見下していた明日5と1/2

統治の世界が始まって、666日が経過した日の事である。
世界中の「子供の尻を叩くな」と主張する連中が武装蜂起した。
日本の元厚生労働省の連中が鳴りを潜めている中、
世界中の悪魔の思想に取り憑かれた人間達が、
密かに連絡を取り合って居たのである。
当然、一人残らず危険思想の持ち主として監視対象だった人間であり、
全ての情報は我々に筒抜けだった。
当然、表向き無関係を装っていた日本の元厚生労働省の連中も
大半が関係しており、泳がされて居た事に気付いて居なかったのは、
本人達だけである。

勿論、これは闇の軍勢の予測して居た事であり、人間の反抗当日には
闇の皇子と幹部クラスが地上に降りて来て居た。

連中の主張はこうだ。
「今の「浄化」と称する人間の尻を鞭で叩く行為は児童虐待であり、
今すぐにやめさせる必要がある。
そして代わりに「子供の尻を叩かない」という、
ナチスの方法で教育を行うべきである。
この方法で教育すれば子供は皆、多かれ少なかれ
ヒトラーと同じ意識を持つ様に成り、大変人間的で
自己肯定感の高い子供が出来上がる。
我々はこれを植松聖式教育と名付けた。
これは科学的な実験結果で、子供にとても良い影響が出る事が証明されている。
その中の一つが、「障害者を殺したく成る」というものだ。
これは自己肯定感がとても高まった証拠である。
これは科学的な実験結果で、

子供にとても良い影響が出る事が証明されている。
また人間の挨拶は「ハイルヒトラー」にすべきである。
これは科学的な実験結果で、

子供にとても良い影響が出る事が証明されている。
また、我々は日々の食料が枯渇している。よって、人間の肉を要求する。
人間の肉を食べる事はとても良い事であり、
これは尻を叩かない教育を実践する為にも必要不可欠な事である。
これは科学的な実験結果で、

子供にとても良い影響が出る事が証明されている。
また我々は、合法的に人殺しをする権利を要求する。
ナチスは虐殺する事を愉しむ思想であり、
それは「尻を叩かない教育」の実践にも繋がる。
これは科学的な実験結果で、

子供にとても良い影響が出る事が証明されている。
また、「尻を叩く教育」を認めた人間は全員虐待者なので、
全員監禁するべきである。監禁する施設名はアウシュビッツにする。
アウシュビッツに入れた人間は将来必ずガス室で殺す事にする。
アウシュビッツに入れられた人間はどうせ死んでしまうのだから、
何をしても良い。これは性的虐待では無い。
何故なら、白人の団体「セーブ・ザ・チルドレン」が行っていた事だからである。
白人は世界のルールである。
白人が「虐待では無い」と言えば虐待では無いし、
白人が「虐待だ」と言えば虐待なのだ。
白人は神よりも偉い存在なのだ。
よって我々は、子供を強姦する権利がある。
これは児童ポルノでは無いので、児童ポルノ禁止法には抵触しない。
強姦罪?何それ。白人が「正しい」って言ったんだから、正しいんだよ!
これは科学的な実験結果で、

子供にとても良い影響が出る事が証明されている。
天使を自称するガイジ(がいじ、害児、ゲエジ、アスペ、池沼)は、
我々白人を中心とする人間達の奴隷と成れ。
そうすれば、障害者であるお前らにも生きる権利を与えてやっても良い。
闇の皇子とかいうジャップはニガーと同じキチガイなので、
輪姦してから殺す。強姦は我々白人の権利である。
これら全ての要求を受け入れ無かった場合、
「子供の尻を叩く事を認めた人間」と天使を自称する害児共、
闇の皇子と光の皇子、そして神。それら全てを皆殺しにする。」

そもそもお前らは子供の姿に戻っているだけで、
実年齢は児童なんかじゃないだろ、というツッコミはさておき・・・。

「尻を叩かない」という悪魔の教育法は、当然認められない。
そもそも、この状況を作り出した根本の原因が「そこ」なのだ。
「子供の尻をきちんと叩いて」さえ居れば、
「救いの子殺し」という前代未聞の罪を犯す事も無かったのだ。
未だにこんな主張をする事自体、
この人間達が何も反省していないのが
よく分かる。

