通り過ぎてくヒト

何時も知らない内に終わるんだ。
こんな風に考えたコト無かったのに。

通り過ぎてくだけの人達。
ボクを置いてく思い出。
ソレを目で追ってた日々。
ボクはずっと、そんな中で生きてきた。
けれど、気が付くと今度は
ボクが置いてく立場になってた。

「間違ってたのかな」
なんて思わないコトが、何となく
置いてった人達と
変わらない大人になったんだと気付いた。

ボクも、通り過ぎてったあの人達も
やっぱり同じなんだな…

置いてかれる気持ちは嫌になる位…
凄く、知ってるのに。

其れでも通り過ぎるコトを選ぶんだ。

誰かに聞いた訳じゃない。
只、皆が
傍に居る人よりも、誰かを…
安堵出来る誰かを選ぶから
通り過ぎてく道を辿るんだ。

大人になればなる程
其の道は沢山有って…
其の度に誰かを傷付けてく。

ボクは何度も置いてかれた…
そして、何度か置いてった。

通り過ぎてった人とは
何度か擦れ違って
其れ切りになった。

置いてった人達も
置いてかれた人達も
思い出の中で生きる…
薄ぼんやりとした見慣れてた筈の顔達。

こう言うのを、薄情って言うんだな。

「顔」と「声」が一致しない。
「顔」と「名前」が一致しない。

そんな風に、だんだんと
忘れてしまう置いてった人達。
そして、通り過ぎてった人達。

後何回繰り返すのかな?
長い、長い人生って道の上で。

何回気付かない内に傷付けられるんだろ?
何回気付かない内に傷付けるんだろ?

其れは何時だって
知らない内に始まって
知らない内に終わるんだ。

だって、ほら。
僕はもう直ぐ
通り過ぎて行く人に成るんだから…

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