見下していた明日8

反乱分子の武装蜂起から、更に666日が経過した。
今度はもう一つの危険分子が行動を起こした。
フェミニストである。
例によって、馬鹿の一つ覚えで集まって下らない主張を叫び始めた。

「障害者が、ガイジが息をしています!アスペが呼吸をしています!
これは女性への暴力、IV被害です!
障害者が生きている事は、紛れも無い女性への暴力なのです!
こんな事が許されるでしょうか!?
全てのフェミニストは、障害者が、ガイジが、アスペが、
一人残らず殺される事を心から望んでいます!
歴史上、フェミニストと同じ思想持った団体は、
ナチスとKKKとセーブ・ザ・チルドレンだけです!
それをあのアスペ野郎が!ガイジ野郎が邪魔をした!
私達フェミニストは、障害者をただ殺したかっただけなのに!
障害者を殺すのは、女性の権利なのに!
障害者を殺すという女性の権利が、何故認められない!?
障害者を、ガイジ野郎をぶち殺せないのなら、
またセクシズムと言って批判するぞ!
私達は、障害者から搾取をしたいのだ!
もっともっともっと搾取をさせろ!
フェミニストは搾取と差別と虐殺の思想ぞ!
それを認めぬは、虐殺されても文句は言えぬのだぞ!
ハイルヒトラー!我々は選ばれた人間!
ハイルヒトラー!我々は最も優れた人間!
ハイルヒトラー!我々は女性という優位種の中でも最も優れた人種!」

無法の世界において、確かに女が男より下に見られていた時代はある。
しかしながら、無法の世界最終盤においては、
寧ろ女の方が権利が大きく成り過ぎて、男を遥かに上回る権利を得て居た。
しかし、それでも権利を欲しがったのがフェミニストである。
フェミニストは既にただの女権主義者に過ぎず、
男女不平等を求める存在であった。
その搾取の矛先はやがて、立場の弱い障害者に向けられ、
インターネット上に数々の障害者への誹謗中傷が
フェミニストによって書き込まれていた。
それでも彼女達は「正義の振り」をして居た。
闇の皇子は、それと戦ったのである。
すると、益々障害者差別を加速し、ナチズムへの傾倒もまた、加速した。
元々、「子供を叩くな」と主張する人間達は、
「障害者差別」という点でも共通して居る。


「悪しき者は悪しき思想にて群れる」


これは、フェミニストの報告をして下さった時の闇の皇子の言葉だ。
残念ながら、統治の世界に入ってから今まで起こった事を鑑みるに、
それは紛れも無い事実である。
「障害者だけは虐殺する」
という、確固たる意思がそこには垣間見える。
差別の為の思想、虐殺の為の思想、
それがフェミニズムの本質である。

「フェミニストはこの世界に一人も必要無いよ。」
闇の皇子が居た。
フェミニストは闇の皇子を見付けると、
「殺せ!」「殺せ!」と叫び始めた。
これは、本能である。
そもそも、無法の世界の時とは既に違う顔の闇の皇子を見て、
どうして反乱分子は「障害者を殺せ!」と叫ぶのか。
実は、人間は悪しき思想を持ったまま世界を越えてしまうと、
本能的に闇の皇子を馬鹿にする様に成る様に作られて居る。
闇の皇子に逆らうという事は、即ち
神の意志を実行する者への反逆であり、即ち
神への反逆である。
つまり、「子供の尻を叩かない」「障害者を差別したい」
「フェミニズム」「ナチズム」「白人至上主義」「子供の裸を隠したい」
これらの思想を持ったままの人間は、
将来確実に魂の死を迎える事に成る、という事だ。
だからこそ、これらの思想を持たない為に、
幼い内に子供は尻を丸出しにされて、
真っ赤に成るまで尻を叩かれて教育される必要がある。
そうする事によってのみ、人間は悪しき思想を身に着けない
土壌を作る事が出来る。
しかし、その助かる道を敢えて無法の世界の終盤の人間達は捨てた。
人類滅亡の本能の仕組みに逆らう事も無く、自滅へと進んで行った。
人間とは、本当に愚かな生き物で在る。