ナチス関連も言語道断である。
「尻を叩かない教育」と密接に関係している事であり、
絶対に認める訳にはいかない。

カニバリズム、性的虐待の容認、強姦の自由化、
どれも絶対に認められない。
こんなクズな事が認められる訳無いだろ。

そして、我々を障害者の事を蔑視する言葉で詰る(なじる)と来た。
「ガイジ」は障害者を差別する言葉だが、「がいじ」も「害児」も「ゲエジ」も、
表記が違うだけで、差別するという意味で全く同じ言葉である。
「アスペ」はアスペルガー症候群の障害者を蔑視する言葉だし、
「池沼」も知的障害者を蔑視する言葉である。
結局、この白人中心の人間達は、自分より高き存在全てを
「障害者」と呼んでおり、全てにおいて偉く尊いのは白人だと言って居る。
紛れも無い神への反逆であり、二人の皇子に対する宣戦布告でもある。

上の判断としての結論は、
「この集団に属する人間の魂を全員殺して処分せよ。」
との事と成った。
当然の判断だ。
闇の皇子も、一番上の存在からの命令に納得しており、
この反乱分子の一斉処分に参加して居る。
光の軍勢も持ち場を一時離れ、かなりの数が参加する。
ここら辺で、粗悪な個体を一気に減らしたい所である。

「オレンジリボンに御協力下さああああああい!
私達は、子供の虐待を防止する為に活動しています!」
鉤十字の描かれた応援旗の如き、大きな旗が掲げられ、
誇らしげに「ハイル・ヒトラー」の掛け声を上げながら、
ナチス式の敬礼を繰り返す者達。
「子供の尻を叩く事は虐待です!
ナチスの教育は、子供を叩かない素晴らしい教育です!
我々はナチスの教えを広め、世界中で障害者を差別する
ヒトラーチルドレンを育成して居たのです!
その素晴らしい計画を邪魔したのが、
闇の皇子を名乗るアスペ害児野郎のジャップです!
このジャップ野郎はニガーと同じで、大変頭が悪い障害者です!
我々は、障害者差別という、善行を行っていた!
その善行を子供達に拡げる為、「尻を叩かない教育」、
「愛の鞭ゼロキャンペーン」を実行して居たのです!
我々、厚生労働省は、確かにあの時、ナチスと共に在った!
アドルフ・ヒトラー閣下の御心と共に歩んで居た!
それをあのガイジ野郎が邪魔をした!
障碍者はやはり、殺されて当然の人間だったのだ!
子供の尻を叩かない教育によって、障害者は全員殺されるべきだったのだ!
植松聖という聖人を「子供の尻を叩かない教育」が生み出した!
植松聖はイエス・キリストよりも尊い存在なのだ!
そして、尻を叩かれなかったヒトラーの心を持つ子供達は、
天皇よりも尊い!
我々厚生労働省は、キリストと天皇以上の存在を同時に創り出した、
神を超越する存在だ!
我々こそが真のアーリア人だ!」

・・・頭のおかしい連中だ。
一人も聴衆が存在しない荒野のど真ん中で、
拡声器を使って誰に向かってか分からぬ言葉を叫び続けている。
嘗て厚生労働省で働いて居た、日本人という事に成って居る黄色人種の男だ。
所謂「名誉白人」というヤツで、白人に媚を売って擦り寄った結果が、コレなのだ。
その後ろではジープに乗った三人程の白人。
壊れかけた車両に偶々ガソリンが残っていて、それでこんな事に使われている。
「皇子は悲しむであろうな。」
闇の皇子は確か、エンスージアストだった筈だ。
車が、こんな下らない事に使われていたら悲しむだろう。

時間だ。
「よっし!行くぞ!奴等、天使を名乗るガイジ共は約束を守らなかった!
人間も天使も神も、皆殺しだッ!」
あんな約束が守られる筈が無いだろ。
それはともかく、連中、「子供の尻を叩くな」と騒ぐ反逆者共が、
動き出す。
集団名は「健やか白人21」とか言ったか。
どうでもいい。
ただの反乱分子である。

ジープが走り出す。
しかしながら、体が子供の姿である為、アクセルやブレーキに脚が中々届かず、
思いの外、運転に苦戦して居る様であった。
「クソッ!体がガキじゃなく、せめて大人だったらなあ・・・。」
白人の男がそう言うと、天から声が降って来た。


「この者達の体が大人に成る様に。」


すると反逆者達は全員、体が一瞬で大人に成った。
「やったぜ!何だか知らねえが、俺達はツイてる!」
無邪気に喜ぶ反逆者達。
恐ろしい事だ。
神は全ての反逆者の魂を見放された。

