第二の人生が始まった話

わたしはついに上京した。
夢の東京生活をしている。

新卒で3年勤めた会社を辞めた。
有休1日も使えなかったんだよーって友達に言うと絶対にブラックといって笑いが取れる。

会社を辞めることができて清々している。
あの五月蝿いママ世代の悪口を聞くことがないし、毎週の当直もない、座る暇もないほど動き回ることもない、間違いなく正しい選択であった。

今や髪色もネイルも自由、仕事量は劇的に減り、お昼は前と一緒でおうちに帰れる、給料も下がらない、こんだけ条件がいい働き口はそう簡単に見つからないだろう。

寂しいことといえば、職場の先輩後輩、3年間仲良くしてくれた同期と離れてしまったことだ。みんな優しかった。栃木に戻ることはないが、みんなに、会いたいとは思う。

あいつは元気でやっているだろうか、最後にわたしを送り出すとき、あいつは泣いていた。初めてみた涙だった。男の泣く姿には慣れていないのでどうしていいかわからなかった。共感性の高い私でもなぜか涙は出てこなかった。

この3年間ずっと好きでいてくれた。

仕事終わりに飯行こうぜ!とLINEすればいつでも、一緒に行ってくれた。ほとんどのご飯を奢ってくれた。わんちゃんパン。これだけで、生食パンを買いに行くことが伝わる人はなかなかいないだろう。

色んなお店に行ったし、色んな場所に連れてってくれたし、こちらも連れ回したし思えばあいつがいたから楽しめた3年間だったと思う。

ただ、あいつに抱く感情は一体なんだったんだろうか?恋心ではないが友人よりももっと、何か、大切な存在である気はする。
もっと、感謝を伝えられたら良かっただろうか。

栃木を離れてから、あいつからの連絡はない、期待していたのか。意外とないな。と思った。

私のここ最近の課題は恋人についてである。
どうにも、この恋人についてよくわかっていない。何が大切で、何が、愛なのか。

7年思いを馳せた人がいた、
その人はずっと嘘をついていたのだけれど、私はそれでもいつかまた振り向いてくれると思っていたのだ。健気で可哀想。
思わせぶりな態度をとるその人は本当に罪でどうしようもない男だ。
この人生、会わないほうが良かった?
会わなかったらこんなに好きになれる人はいなかったと思う。
そんなことを思うといい経験させてくれてありがとうという気持ちと、ふざけんじゃないよ幸せにだけしろよ馬鹿がっていう気持ちでぐちゃぐちゃになる。
それでもやっぱりあなたに会えて良かったと思ってしまうのである。

そんなあなたに別れを告げて一か月半、曲を作ってくれたみたいで、それは確かにあなたの声で、あなたの歌で…言葉で。懐かしい気がした。だって、ずっと聞けてないもの。いつだって、泣ける感情スイッチを持っていたので曲は聞いてなかった。

思わせぶりな歌詞、その悲劇のヒロインはわたし?それとも、別の女なのか、そんなことが、浮かぶことが、嫌になるのだがもうどれだっていいどーでもよくはないけど、気持ちが言葉に表れているのが、歌があなたの唯一の自己表現なんでしょう。もっとわかり易く、生きて欲しいもんだわ。

わたしは少しずつ前に進もうとしているのをあなたは気づいているの?

恋人繋ぎをするとき、なぜだかちっとも嬉しくない、思い出すのは誰?もうそのときほど嬉しいと思うことはないのよ、手を繋ぐことに価値を見出していたわたしはそうさせたあなたを許せないわ、本当いつまでも居座るの許せないよなぁ

拗らせてしまったもので、素直に人を好きになることができない、怖い、裏切りが怖い本当そうさせたあなたは酷い人だから本当もっと苦しんで欲しいとも思うのに、何もダメージはないらしい

わたしは本当に優しくない、幸せは願えないんだよな、大人になれるかな

新しい人生が始まっているはずなのに、どこかふらふらな毎日が苦しい時がある。そんな時に優しく寄り添ってくれる人間はいるのでしょうかね、わからないね

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