ディビジョン『ラップバトル』を見たかった話

まずはヒプノシスマイク(以下「ヒプマイ」)第2回ディビジョンラップバトル(以下「2ndDRB」)お疲れ様でした。

当記事は、「ディビジョンラップバトルを視聴者の『CD投票(&VR投票)』という金がものを言う方式に委ねるのをやめてほしい」という愚痴話です。主観100%です。自分の考えをちゃんと細部までまとめるために記事を書き始めています。(何ならこないだ(確か2021年11月中のどっかで)一回、この記事を1000文字ぐらいに圧縮した『ご要望』を公式さんに送っちゃったけどお返事返ってこない(元々返ってこないものである可能性は高いです)(というか送るなら1stDRB終わった時点で送るべきだった))

前提として、「私は2ndDRB開催の情報を見て、CD投票が今回もある、という情報を確認した時点で投票に参加しないことを決めた・それから7thライブ日まで横目で見過ごす程度の熱になってしまっていた(それ以降は再燃した)」ということを挙げておきます。

「『ラップバトル』の定義」的な話

まず、私は「BAYSIDE M.T.C」が発売された頃にヒプマイにハマり、ラップを好きになって、ニコ生時代のリリックマッチに応募してみたり(そして採用されたり)、現実のラップバトルイベント(大阪で開催された日本橋ウォーズというオタクラップバトルイベントです)に参加してみたりもしました。

その中で、自分なりに「ラップ」と「ラップバトル」の良さ、面白さ、楽しさみたいなものを構築していきました。

ラップの面白さは、韻を踏むこと、フロウを作り上げること、自身の想いを乗せること
技術的な方では、長い韻を踏んだり1バースの中で全踏みしたり、曲のリリックであればカウントアップを仕込んでみたり、頭文字を仕込んでみたり、倍速で早口なフロウにしてみたり、三連符を混ぜてみたり。そういうのが決まればとっても気持ちいいです。
「想いを乗せる」方では、そもそもラップというものがラッパー自身の自己表現法だという理解をしています。ラッパーさんがこれまで経験してきたこと、その経験から感じたこと、そして今「どういう自分でいるか」をラップで表現して、聞いた人に伝える。それもまた楽しいものだと思います。

ラップバトルの面白さは、相手と対話すること、客をアゲられるパンチラインを即興で生み出すこと、リスペクトを持って戦うこと
ラップバトルイベントだと、大抵は「MC二人がバトルし、ジャッジの際に客がその場でアガった方に声と手をあげる(+審査員のその場での投票)」という方式が取られていると思っています。つまり、ラップバトルはバトルした直後に勝敗が決まるもの。だからこそ、MC達は客をアゲつつ、相手のリリックを聞きつつ、自身の言いたいことをラップで表現する。客は「どっちのラップが良かった・心に刺さったか」をその場で決めて声と手をあげる
また、基本はディスり合いにはなりますが、ただ一方的に相手を悪く言うだけではそれは「悪口」でしかありません。悪口を聞かされたところで相手は嫌な気分にしかならないし客はアガらない。相手へのリスペクトを忘れず、対話とスキルで圧倒する。そしてバトル後は互いに感謝して終わる。
定義的な意味で言うと、プロレスが近いのかもしれません。いやでもプロレスは勝敗に客は絡められないか…?

作中(コミカライズやアニメ等)における「ヒプノシスマイクを使用したラップバトル(当記事では、以下「マイクバトル」としておきます)」は、通常のラップバトルとは少し勝手が違います。
マイクバトルは、精神干渉させるヒプノシスマイクで相手にダメージを与え、制限時間内に全員をダウンさせるか制限時間後に残っている人数が多い方が勝ち、というバトルです。つまり、客は応援することはできてもジャッジすることはできません(=客がバトルの勝敗に絡むことはできません)。極論、客をアゲる必要もないんじゃないかとすら思います。純粋な、MC本人達の勝負ですね。

いやまぁ実際は「客が入っている」以上は一応「客を味方につけて有利な空気感を作る」必要はあるかもしれませんが…。

ですが、現実の私達(視聴者達)が絡むDRBでは、視聴者の投票で勝敗が決まってしまう。マイクバトルではほとんど干渉できない視聴者(=客)が勝敗を決めてしまう、この…この感じ…。本来のラップバトルに沿って視聴者参加型という方針を取ったのかもしれませんが…視聴者参加型のコンテンツである以上仕方ないことなのかもしれませんが、どうしても、こう…ギャップというか違和感がすごい。客の投票で決まったのに、作中ではキャラの実力とバトルの流れにされてしまうのは、何というか心苦しいです。