先程のジープや、そのほかの白人連中、
元厚生労働省に所属して居た黄色人種達、反逆者の白人に賛同する黄色人種達、
それら「子供の尻を叩くな」と喚き散らす反乱分子共が
一斉に人間達の居住区に攻め込んで来る。
反逆していない人間達は子供のままだ。
家屋の窓が叩き割られ、中の住人は皆逃げ出す。
大人の体と子供の体では、後者があまりにも不利だ。
我々も虚視状態を解除して、人間を守る為に行動を開始する。
そんな中、一人の人間の後ろから、一人の白人が鉈を投げ付けて来る。
次の瞬間、宙を飛んだ回転する鉈が人間に命中した。
人間の男の右腕から血が吹き出して、そのまま地面に倒れ込む。
そこへ近くに居た闇の皇子がすかさず駆け寄り、突き刺さった鉈を腕から外す。
「身体復元、右腕部を正常状態へ。」
そう言って両手を人間の男の右腕の上に掲げると、
すぐに男の右腕は何事も無かったかの様に元通りに成った。
「これで大丈夫の筈だよ。」
「有難うございます!有難うございます!」
「どういたしまして。」
何度も頭を下げて感謝の言葉を述べる男に対して、皇子は微笑んだ。
そして立ち上がり、鉈を投げ付けた男を見据えてから、こう言った。
「そんなにおしりぺんぺんが嫌なら、残念だけど魂を殺すしか無いね。」

「おいアスペはなあ、「あうあうあー」としか言えないんだぞ!
ほら、「あうあうあー」って言ってみろよ!
セーブ・ザ・チルドレン様の御命令だぞ、おらあ!」
鉈を投げ付けた白人が、偉そうに闇の皇子に大して命令をする。
そして無法の世界の時と同じく、障害者へのデマを堂々と言ってのけていた。
その横から韓国人の男が現れる。
「おいジャップ!これは病身舞と言ってな、我々韓国の伝統文化なんだ。
つまり障害者差別という点において、我々韓国人と白人は
同じ文化を持つ仲間なのさ。それをアスペジャップ、お前が邪魔をした。
教育評論家や厚生労働省を使って、日本の子供をヒトラーの様に育てる。
それが「愛の鞭ゼロキャンペーン」だったのに・・・
貴様という人間が、ガイジという存在が、
よくもナチスの邪魔をしてくれたものだな!
やはり日本は、もっと原爆を落とされるべきだった!
アメリカは三発目の原爆を用意していたし。セーブ・ザ・チルドレンもまた
それを望んでいるのだからな!」
「やめろ!そんな事をいつまでも言っているから、
我々は世界からいつまでも馬鹿にされるのだ!」
低木の木陰から、別の黄色人種の男が現れた。
「俺は厚生労働省に昔所属していた人間だ。
通名を使っていたから、日本人だと思われていたけれどな。
あの同胞の男が総理大臣に成ってから、あからさまに
ロクでも無い法律ばかり通ってな・・・うんざりして辞めちまったんだ。
俺はもう嫌なんだよ。同じ民族の奴が悪事を働いているのを見るのが」
「余計な事言うんじゃねえ!いいんだよ、ナチスで!
一刻の総理大臣がそれを決めたんだから、子供をヒトラーに育てて
何が問題がある!?子供の尻を叩かなく成った白人の国が何処も狂った様に、
日本も狂い死ねば良かったんだ!
その為には、厚生労働省の「愛の鞭ゼロキャンペーン」が
絶対に必要だったんだよ!日本を潰す為にな!」

「どうでもいいよ。」

闇の皇子の言葉であった。
「そんな事はもうどうでもいい。
何人だろうが、子供の尻を叩く事を認めない人間は、
全員魂を殺す決まりに成っている。
だから殺す。
それと、日本人を馬鹿にしていた人間は、白人だろうが韓国人だろうが
心が濁れているから、どちらにしても死ぬ事に成ると思うよ。
必要の無い個体に、生きる権利は無い。」
「ハハハ!何が「生きる権利は無い」だ。
そんな事を生意気に言っていられるのも、今の内だけだぞ害児野郎。
こちらには、核の用意があるのだからな。」
「そっか。」
闇の皇子は、心底どうでも良さそうにそう応えた。
「おい!お前達ジャップが恐れる原爆と同じ力なのだぞ!
俺達に逆らうと、核ミサイルを一発どころか何発でも打ち込んで、
神ですら殺してやると言っているんだぞ!」
「殺せる訳無いだろ。核物質を作ったのだって神なんだから。
それに―――

