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アキナイイエをつくる(後編)

鳥取大山町名和にある、ちょい大きめの家を、小さい町みたいにしようと動いてます。場所の名前は「な〇(なわ)」

前編では、3つのアキナイがあるイエづくり「アキナイイエ」プロジェクトの話をしましたが、今回は「な〇」についての話をあらためてできればと思っています。

水木しげるのケツを追っかけて、まち宿をイメージしてたのに・・・

じつは、もとを辿れば、同じ鳥取でも大山でなく、境港のほうでアキナイイエをやろうと思っていました。

理由は単純明快で、「水木しげるが育った地に住むことで、彼の思考形成を追えるかもしれない......」、そこで自分が何を感じられるかを知りたかったから。つまり、究極のストーキングをやろうと、、ギャグでいえば”妖怪移住”としようとしてました。

で、境港は、街のつくりから、まち宿みたいのができるなぁ」とは思ってて、それをやるつもりだったんです。東京谷中の「hanare」とかをロールモデルとして考えてました。なんとなく、物件の目途もついてたし。

*イベントレポート記事を書かせてもらったり、「バザール千駄木」という場づくりをご一緒させてもらったりで、HAGI STUDIO(宮崎さんら)の思想に触れてこれたのがわりと大きかったと思ってます。         
【既存のまちのコンテンツをつなぎ合わせるコミュニティデザインーーHAGISOの宮崎晃吉さんとの対話から】 http://machinokoto.net/open-dialog-vol3-report/
【ビル1階の空室スペースが0.5坪のお店が集う場に。「バザール千駄木」に行ってみた】http://suumo.jp/journal/2017/03/23/130265/

さて、境港なんですけど、米子空港が近いこと、また米子駅が関西からのアクセスもいいこと、そして、2年後には国内最大(5000人級の乗客がのるクルーザーなどが定期で入る)ターミナルができるってのもあって、ジャパンローカルの入口としてもいいんですよね。

そこから、鳥取にかぎらず、これまでぼくが関わってきた日本各地のローカル案内所的な場ができたらとよさげだわーという気持ちで、去年の9月くらいまでいました。隠岐・海士町へ行くときの通過ルートにもなっているので、相性もわりとよさげじゃねえか?とも思いました。

「まち宿」の逆発想から生まれたイエ

ただ、それがフッと変わったのは、去年10月のこと。2年前の取材を機にちょくちょく通うようになった大山で、空き家担当している人に「いい物件があるんですよ」と言われて、見に行ったのが今住んでいる家なんです。

初見、もう家のでかさはもちろん、蔵が3つも~!とかほしい空間もあって、ただただ驚愕でした。「いい家と出会うと、その地域で暮らしたくなる」ってのは嘘じゃなかった(移住担当者は、そういう家を紹介できる体制を整えていったほうがいいかもすね)。ビビビッとこの家借りたい!と思って、今日にいたるわけです。

ただ問題が一つ、やりたかった「まち宿」がここだとできないんですよね。「まち全体をホテルに見立てる」ようなことを、こんな田舎で、近隣の家も少なく、お店がないような場所では正直それをやるのは厳しい...。そこで考えたのが、「逆まち宿」ではないですけど、敷地内にまちの機能を詰めこんでいけばいいじゃないか!という思いつき。

さいわい、敷地内が広く、母屋に蔵に厩に、と建物の数も多い。それぞれを商店街のテナントのように見立てて、少しずつまちっぽくしていこう。大山町に、もう一つの小さな町をつくっていこう。大山町でも名和という地区にあるので、それをもじって「な〇」。表示は違うけど、読み方は同じ「なわ」にすることにしました。

まずは「宿」と「酒場」、そのうち「図書館」や「売店」なども。

まちに必要なものはなにか? 実はいろいろとあるんですけど、とりあえず、外の人を迎えいれる「宿」と、地元の人がこれて、外の人との交流の場にもなれる「酒場」があったらいんじゃないか。ルイーダの酒場のように、そこで集まってきた人たちと、次のまちの機能を整えていけばいい。

で、まずは宿とバーをつくろうと思っているところです。徐々に「オフィス」や「食堂」、「図書館」に「小劇場」、「売店」、「公園」などもつくっていけたらと構想中でございます(まぁ、やってくなかで変わるかも!)

...というように、境港スルーしてからの大山で、まち宿の逆発想から生まれたアキナイイエが「な〇」なんです。とはいえ、アキナイイエ@境港の計画もひっそりと動いてはいて、「な〇」がひと段落したら実行していくつもりなので、またどこかでお知らせできればと。

そうそう、ちょこちょこ遠くから遊びに泊まりにきてくれる人がいるのは、やっぱりうれしいもんですね。こんな辺鄙なところまで来てくれるってのは、相手との関係性をあらためて確かめられる、そんな良さがある気がしてます。

(「オミマガ」を一部編集のち転載)

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