仙台戦から見る大宮の課題

今シーズン残り11試合で、残留圏まで6ptと非常に厳しい状況にある大宮アルディージャ。ここ5試合は守備が安定し無敗を継続していたが、とうとう負けてしまった。仙台は守備のスライド、リトリートが素早く、粘り強さもあった。攻撃はロングボールによるCFの裏抜け、押し込んでからのサイド攻撃などが良く、攻守両面において優勢だった。しかし、大宮にチャンスがなかったわけでもない。仙台ペナ内でハンド未遂もあったし、エヴェルトンのプロフェッショナルファウルで阻止されたシーンもあり、勝てる可能性も多分にあった。
ただ、今回の記事では仙台戦がどうだったかよりも、今節で見えてきた今後改善しなければならない点をいくつか紹介したい。

①ゴール前に間に合わないクバ

まず、ひとつめの問題は、サイドやDH付近までボールを受けに深く落ちてきてしまい、チャンスシーンでゴール前に間に合っていないこと。そもそも、我々はクバに対して何を求めているか？当然ゴール前でのクオリティだ。個人的には現状での最も大きい問題ではないかと思う。

対照的なのが中野だった。ライン間でポストプレーしたり、カウンターの起点になるなど、大宮がCFに求めるタスクをしっかりこなしてくれた。

クバとしてはビルドアップに困ってるチームを俺が助けなければ！という思いなのだろうが、落ちてきて素晴らしいプレーがあるかというと、そこまででもないし、相手DFからすれば前線にどんと構えら続ける方がよっぽど脅威だ。

下がりすぎてゴール前に間に合わないクバ

サイドへ落ちるクバ（黒川に任せれば良い）

起点になるクバ（黒川とクバが逆ならより良かった）

カウンターの起点になる中野（こういうプレーこそクバにして欲しい）

ライン間で起点になる中野（クバがボール受けに行くのはこの程度で良い、素早くゴール前に入ってるのも◎）

②クバのクロスへの入りが合わない

飯田がサイド奥まで侵入し、クロスを上げる場面があったが、クバが要求する場所に飯田が上げられず、シュートに至らないシーンが何度もあった。この部分は一刻も早く呼吸を合わせてもらわなければならない。

また、ロングボールもクバにはあまり入らなかった。中野がCB間で裏抜けして受けたシーンがあったが、裏抜けとまでは言わず、競り合ってセカンド回収につなぐ程度のタスクなら、フィジカルの強いクバにも充分こなせるはずだ。

クバが中央に入ってきて欲しい飯田

クバへのロングボール（もっと増やしたい）

中野裏抜け

③判断に難あるカイケ

この試合の前半、カイケの前には常に郷家が位置しており、郷家に引き出されれば、裏が空いて中山に走り込まれ、中山に着いていけば、郷家にこぼれをシュートされるなど、対応に苦慮。後半になり、自分の位置から離れずステイして位置取るようになるが、今度は菅原に裏を取られ、笠原にブチギレられる。

一方で、ゴール前ではカバーの速さ、空中戦の強さで存在感を発揮。新里や笠原は上手くカイケをコントロールして、弱点を補いつつ、得意なプレーを引き出してもらいたい。

郷家を認識できてないカイケ

カイケが空けたスペースに裏抜け

強引な突破には強いカイケ

クロス対応するカイケ

空中戦は強いカイケ

菅原に完全に裏を取られるカイケ（持ち前のスピードでセルフカバー）

④守備が不安なアンジェ

アンジェについてはブロック守備でのSBないしCBへの対応が良くなかった等々の指摘があるが、クバが一切守備をしない（これに関しては最早どうしようもないと思う）以上、相手がブロックの手前で好き放題できるので、ボールの行き先の予測が難しく、MFラインが中央の制限を優先した結果、SBへの対応が遅れる、という部分も少なからず影響があると思うので、個人的にはアンジェの守備の質だけで、片付けられる問題ではないように思う。

それよりも、アンジェは低い位置での守備でもっとハードワークしてもらわなければ困る。戻りが遅く、笠原にブチギレられる場面、あっさり抜かれてクロスをあげられてしまうシーンなど、あと少しの頑張りで何とか対応できそうなだけに、歯痒く感じる。

中央を制限するMFライン

黒川が右に回ってSBに行っても縦パスが入ってる

サイドであっさり抜かれるアンジェ

戻りの遅いアンジェ