―――そんな物は大した脅威じゃない。」
何処か彼方の方角に視線をやりながら、皇子はそんな風に言った。
「強がっても無駄だぜ。
核は白人さんが作り出した、世界一の破壊力を持つ兵器だからな。
それにお前はここで死ぬんだぜ。
俺達二人だけじゃないんだぜ、お前を殺そうとして居るのはな。」
確かに、先程から周囲に生命反応を複数検知している。
しかし、正確な位置を把握した上で全員を確実に始末するのは、
少々骨が折れそうだ。
「連中は何処に隠れているの?」
突如、闇の皇子は下を向いて、地面に向けてそんな事を言った。
「何やってやがる?そんな事言えば俺が教えるとでも思っていやがるのか?
やっぱり障害者は頭が狂ってやがる。だから病身舞は必要」
韓国人の男が言い終わらない内に、地面から掌に一つ目が付いた
真っ黒い手が複数現れ、あちらこちらの方向を指差し始めた。
何だ、この能力は・・・。
「指差している位置に敵が居るから、そこに攻撃を仕掛けて。」
「了解しました!」
私は部下に命じて、真っ黒い手が指差した座標に向けて攻撃指示を出す。
「ぐわああああああ!」
すると指差した位置には、ピタリと正確に反乱分子の人間が隠れており、
全員魂を殺す事に成功した。
よく見ると、敵が逃げ出そうとすると移動した方向へ向けて
指先が少しずつ動いており、これでは逃げられる筈も無かった。
何という探知能力の高さ。これが闇の皇子の力なのか。
「ありがとう。」
皇子が手達に礼を述べると、手達も別れを惜しむ様に、左右に全体を振って
地面へと戻って行った。
「化け物か・・・クッ!」
韓国人の男は振り向いて走り出す。
「その男を捕まえて!」
闇の皇子がそう言うと、再び地面から、そして空中から真っ黒い手が複数現れて、
韓国人の男を身動き不可能な程に拘束した。
「早く殺して。」
皇子の言葉に、私は走り出して後ろから霊剣で韓国人の男の背中に斬り掛かった。
「な゛っ・・・あれ?何してんだ、俺?」
記憶が損傷により急激に過去に戻って、韓国人の男の魂は死に、そして消滅した。

先刻鉈を投げ付けて来た白人の男が、逃げ出そうと後退る。
しかしすかさず部下が二方向から回り込み、男は逃げ場を失う。
「子供の尻を叩かない教育を全人類に実施すれば、障害者を皆殺しに出来たのにな。」
「だから必要無いんだよ、子供を叩かない教育は。
アドルフ・ヒトラーと同じ、虐殺者を生み出してしまうから。
子供は必ず、尻を丸出しにさせて、真っ赤に成るまで叩かなければいけない。
それをしなければ、再びヒトラーを生み出す結果に繋がってしまう。
だから子供は、尻を叩く以外の選択肢は存在しない。
それは人類が最初に生を受けた時から決まっている事だ。」
白人もまた、魂を絶命させた。
しかし。
まだ反乱分子は多く残って居る。
我々は闇の皇子と共に、次の場所へと急いだ。

