでキレイだった。
今回の春とみどりでは、花びらのようでキレイだった。


◯とにかく雰囲気がいい。

息を吸うのもはばかられる雰囲気だった。
穏やかな光と繊細な演技で、まどろみの中で見てる夢みたいだった。

街路灯みたいなマイクスタンド、枝に電球がついたようなのが真ん中に。薄暗くて、後ろから横から下から、演者が照らされて幻想的だった。キャンドルのなかで舞台してるような感覚。

実際、心地よすぎてめちゃくちゃ眠くなった。まぶたが何度も落ちかけた。たしかに眠いのに終わったら内容を覚えてるし、面白かったって感想になる。不思議だね~~。

お三方は声優が本業であるため声がいい。幻想的で静かで澄んだ雰囲気の中、聴き心地がよすぎる声が約104分ずっとする。そらーまどろむ。
2公演とも山根さんが美味しい!みたいに声張り上げるとこでビクッとしたくらいまどろんでた。


◯演出がいい。

葬儀場で影口を言われるシーンで、ほんとにささやいたり、会話の長い間(ま)もあった。無言は本当に無言。静けさがとにかく多い。常に場が静寂につつまれ、見てる側もだいぶ緊張感あったと思う。
お腹ならないかなとか喉を鳴らすのも。自分も持っていったヤヤレコーズのクルーパスが擦れる音が気になって指で持ってたし。

効果音のような音が流れてたりもした。BGMの主張がまったくなく、いつの間に流れていたんだと気がつくシーンもあった。そえるだけ。
光の使われ方がとてもよく、完全に真っ暗になって水が流れるような音だけになるシーンもあった。

つぐみ(山根さん)が残したみどり(前田さん)への手紙が読まれるとこで、この舞台で一番の明るさになるのよかった。最後、2人が台本の紙をつぐみが座っていたとこからとったのは、春子とみどりが住むようになった縁がつぐみによってできからに違いない。

見たことない演出ばっかりで、すべてが穏やかで静かな空気を作り出すために考えられていたと感じた。


◯みんないい。

3人の身長差がいい

前田さんは、もうみどり以外あり得ないほどはまり役だった。

小さくて引っ込み思案な大人。眼鏡かけてないのにかけてるような感覚があった。
ハルに優しくするのは、みどり(前田さん)に似ているからなんじゃあないかって葛藤があった。そのたびにつぐみ(山根さん)が中央の席から出てくる。みどりの中で作り出した罪悪感などのつぐみだろう。暗闇で問いかけたり、側に立ったり。実際に人が演じているから葛藤の生々しさがでてよかった。繊細な声の芝居がとても多い。前田さんの細い声がかなりマッチしてた。



土屋さんビジュがいい。
もうすごかった。街路灯だけの少ない光で、影がついた顔のビジュが爆発してた。何回も、す、すごって思った。影のある役いいね。落ち着いてる。声に合ってる。

少女のしっかりしてる部分と、14歳の年相応な部分のニュアンスの違いがよかった。わりと普段の声に近かったかも。私は土屋さんのダウナーギャルASMRを愛聴している。つまり、声がとても心地よくて眠くなった。

春子がみどりを好きになるのがいい。みどりはあくまでも保護者とか友達ってことで接してる感じがしたが、春子から好きになったのがなんかいい。つぐみが繋いでくれた縁で2人は同居するようになり、娘の春子がつぐみに惹かれるのがいい。

土屋さんビジュがいい。「春もちょっと好きになった」ってみどりのセリフでほんの数秒も満たないくらい微笑んでいたのがよかった。正面から見るとそれがよくわかった。感情がたかぶって涙してたシーンもあった。こういうちょっとした表情の変化などが、席の場所によって見え方が変わるのが生で見る良さ。ビジュよし。役者。

山根さんはつぐみに似てたと思う。私が保有する情報量が多いからそう感じたんだと思うけど、いろいろとあった過去などが。

山根さんは昼と夜で髪型が変わっていた。昼はおろしてた。おろしてると中国系の血を感じて、うーむって感じでお綺麗だった。夜はポニテ。ポニテいい。中央で土屋さんと並んで左向いたときの、アゴのラインの輪郭が2人ともお綺麗でうおってなった。

つぐみはもう過去の人間なので、山根さんはだいたいが中央の席で暗闇の中にいた。舞台は存在しないキャラの役者がステージに居るってのがいい。感じられるから。昔の記憶でつぐみが出てきて、隣にでてきたり、暗闇の中でセリフを言ったりしていた。

記憶の中学時代のつぐみと、罪悪感などの感情で作り出された心の中のつぐみと、大人になったつぐみを演じられていた。よい。つぐみは基本的に明るい。明るさの中に影がある。その微妙な感じがでてた。明るさの中に影を滲み出させる芝居、いいなあー。みどり(前田さん)を問い詰める心の中のつぐみが徐々にトーンを落としてこわくなってったのよかった。でも、大人のつぐみはあまりそういうのを感じなかったのよかった。春子がいたからかな。

一番泣きそうだったの、つぐみと春子が住んでた家を片付けなくてはいけなくなったとこ。留守電と電話応対ボイスがつぐみの声だったやつ。明日が来るのを疑っていなかったころの声。生きてた体温を感じてしまうと、もうどしようもなく寂しくなる。

ラストあたりで、みどりへ当てた手紙が読まれるとこよかった。つぐみ山根さんが読んだ。みどりへ思っていた感情が全て明かされた。みどりのことをどう思っていたか、みどりへ接した意味など。懺悔と告白だったその手紙を読み終えたつぐみは、舞台から退場する。いいよなここ。ずっといたのに、ここで初めて退場する。読み終えた紙を落とすとこ、山根さんの表情が晴れやかだったのよかったよね。この表情で、いろんな解釈をする材料になったね。

よかったよね~~山根さん。

◯ちょっとしたこと

前田さんの身長が低かったので他の2人がマイクスタンドを高くするのよかった。

この話は居場所がテーマなのかなーとおもった。うまくいえないけど。

アフタートークで3人がふだんから仲良しだったから、それもお芝居に影響してた話しよかった。

3人とも朗読劇をイメージした香水をつけてきていて、3人ともたまたま同じ香水をつけてきてたエピよかった。




よかったね~。
会場も朗読劇もよかったね~〜〜〜。
終演後に春とみどりの原作本物販に結構並んでたのよかったね〜〜〜〜。

帰りが橋梁の工事のために新幹線になって出費かさんだけど微々たるもんだよね〜〜〜〜。




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