プレーオフに向けたデータによるモンテディオ山形分析

ごきげんよう。久しぶりにブログを書こうと思ったら、いつのまにか!11月!いやあ、時が経つのは早い。
さてさて、残念ながら自動昇格とはならなかった大宮アルディージャ、プレーオフの初戦はモンテディオ山形。今回のブログは、主にデータを見ながらその特徴と弱点を探りたいと思います。

1. FootballLABのデータによる概観

データの引用は FootballLABから。
こちらはチームスタイル指標といって、リーグ内におけるその攻撃割合の偏差を表すもので、%はシュート率を示しているとのこと。

1山形チームスタイル


細かいことは抜きにしてざっくり行きましょう。ここからは以下の3点が言えます

①メインの攻撃手段はセットプレーと右サイド攻撃
②守備が堅いイメージだが、カウンターは意外と少ない
③ポゼッションは低く、早い攻撃をする傾向にある

以下のチャンスビルディング、チームデータは上記③を補足してくれます。手数をかけないためパスの数値が著しく低いです。また、シュート、チャンス構築率も著しく低いのにも関わらず、シュート成功率は2位、ゴールは7位と確実に結果を出しています。つまり、焦らずじっと待って、チャンスを確実に仕留める、といったような攻撃の方針が推察されます。というわけで、③に関しては補足を加えて以下のような表現に訂正
③チャンスを見るや、手数をかけず一気に攻める

2山形チャンスビルディング

3山形チームデータ


ちなみに大宮アルディージャのデータはというと以下のとおり。ショートカウンターの数値が高いのは納得ですが、中央攻撃が高いのが腑に落ちません。ここらへんは後日深堀できれば。

4大宮チームスタイル

5大宮チャンスビルディング

6大宮チームデータ



2. ハイライト分析からみる特徴

ざっくりと山形の傾向が見えたところで、次に具体的にどのような得点をし、またどのような失点をしているのか見ていきましょう。以前、このブログの記事としてあげていたハイライト分析を得失点シーンのみに焦点をあてて行ってみました。

分類としては、まず得点と失点の2つに区別、さらにそれぞれをポゼッション、トランジション(攻守の切り替え)、セットプレーの3つに区別しています。なお、対象は山形のリーグ戦直近10試合に大宮との前回対戦時である26節を加えた計11試合、20得点19失点です。
ちなみに、33節琉球戦以降やたらと失点が増えており、4勝1分5敗と低調です。ちなみに大宮はというと6勝3分1敗。改めてラスト3試合の引き分けが悔やまれます。

7直近10試合



2.(1) ハイライト分析からみる得点の特徴

さて、まずは得点について。20得点の内訳はポゼッションが7、トランジションが7、セットプレーが6となっております。

8得点内訳

このうちトランジションによるゴールについてはあまり警戒する必要はないと感じています。数字としては多いですが、これは完全に失点した側のミスによるものです。愛媛がGKが出すぎていたことによるハーフウェーライン付近からの超ロングシュートで2失点、千葉が不用意なパスにより3失点、琉球に対する1点はGKとCBの連携不足によるオウンゴールと、よほどの不手際がなければこの形で失点することはないでしょう。
とは言っても、愛媛戦で見せたような、サイドに追い込んでからDH脇を使われるようなパターンには注意する必要があります。特にビルドアップ時に三門がDFラインに落ちて415になる場合は中盤が薄くなりますので容易にこのパターンにはまるでしょう、とかの我々アルディージャサポーターの指導者ちくき師も分析しています。


次に、セットプレーですが、内訳はPKが2本、CKからが4本、FKに合わせたものが1本です。ボランチの中村のキックは正確で、4つのCKはいずれも中村によるものです。彼のキックが冴え渡らないことを祈るばかりです。

そして、7つのポゼッションによるゴール。このうち6つが速攻で、相手がペナルティエリアへ引っ込んだ状態から始めた攻撃では1点も取っていません。また、守備側の陣形としてはボールホルダーにプレッシャーをかけられておらず、間延びしたブロックを築いた相手に対して得点を決めています。起点とするレーンは中央もしくは右サイドからで、崩しに使うレーンは右サイド。ほとんど左サイドは関わっていません。

9得点(ポゼッション)


大宮として警戒すべきなパターンは2つです。

①速攻により左サイドの裏、もしくはWB-CB間を使わせないこと
前回対戦時にはまさにこの形でイッペイの裏を使われ失点しています。

②GKからのフィードによるプレス剥がし
ショートカウンターを攻撃のメイン手段に据える大宮にとって最も警戒すべき形。町田戦ではGKのフィードミスから失点をしているので、GKへのプレッシャーのかけ方もポイントのひとつ?

上記①②より極めて重要になるのは左WB及び左CBのプレス時、ブロック時の連携です。ここさえしっかりとできていれば、山形の攻撃の勢いを半減させることができるでしょう。



2.(2) ハイライト分析からみる失点の特徴


続いて失点について。19失点の内訳はポゼッションが8、トランジションが8、セットプレーが3となっています。

10失点内訳

パッとみて分かるとおり、セットプレーでの失点がかなり少ないです。シーズンを通しても40失点中、7失点のみ。ちなみに大宮はなんと40失点中、5点と山形以上のセットプレーの固さを持ちます。
前回対戦時に大宮はシモビッチがイッペイのコーナーに合わせてゴールを決めています。しかも2人に付かれながらほとんどジャンプもせずに。このため、シモビッチが出場するならば、今回もセットプレーでの得点の可能性は低くないはずです。

ポゼッションによる失点は8ですが、直近10試合のデータで顕著な特徴が出ることはありませんでした。個人的には右CB周辺が弱い印象があります。山口戦では右CBの前のスペースを使われてしまったことで2失点しています。(動画の1失点目目が19秒~、2失点目が41秒~)

さらに、柏戦ではサイドの裏に流れるCFに付いていったがために、ぽっかりと空けたスペースを使われて失点しています。

大きな弱点ではないかもしれませんが、右CBの裏を奥抜が柏戦や福岡戦のように上手く使えると良いのではないでしょうか。

そして、トランジションによる失点ですが、内訳はこちら。

11失点(トランジション)

8失点中、特に注目したいデータは、アタッキングサードでのロストが5、セカンド回収により奪われたのが4です。まさにこの2点の特徴を持っていたのが、前回対戦時の大宮の2得点でした。いずれもが山形を自陣深くに押し込めた状態からセカンドを回収してのゴールです。プレーオフでもセカンド回収はキープレーになるでしょう。(動画の2分9秒~が1点目、4分35秒~が2点目)

3. まとめ

以上、こまごまと説明しましたので、上述したポイントを記載して締めとします。相手は調子を落としています。ここで完勝し、悪い流れを断ち切り、プレーオフ第2戦へ向けて勢いをつけましょう!!!

モンテディオ山形の警戒すべき攻撃
・チャンスを見るや、手数をかけず一気に攻めてくる
・サイドに追い込んでのカウンターには注意
・セットプレー、中村のキックは注意
・攻撃を遅らせ、左サイドの裏、WB-CB間を使わせない         ⇒左WB・CBの連携が重要
・GKからのフィードによるプレス剥がしに注意
モンテディオ山形の狙いたい弱点
・右CB周辺が狙い目。積極的に使おう
・セカンド回収からゴールを狙おう

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