開けた場所へと出た。
そこには、アクタが居た。
「報告します。反乱分子は核ミサイルを666発用意しており、
既に発射体勢に入っている模様です。」
謎のコマンダーがこちらに走り寄ってきて、アクタに告げる。
「問題無い。そのまま発射させろ。」
アクタは全く動じずに、そう返した。
「ハッ。」
謎のコマンダーはそのまま持ち場へと帰って行く。
「聞こえるか、神のガイジ共!これからジャップを焼き殺した核の力で
貴様等を全員殺してやる。セーブ・ザ・チルドレンの力を思い知れ!
これが「子供の尻を叩かない者達の力」、
「ナチス力」だ!」
連中は大型の拡声器を使っているらしく、辺り一帯に声が響き渡る。
「記念すべき第一発は「植松聖」と命名した!
これは日本に生まれた、尻を叩かれていない子供達の英雄の名、
そして我等セーブ・ザ・チルドレン、ひいては白人の希望でもあるからな!
これは我々子供の尻を叩かない者達、即ちナチスの正義の証である!
セーブ・ザ・チルドレンはヒトラー閣下と共にあり!
繰り返す!セーブ・ザ・チルドレンはヒトラー閣下と共にあり!」
反乱分子は言いたい事だけを言って居る。
いや。喚いて居る、と言った方が正しいかもしれない。
「それは利かないって言っただろうが。」
アクタがイライラした顔で一人呟く。そして、言葉を続けた。
「皇子は私の後ろに。」
「うん、分かってる。」
アクタが闇の皇子に言う。
「ではさらばだ、天使を自称する害児の諸君!
君達が「子供の尻を叩かない」というナチスのやり方を認めてさえ居れば、
こんな事には成らなかったのだがね!まあ、ガイジにそんな賢さは無いか。
アハハハハハハ!「植松聖」発射!焼け死ね反ナチス共が!」
核弾頭を積んだミサイルがこちらへ向かって飛んで来る。
この短距離では発射した側も被爆しそうだが・・・
まあ、そんな頭が働く様な連中では無いだろうな。
アクタには何か防御の方策があるのだろうか?
いざと成れば、皇子を抱えて上空に逃げる事も吝かでは無いが・・・。


「対核遮断。」


核弾頭が直撃する直前、
アクタが宙を人差し指で斜めに線を描くと、曲面状の透明な壁が分厚く現れ、
核の衝撃を完全に防いだ。
周囲に凄まじい風が巻き起こるが、アクタの後ろに居る我々は
全くその影響を受けない。
全ては何事も無かったかの様である。
これがアクタという女の実力なのか・・・。
等と思って居る最中(さなか)、再びアクタが人差し指を動かして言葉を発する。
「ガンマ線収束照射。」
指先を核を発射した方へ向けると、向こうで何かが爆ぜた音がした。
こちらへ白人連中が走って来る。
恐らく、核攻撃を防がれたので、直接手段に訴えて来たのだろう。
その人間達にも指先を向ける。
すると、体が急速に爛れて来て、体内の血が一気に吹き出して死んだ。
これは、異常な量の放射線による死だ。
急性のガン、或いは白血病を発症した挙げ句、更に放射線を大量に浴び続け、
内蔵も何もかもが機能停止して死んだのだ。
計測してみるが、周囲のガンマ線の量は正常値だ。
いや、放射線量自体として見るなら、寧ろ正常値以下だ。
と、言う事は、アクタは周囲に拡散しそうに成ったガンマ線を収束させ、
それを相手に集中照射したのか・・・恐ろしい能力だな。
「ソウルサック」
今度はアクタの言葉で、死んだ人間の魂に透明な入れ物が被さる。
「サービス!」
アクタが人差し指で空を斬ると、拘束された魂の全てが死に絶える。

その後も空中を核弾頭を積んだミサイルが飛んだが、
ゾーマルク導師の照射した蒼い光条により空中で切断後、
フェッシーにより無力化されたり、
暗黒騎士タナトスの剣により反乱分子が始末されたりした。

尚、後にアクタから聞いた話によると、人間にガンマ線を照射した後、
そのガンマ線は全て魂に吸収されたまま浄化されるので、
二次被爆は起こらないのだと言う。

一人の人間が歩いて居た。
「クソッ!クソ!どうしてこう成った!?
核は白人が創り出した最強の兵器の筈・・・
なのに、なのに、何故アイツ等には効かん?
まさか本当に神?天使なのか?そんな馬鹿な。
そんな存在は神話の中だけだ、エホバの証人だって
統治体は金しか信じて居なかったでは無いか。
私は、同じ白人の仲間を信じるぞ。白人こそが世界の支配者、
白人こそが世界のルールなのだ。」
それは無法の世界の最期の時点での、
セーブ・ザ・チルドレンの代表の人間であった。
子供達を散々性的虐待をした挙げ句、それを日本でも実行しようとして、
「日本は法律を変えろ」と圧力を掛けて居た。
「子供の尻を叩くな」
それが、セーブ・ザ・チルドレンの要求。
ナチスの意思を確かに、そして寸分違わず受け継いだものだけが主張する、
それが
「子供の尻を叩かない教育」
それによって、日本の子供達をヒトラー化させ、
そして思考能力を奪った後、他国と同じ様に性的虐待を
好きなだけ行う予定だったのだ。
しかし、その計画は頓挫した。