また、視聴者達の投票基準として考えられるものは、「どっちのラップが良かった・心に刺さったか」だけではないように感じます。
例えば、「キャラ人気・声優人気」とか。いやでもそもそもヒプマイというものが「音楽原作男性声優ラッププロジェクト」なのである程度は仕方ない。2ndDRBでは、1stの時よりドラマトラックでのストーリーやコミカライズでの掘り下げがどんどん進んでいるため、「(ストーリーとして)このキャラ・ディビジョンに勝って欲しいor負けて欲しくない」という気持ちが強くなっていることも考えられます。(事実、2ndDRBで「Fling Posseが優勝」と発表された際、「見たか、証明したぞ、乱数はいらない子じゃない」みたいな感じのツイートを割と見かけました。)
これ…純粋なラップバトルじゃなくない?キャラ人気で決まるなら「キャラ人気投票」でいいし、ストーリーとしてこのディビジョンに勝って欲しいならラップいらないじゃん?

お金的な話

今回の2ndDRBでは、ライブ投票(ライブのチケットを買った人に投票権が与えられる)+CD投票(CDを買った人に投票権が与えられる)+VRバトル投票(VRバトルの視聴チケットを買った人に投票権が与えられる)、の形式が取られていました。1stの時は、CD投票だけだった記憶があります。

この「投票権のために買う物」、少なくとも「CD」は購入制限(投票制限)がありません。ライブのチケットはどうなんだろう。でもライブのチケット自体を積む人は割と少ない(チケット取るための抽選券とかは積む人はいるだろうけど)イメージがありますが、CDを積む人は割と多いイメージがあります。あとは、投票結果の数を見た感じVRバトルのチケットを積んでる人も多そうだなーと思いました。

これ…この、金がある方が勝つ、みたいな感じ…不健全じゃない…?

なんだろう、キャラ達や声優さん達のラップでの戦いではなく視聴者のお財布事情の戦いになってる感がすごい。声優さん達はよく「バトルが始まりました!頑張ります…!」みたいなツイートをされているイメージがありますが、違和感しかないです。

これ、例えば悪意を持った石油王が1人混ざっていれば、その石油王が投票を注ぎ込んだところが勝ってしまう可能性があるわけですよ。他の人がどれだけ真剣に応援して投票したとしても、です。

SHOWROOMというライブ配信プラットフォームで行われる"バーチャル配信者の中の人を決めるオーディション(通称「魂オーディション」)"に友達が参加し、応援していたことがあり、その後も"雑誌掲載イベントや配役オーディション(通称「ガチイベ」)"に参加している人の応援もしたことがあるのですが、その時に似たようなことがあったので…。あれの応援方法も雑に言うと「その人の配信でコメントする・無料(集められる数に上限あり)or有料(金があれば数の上限多分なし)のアイテムを投げまくる」なんですよね。これも、配信者がどう頑張っても石油王の悪意によって潰される可能性があるのは同じだと思います。

これこそ、ストーリーの大筋に関わらないキャラ人気投票とかでやるべきことだと思います。いやキャラ人気投票であったとしても金積んでどうこうはどうかと思いますが…。どこかの人気投票でダンボール投票を一票扱いにしたBLEACHや一日一回投票制にしたサンリオを見習ってほしい。

では私はどうして欲しいのか

一瞬話に出しましたが、サンリオのキャラ人気投票では「一日一回のみ」の投票制が採用されていました。ラノベ作品の投票でも同じような制度がされていたような気がします。

あれを、私達が介入できる方のDRBでも採用して欲しい…マイナンバーと投票アカウントの紐づけとかまでしてもいいので採用して欲しい…。
そこまででなくてもせめて「1人の投票数の上限」は設けて欲しいなと思います。1人20票までとか。上限が無いから永遠にCD買い続けて投票し続ける人が出てきちゃったりして結果10万票とか集まったりするんだと思うので…。

あと考え得る方法としては、「私達客が介入できるのはライブ投票のみ」にする、とか。5thライブ以降はAbemaで配信もして下さってたので、現地チケットorライビュチケットor配信チケットを買ってライブを観戦した人のみが投票に参加できる(=CD投票を無くす)ようにするだけでもだいぶ違うと思います。もっとラップバトルみたいにするなら、(今は亡き)ニコ生のフリースタイルコーナーみたいに「その場で投票させる」とか。

お金が必要なのはとてもわかります。でも…こんな、DRBのたびにファンが疲弊しているようじゃいずれ潰れちゃう気がしてならないので…どうにか、どうにかならないかな…。



2ndDRB最終戦結果発表直後に書き始めたのに書きあがるまでにめっちゃ時間かかってて何なら年明けててウケる(ウケるな)(書くメンタルにならないと書けないんですこういうの…いつもすみません…)。こんな愚痴記事にここまで付き合ってくださりありがとうございました。

では今回の記事はこの辺で。