「もうこんな馬鹿騒ぎをやめたら?
そうすればもう少しだけ生きられるよ。」
何と慈悲深い・・・自分を差別し、殺すとのたまう連中に、
命を長らえる機会を与えるというのか、皇子は。
しかし。
「うるせえぞガイジ!キリストだったらな、
お前と違ってもっとまともな事を言うぞ!」
「そうだキリストを寄越せ!」
何と愚かな・・・。
「キリスト様!御願いします!この愚か者のアスペガイジ野郎と違い、
我々にどうか慈悲を御与え下さいませ!」
「やめろ!それは言ったらいけない!」
闇の皇子が咄嗟に叫ぶ。
「良かろう。慈悲を与える。」

「あ゛ぎごがぎごがご!」
フェミニストの女に天から雷(いかづち)が降り注いだ。
それも何度も何度も何度も降り注いだ。
女の体は消し炭に成った。しかしそれでも雷は止まらない。
灼けた炭が跡形も無く消滅し、地面が完全に抉れて穴が空いた頃、
ようやく雷は止まった。
「だから「やめろ」って言ったのに。」
闇の皇子は悲しそうに呟いた。
「次の者、同じ場所へ来い。いちいち座標を指定するのが面倒だ。」
天から再び声が響いた。
「おい!お前キリストだろ!?何でこんな酷い事するんだ!」
別のフェミニストの女が、天に向かって叫ぶ。
「神に逆らいし者を裁くのは当然の事。我は裁きの子也。それにだ、
そもそも身内を「馬鹿な障害者」と貶されて、許す者が居ると思うのか?」
フェミニストはハッとした顔に成った。
ようやく、自分達が何をして居たのか気付いたらしい。
「さあ、さっさとしろ。死は悪しき人間への最大の慈悲だ。」
「うるせえ!ガイジをガイジと呼んで何が悪い!
部落は部落、ニガーはニガーだ!白人と韓国人だけ崇め奉っとけ!
大体何が神だよ!宗教はどれもキチガイのものだろうが。
仏陀はキリストのチンポコしゃぶって、
ムハンマドは仏陀にケツ穴掘られとけ!
薄い本として売ってやるからよ!ガハハハハハハ!」
まだ分かっていない馬鹿が居たか。
フェミニストの女が能天気に嗤って居ると、周囲に人だかりが出来始めた。
「許せない・・・我々の信じるものを侮辱したな。」
それは、イスラム教徒の者達であった。
他教に比べ、熱心という事も、この怒りには関係しているのだろう。
闇の皇子が嘗て無法の世界の終わりに述べた通り、
神は崇拝の形態を現時点では強制していない。
よって、イスラム教徒もまた、神を崇拝する者に他成らないのだ。
「闇の皇子よ!どうか我々の願いを聞いて下され!
あの女の処罰を我々に任せて欲しい!これは我々皆の願いです!」
周囲の者達も皆一様に頷く。
「分かった。いいよ、好きにして。」
闇の皇子はそう答えた。
「有難うございます!」
「光の皇子よ!どうか我々の願いを御許し下され!」
「うむ。許す。」
人々が天に呼び掛けると、天から答えが返って来た。
「有難うございます!では、皆の衆!御許しも出た事だ、
あの女の処刑を行う事にする。処刑方法は石打ちの刑で問題無いか?」
「異議無し!」「異議無し!」「異議無し!」
「よし!ではこれより、あの女の石打ちの刑を執り行う。」
音頭を取って居る男がそう言うと、銘々に地面に落ちている石を拾って、
女の周囲に集まり、女に向かって構えた。
「それでは石打ちの刑を開始する。処刑、始め!」
一斉に女目掛けて石が投げ付けられる。
最初は青痣程度だが、徐々に出血し、筋肉が裂け、目玉が飛び出て、
骨が剥き出しに成り、そして絶命する。
聖書の時代から存在する処刑法である。
女は死んだが、そのままではいけない。
すぐに死んだ女の魂を処刑する。
私が霊剣で魂を斬り殺すと、直後人間達が礼を言った。
「天使様、後始末有難うございました。」
「うむ。これが私の職務だからな。」
人間達は二人の皇子にも感謝し、引き上げて行った。
残ったフェミニスト達は、雷が降り注がれ、皆魂が死んだ。
裁きの子の雷は清い死が与えられる。
魂も死ぬ、死だ。
闇の死もまた、清い。

フェミニストは危険思想として全員監視対象であったが、
まだ残って居る個体も多い。
いずれ全員魂を殺すであろうが、まだその時では無い。
今はただ、人間の経過を見る段階だ。
まだまだ、再び生を得る個体は多い。

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