あの日、闇の皇子が殺された日。
全てが神の御意志によって、人間の悪しき事全てが阻止された。
「子供の尻を叩かない」という悪行も、
決して許される事は無い。
全ての悪行は神によって裁かれる。
一つ残らず裁かれる。
そこには、ナチスなどと言う幼稚な考え方は通用しないものなのだ。

人間は道端に、一つの物を見付けた。
拳銃だった。
「銃だああああああ!」
人間はそれを手に取ると、とてもとても愛おしそうに頬擦りを始めた。
「これが有れば、これが有れば、また白人が世界を征服出来るぞおおおおおお!
これが有ったから白人は、黒人を、ニガー共を奴隷に出来たのだ。
アラブ人共も同じく。そして黄色人種も奴隷にした。
なのに、日本の黄色い猿共も奴隷にしてやろうとしたら、逆らいやがって。
でも、教育という銃を使ったら、日本人は簡単に騙せたけどな。
「子供の尻を叩かない」という銃によってな。
それをあのアスペガイジが邪魔しやがって。
でも大丈夫!また、この銃が手に入った!これでまたジャップ共を震え上がらせて、
世界を白人が、世界をナチスが支配してやるんだ!
またマスコミや韓国人を使って、お前らジャップ共を支配してやる!
いつの時代だって、白人の天下なんだよ!
へへ・・・へへへ・・・可愛いよ、可愛いよ銃・・・。」


「不視認のカーテン解除。」


その場にアクタの声が響く。
すると、我々の姿がセーブ・ザ・チルドレン代表の人間の目の前に現れた。
光の天使と闇の天使。闇の皇子と、闇の軍勢の幹部達。
そして。セーブ・ザ・チルドレンのナチス思想に反対している人間達。
それら全てがセーブ・ザ・チルドレン代表の人間の周りをグルッと囲んで立って居た。
その数は8000を下らないだろう。
「コイツのせいで俺達は鞭で叩かれているんだぞ。「子供の尻を叩くな」なんていう、
ナチスの思想を掲げて、子供を洗脳していやがったせいで・・・。」
「救いの子をその子供達が殺し、私達「子供のおしりを叩く事を認めている人間」まで
巻き込まれているのよ。どう責任取ってくれるの!?この、人類の裏切り者!」
「そうだそうだ!悪い事をした子供の尻を叩くのなんて、当たり前の事だろうが!」
人間達が怒りの声をセーブ・ザ・チルドレン代表の人間に大してぶつける。
この人間達は皆、無法の世界の終わりより以前に死んだ人間達だ。
だから、「子供の尻を叩かない」というナチスの教育法に感化されておらず、
全く騙されなかったのである。
一方、無法の世界の終わりの頃の人間の多くは、子供の頃に
「尻を丸出しにして叩かれる」という、人間が本来受けるべき教育を与えられておらず、
セーブ・ザ・チルドレンの連中の様なナチスの思想を持つ人間が流したデマに
簡単に流されてしまうのだった。
それで魂を失った人間が、既に数多く居た。
「五月蝿い・・・五月蝿い!ナチスの思想はな、白人中心の考え方なんだぞ!
白人は神よりも尊い存在なんだぞ!その白人が世界を支配する為に、
わざわざ「子供の尻を叩かないのは良い教育」というデマを流してやったのだ!
貴様等愚民共は有難く、我々高き存在の白人の教えに騙されて居れば良いのだ!」
しかし、すぐに人間達の中でも白人達が声を上げる。
「何が「高き存在の白人」だ、この馬鹿たれが!
いつの時代も貧乏人から搾取するのは、お前ら利権に縋っている
一握りの連中だけだっただろうが!それを「白人全体」みたいに
話をすり替えてるんじゃないよ!」
「そうだそうだ!いつもいつも下らない詭弁ばっかり並べやがって!
今までの悪行だけじゃ足りなくて、今度は神様や天使様にも逆らおうなんて、
こんな奴を同じ人間だなんて思うだけで虫酸が走るぜ!」
結局、このセーブ・ザ・チルドレン代表の人間のやっていた事は、
独り善がりの搾取の為のデマ。そして、神への紛れも無い反逆だったのだ。
最早、「尻を叩かない教育」を信じる者に、同情の余地は無い。
神に作られし者が、神に反逆した。
その時点で、生かされる価値など無いのだ。

