見下していた明日7

※昔の自分に嘘をつきたくないので、誤字脱字修正以外は当時のまま掲載しています。

この話を、ボクを嘘つき呼ばわりした、
今まで誕生して来た全ての人間に捧ぐ。―

もうすぐ浄化も終わろうか、という頃の事である。
人間の中に、一際不満を述べて居る者が居た。
無法の世界において、闇の皇子の母親だった者である。
この者は、無法の世界において、皇子を袖てる事を担当して居た者であるが、
皇子が救いの子として生まれた事に不満を抱いており、
「お前が死ねば、全て解決したのに。」
と言い放った事さえあった。
これは一言一句違えたとしても、神の怒りとして記す。

しかしながらこの女には、「皇子を育てた」という名誉が付されており、
それは神も感謝する所であり、無条件で永遠の命が約束されて居る。
しかしながらこの女は、無法の世界において、
闇の皇子が「貴女は助かる」と言い続けたにも関わらず、
「私は助からない。何故ならそう聖書に書いてあるからだ。」
と延々と言い続け、闇の皇子を嘘つきとして扱い続けた。
その度に皇子は落胆し、そして女は「何が不満なんだ」と怒りを顕にした。
これは一言一句違えたとしても、神の怒りとして記す。

この女は、女として生まれた事に不満を抱いて居た為、
男として既に存在して居る。これは他の者にも当て嵌まる事で、
無法の世界において、性同一性障害だった者、
自己の性別に不満を抱いて者、異性転換への憧れを抱いて者、
こう言った者達は全て、性別を転換した状態で再び肉体を得て居る。
それは、障害者、病人も同様で、全ての人間は
健常者として、極めて健康体で再び肉体を得て居る。
しかし私は知って居る。この者はもうすぐ不満を抱く。
それは、男として生まれた闇の皇子が何も良い事が無かったのと同じで、
男として生まれたからには、男としての苦労が苦痛が辛苦が存在するのである。
どちらの性別だから得、等という事は、最早今後の世界において存在はしない。
全ての人間は等しく管理される存在であり、誰が偉いという事も存在しない。
等しく従属する人間だけが存在するのみである。
人の領分を弁えないのなら魂を殺す、それだけだ。

例えどれだけ皇子が励まそうと言葉を紡いでも、
返って来るのは「どうせ私は滅びるんだから」と言う、
皇子は嘘つきだ、と言う言葉だけであった。
これは一言一句違えたとしても、神の怒りとして記す。
そして、「必ず助かる」と言った、皇子の言葉だけは霧散して忘れ去られて行く。
皇子を性的虐待した者達の親、その家の子供に成ればいい、
そう言った事もあった。
皇子はゴミと同じであった。
少なくとも、人間にとっては実際そうであり、
だからこそ「尻を叩くな」と騒ぐ連中が芽を出したのもまた、
残念ながら人間という生き物の事実として認識されているのだ、
我々においては。

この女は、新しい肉体を得た時、
皇子の事については一切言及しなかった。
しかし、自ら実際の息子の事に関しては、これを言及した。
それに至っては皇子は何も言わず。
最早これが結論であった。

この女には間違い無く栄誉が宿って居た。
しかし、それは永遠の命という形で完全に解消される。
そして、もうそれ以上を求める事は許されない。
皇子にとっても、今後という事は最早この女とは関係無く・・・
いや、あっては成らないものとされ、
それは神の御意思なのであり、
それを認めない事は、魂の死を意味している。

人間という生き物は、結局分かり易い奇跡でも起こらなければ
何も心動かされる事も無い。その癖、
分かり易い奇跡では、すぐに「そんな事は気のせいだった」と、
忘れ去ってしまうのである。

闇の皇子、という存在は、
人間にとって「ゴミ」で在った。
裁きの子の様に分かり易い奇跡も起こせず、
何の栄光も存在せず、容姿も美しくは無く、
その上、世界には皇子の敵だらけで、
性的虐待を受け、いじめられ、差別され、
そして会話すらまともに出来無い障害者であった。

そんな皇子を、世界中の尻を叩かれていない子供達が馬鹿にして居た。

それが、
人間全てを助かる道へ導いてくれる
救いの子だとも知らずに。


世界は変わった。
しかし、人間は変わらない。
相変わらず、尻を叩かれていなかった人間は、
反逆の機会を窺う、
愚かな生き物のままだ。


騙した者が讃えられ、本当の事を言った者が
「嘘つき」と呼ばれた。
嘘をついて居たのは、いつだって
「子供の裸を隠せ」「子供の尻を叩くな」
そう騒いでいた、悪魔の教えを信じる者達。
人間の自滅を促進する者達が、まるで正義の味方の様に振る舞って居た。
そんな世界がもうすぐ終わる日に、皇子はゴミとして扱われて居た。

今日も地球の何処かで、「尻を叩くな」という
邪教の教理を信じ続ける人間達が嗤って居る。
しかし、何処に隠れて居ようが、世界中に光と闇の天使が居る。
何処へ逃げても無駄だ。お前達の隠れる場所など無い。
必ず神へ反逆した者には、魂への報いが待っている。
お前達邪教の教えが滅びるその日まで、必ず我々は追い詰めてやる。
闇の皇子を虐げた者達に、神の軍勢に逆らう事の意味を
教えてやらなければ成らない。

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