オーストリッチブラスの演奏会について

今日、演奏会に行った。

初めに
なぜこの演奏会の感想を書こうと思ってたのかというと、今まで聴いた演奏会の中で初めて暖かい気持ちになれたから。
上手くまとまらないかもだけど、広告業で培った原稿表現力を発揮してみる。。

場所は大名にあるパイプオルガンが目立つ100人くらいの施設。
ずっと「怪しい宗教施設やないか、、、」と思ってたので少し安心。

チケットは前日に完売御礼。当日券は無いと告知済みだったからか13時開場の時間になっても誰も並んでいなかった。
知り合いに差し入れを渡して、友人と着席。
30分後には席もほぼ埋まり、いざ開演。
最初は定番曲「A列車で行こう」
教会みたいに残響がずっと残る様な事はなく、今回のアンサンブルにはちょうどいい広さだった。
肝心の演奏だけど「上手い。」の一言。
トランペットパートの野太く揃った音色。ホルンの存在感。ソロチューバの安定感。トロンボーン圧倒的ハイスペ。
どれをとっても高レベルな演奏だと、一曲目で楽しさBPMが80→160にアップ。
正直、ユーフォニウムがあまり聞こえないな、、と思ってたら3曲目はユーフォニウムソロの「浜辺の唄」
欲しい時にに欲しい音がくる。
プログラム構成が素晴らしい。これだけ個々のレベルが高かったらWBCのオーダーくらい曲決めが難しかったはず。。

そして、MCの先輩。(お仕事は学校の先生)
悔しいくらい面白かった。場を和ませる能力が長けてるんだろう。お客さんが感じる演奏会に対する敷居を下げて終始盛り上げた1番目立つ脇役だった。

途中にプレゼントコーナーや、休憩中はギターのソロなど多くの音色を聴かせていただいた。
プログラムも後半になり、最後は「トゥーランドット」を演奏。
曲紹介で「トーン芸術大学主席のイノウエロドリゲスリョウノスケが演奏します〜」と訳の分からない紹介。
(あっ、、悪い身内ノリが始まったぞ、、)と思ったけど、金管の演奏が始まってパーカッションプレーヤー遼先輩が取り出したのはオタマトーン。。
会場大爆笑。さっそく可笑しいのがその演奏スキルの高さ。
重厚な金管の伴奏にマイク越しのオタマトーンの音色。
この絶対交わらない音色がどこかクセになる。
途中、音を半音間違えたり(オタマトーンってめっちゃ難しいよね)するけど、それすらも笑いに変わる。もっとこのサウンドを聴いていたい。聴きたい。と気持ちが変わってる。
クライマックスの高音を奏でたときはオペラハウスでしか聴けないであろう大喝采。
1番可笑しいのはこれがプログラム最後の曲というところ。
これで終わったらオタマトーンの演奏会に行った事になってしまう。
と思ったら、アンコールをMCが促して最後は金管アンサンブルらしいポップスで締め。
終始、笑いと圧巻が絶えない演奏会だった。

だけど、、、これを伝えたかったのではなく(勿論、演奏会は良かったけど)

今回の演奏会は初めての温かい気持ちになれた。
というのも今回メンバーの家族連れが多かったり、メンバーの会社の同僚がプレゼント企画で当たったりと本来交わらないであろう人達が集まった演奏会だった。
演奏中は赤ちゃんがグズって泣いたりしたし、演出でいっぱい笑ったりした。それも含めての音楽だと。
今回の演奏会のチケットは1000円だったけど演奏技術だけ見たら2000円払っても聞き応えがあるレベル。
ただ、この演奏会に参加できた事はそれ以上の価値があると思う。

「良い演奏を届ける」というのはあくまでエゴであり、一方通行。

本当に良い演奏会というのは「演奏会を体感する」という空気作りなのかもしれない。

キリノスケでした。

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