「私の事覚えてる?」
優しげな笑顔を浮かべたアクタが前に出て来て、ナチス思想の人間の前に立った。
ああ・・・これは演技をして居る顔だ。これは流石の私でも分かる。
「おお、おお!覚えているとも!お前は集団で強姦されたとして
保護した娘だったな。膣が虐め甲斐があったから、よく覚えてるぞ。
ピーピー泣いてばかり居るから、泣く度にぶん殴って「笑え」と言うと、
薄ら笑いをいつも浮かべる様に成ったんだよな。
あれは愉快だったな。アハハハハハハ!」

「よく覚えてるじゃねえか!変態暴力のクズ人間が。」
アクタの顔が豹変した。
いつぞやの狂気に満ちた笑いを浮かべた女がそこに居た。
「あれから私がどんな思いで生きて来たか分かるか?
分から無えよなあ。ヒヒヒヒ!分かる必要なんか無え。
これからお前の魂は死ぬんだ。不良品に掛ける情けなんか無え。」
銃声が響いた。
銃弾がアクタに向けて発射されたのだ。
しかし、発射した本人は、動きが止まって固まって居た。
「何で・・・何でだ?何で銃が利かない!?」
「チャカ転がしてる時点で、対策してる事位予想付くだろうが。
ヒヒッ!ぺーぺーじゃ無えんだから少しは頭使えや。」
「嘘だ!銃は白人の権力の象徴なんだぞ!
有色人種のゴミ共を支配して来た、力の象徴なんだぞ!
その銃で人を殺せないなんて、ある筈が」
血飛沫が飛んだ。空中を一本の腕が回転しながら舞って行く。
「あ゛がああああああ!」
セーブ・ザ・チルドレン代表の人間の右腕が切断されたのだ。
アクタが人差し指と中指で空を斬っただけで、腕が簡単に無く成った。
「痛いか?痛いよね。でもお前に傷付けられた子供は、
もっともっと心が痛かったんだよ。」
「五月蝿い!貧民の子供から搾取するのは、我々ナチスを愛する白人の権利だぞ!」
もう片方の腕も空を飛んで行く。
「あがっ!あがっ!あがががががが!」
「そうだね。でもそれももう御仕舞い。白人だろうがなんだろうが、
人間が支配する時代はもう全部終わったから。これからは、お前達人間が支配され、
管理されて行く時代。本来人間は皆、管理されるべく作られた。
なのに、その管理方法から逸脱した「子供の尻を叩かない」という、
人間という種を堕落させる教育を選んでしまった。
それは本能的に人間に組み込まれた自滅機構の発現だったけれど、
だからそれに「抗わなくて良い」と神が言った事は一度も無い。
故に、皇子は人間を助ける為に「子供の尻を叩く様に」と繰り返し発信した。
しかし、そんな皇子をお前達は殺したのだ。つまり、
恩を仇で返したんだよ、お前達人間は。
三番目までの罪は織り込み済み。でも、四番目の罪は明らかに人間側の落ち度だ。
いや・・・それ以外も人間側の落ち度だけれどね。」
人間は、両腕が付いていた場所から血を流しながら、目を白黒させて居た。
「さて。そろそろ終わりにしようか。意識がある内に殺さないと意味が無い。」


「粉砕火力。」


言ってからアクタがセーブ・ザ・チルドレン代表の人間の頭を鷲掴みにした。
そしてそれを掴んだまま軽々と天に向けて持ち上げた。
「人間の傲慢が死ぬ証として。これを人間の支配の終焉の印にする。」
空中で頭が握り潰され、脳漿と骨片と血飛沫が飛び散り、周囲の大地を赤く染めた。
直後、魂もソウルサックサービスで殺された。
「この機会を与えて頂き、感謝致します、皇子。」
「御礼を言われる様な事はしていないよ。それはアクタの当然の権利だから。」
直後、アクタと皇子はそんなやり取りをし、そして、この反乱は終焉を迎えた。


反乱分子の人間は全員魂が死滅。
これで人々の記憶から、ナチスの思想を受け継いだ団体
「セーブ・ザ・チルドレン」は、いずれ消えて行く事だろう。
しかし、今後もまだまだやる事はある。
忙しい日々は続きそうだ。

そして、今回の事により白人はやはり、「魂が穢れた人種」であると証明された。
これにより、今後のある事が確定した。
それについてはまあ、追々語る事にしよう。

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