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穴あきパンツのミーちゃん。その6

無機質な夜

静かな夜だった。

ミーちゃんのレベルが少し落ちてらしく、少し様子を見てから手術をするか決定すると電話があった。

他にも怪我があったのかも。

お通夜みたいな夕飯を済ませて、そそくさと寝室にこもる。

外に自由に行き来できるようにしていたから、一日中べったりではないけれど、夜には決って戻ってきて、私のベッドに飛び乗って定位置で寝る。それがミーちゃんと私の毎日だった。

”カタっ”。玄関の猫ドアが開く音が聞こえたような気がした。もちろん、見に言ってもミーちゃんがいるわけもなく。だよね。。。と呟き、トボトボと寝室へもどる。

考えても仕方ないことが、頭から離れない。
どうしてこうなったのか?

「猫を飼うってことは、こういう事があるってことだよ」「無駄な治療はかえって痛い思いをさせるだけ」

旦那くんは、慰めてくれているのだと思うが、その言葉一つ一つを受け入れす余裕もなく、かえって自分を責める気持ちが強くなるばかりだった。

朝になり、いつものように朝支度をし、鶏の世話をし、リモートワークのために机につく。

資料を眺めても頭には入ってこないし、キーボードをたたく手もただただ動かしているだけ。なんだか、無機質な空間に座っている感覚だった。

夕方になって、電話がなった。

「終わったから連れて帰っていいよ。ミーちゃんは大丈夫だよ。」

最初の診察の時に言われた通りに、術後の行動を抑制するために買ったケージを車にのせ、病院へ向かった。

良かった!治った! 
この先にもっと大変な出来事が待っているなんて、
是ぽっちも想像していなかった。


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