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『 おばあちゃん客のエピソード あ・い・う・え・お』

ヨロブン、アンニョン! (みなさん、こんにちは🌷)
ソウルで3坪のお寿司屋さんをやっているオミジャです。



サーモン寿司(店名)には、ほぼ毎日のようにやって来るおばあちゃんが2人ほどいる。

年の頃は70歳ぐらい。

2人とも決まって座るのはサーモン寿司(店名)の特等席。


そう
( ̄︶ ̄)ニンマリ


3坪の店内にもなんと!
特等席があるのだ。


エヘンッ!(自慢)




ガラス張りのお店は外から中がよく見える。

"待ちの列" が長ければ長いほど、食事中の客達を '見守る' 外の客達の視線は痛い。



が、しかし、この特等席。


ここだけは別空間。。
時間がゆっくりと流れている。


理由は1つ。


外を背にして坐る唯一の席だから。




痛くも痒くもない視線を ''''に、トロトロとろけるサーモン寿司をただただ堪能できる席。




おばあちゃん達は知っているのだ。

流石である。


歯が弱くなった年配の人達にも人気のサーモン寿司。
口に入れるとたちまちとけてなくなってしまうサーモン寿司は食べやすく栄養価が高く消化も良い


このおばあちゃん達、お昼に来店し、そしてしばしば夜にもやって来る。


もしもの為^^;; 最初はよく確認してたっけ。



あれっ?

お昼にもお寿司食べられましたが夕食もお寿司ですか?、 と。


聞いてみると若い時からサーモンに目がないと言う。



1人 は右手が不自由なためお箸が使えない。
代わりに太めの爪楊枝を出してあげる。楊枝でお寿司をさして口に運ぶのだ。

美味しそうにサーモン寿司を頬張るおばあちゃんの顔はまるで子供のよう。


無心に食べている。

歳をとるほどに子供に戻っていくようだ。



サーモンの皮を剥いだ下の'茶色っぽい部分'。これは血合いという魚の筋肉の一種なのだが、 もう1人 のおばあちゃんはこの部分が苦手である。

お箸を上手に使って 'その部分' をピンク色の身から切り離す。


その器用さについ見とれてしまう。
( •̅_•̅ )じっ


見ていると、このおばあちゃん、この切り離し作業が実に楽しいようだ。

何度もネタのサーモンを 上下左右 にひっくり返しては '茶色の部位' を探す。

そして最後には、サーモンを360度


くるっ!


と回転させてしまう。



いよっ、お見事!


きっと最終点検なのだろう。


満足な食事の後はテーブルに備え付きのティッシュで綺麗に口の周りを拭く。
拭き終わると携帯に映る自分の顔を確認する。
OKサイン👌が出るとマスクをし、ゆっくりと立ち上がる。


おばあちゃん達は人に気遣ってもらうのが大好き💓💓💓💓。


おばあちゃんを見送るために、特別にお店のドアを開けてあげ、おばあちゃんの手を取り、入口の段差を降りるのを見届けてあげる。

お店に1番で入ってくる時のあの 勇ましさ はどこへやら? 私の手厚いお見送りに急におばあちゃん らしく なり、よろよろ(ありゃっ?) しなしな(あれまっ?) とお店を出ていく。


目に入れても痛くな....痛いだろうが
可愛いお年頃である^^;;



こんなエピソードがある。

⇩⇩⇩

この2人のおばあちゃん。
ある日、来店の時間が重なってしまい特等席の取り合いになった。
でもここは 早い者勝ち
先に座ったおばあちゃんの勝ちとなった。

それ以後、2人とも ''開店前'' にやってきては事前に特等席を予約するようになった。

3坪のサーモン寿司(店名)では席の予約は取らない。
正確には狭すぎて ''取れない'' のだ。。。が、
このおばあちゃん達には通じない。。


予約というより 宣言 していくのだ。


'あの席' は私の席だ。と。


そして開店と同時に、どこからか現れ ''1等'' で入店するおばあちゃん。
外で待つ列などお構い無しだ。
自分は開店前に1度来店し、顔のハンコを押したのだ。と言い放ち絶対に列には並ばない。

急な マナー違反 に列のお客達はあぜんとする。
そんなお客達を押しのけΣ(゚ω゚ノ)ノ、勇ましく 堂々 と入店するのだ。

その勝ち誇ったような表情に私はただただ 苦笑い するしかない。

待てないおばあちゃんに道を譲る他のお客さん達。

人生の大先輩

白髪のおばあちゃん達。。

大変な時代を乗り越えてきた国家の土台の1部ともいえる存在に 後輩が 順番を譲る。。


素晴らしい光景ではないか。。(5分の1 苦笑)


思いのままに悠々と来店し、そして子供のようにサーモン寿司を頬張り、帰ってゆく時はよろよろのおばあちゃん。


栄養価の高いサーモンを美味しく、ゆっくりと食べ、これからも健康で長生きして欲しい。




さて。。

私は どんな おばあちゃんに変化していくのだろうか?
気になる今日この頃。。。
( ̄▽ ̄;)ハハッ



みなさん、 おばあちゃんのエピソード いかがでしたでしょうか?

お寿司屋さんを始めて3年が経ちました。この3年の間の、若者層の常連客達の '成長' は著しく、目を見張るものがあります。

が、シニア層の常連客達の '成長' 。。
いや。。 '老い' というものも、若者達の成長に負けず劣らず、3年の間に大きな変化を見せた。


私もいつの間にか40代も後半となり ''老い'' というものについて考えるようになった。
日本の両親がそんな年代に入ったからなのかもしれないが、自分の老いについて考えるようになった。


私はどう、歳を重ねていきたいのか。

私は誰と過ごしていきたいのか。

私は何をしている時が幸せなのか。

私は....


自分にたくさんの質問を投げかけてみようと思う。


みなさん、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました🌷



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