永遠の庭-146

私は何で生きて居るんだろう。
それは、今まで繰り返し延々と自分へ投げ掛けていた言葉。
結局自分は、部屋の隅の綿埃の様なものかもしれない。
掃いてしまえば消えて無く成る、そんな程度の存在。

「死んでしまえば良かったのに。」
毛の無い猿が目の前に居た。
「お前は抵抗勢力だ。障碍者は皆、抵抗勢力だ。
だから障碍者は皆殺しにしなければいけない。」
毛の無い猿が人語を話す。
極めて不愉快な猿だ。
「世の中は顔が良いかどうかで判断される。
つまり、イケメン以外は抵抗勢力だ。
特に障碍者は念入りに殺さなければ成らない。
頑張らなくっちゃ~ンゴンゴ。」
猿の顔は不定形に変化する。
それは嘗て日本人を苦しめた首相の様であり、
鉤十字の旗のもとに殺戮を繰り返した、
尻を叩かれていない子供達の英雄の様でもあった。
「ナチスは痛みに耐えて良く頑張った!
おめでとう!」
段々と若い顔に成って行くかと思えば、
寧ろ老けた顔にも見える。
「何処が戦闘地域かなんて、ワイに分かる訳無いじゃないですか!
守られなかった約束なんて大した約束じゃない!
女の涙は武器!ガイジの命はゴミクズ!」
薄ら笑いを浮かべた顔は、テレビが持ち上げたイケメンとやらの、
何の役にも立たない人間の顔をしていた。
「児童ポルノ禁止。性的虐待はどんどん増えた。
プチエンジェルは本当に良かったなあ。
今度は体罰禁止。虐待をどんどん増やすぞー。
何しろ、禁止されるのは親の体罰「だけ」。
教師も公務員も罰せられないからねえ。
我が息子を宜しく。言葉の力を信じている。
そしてナチスは復活するんやでえ。」
不定形だった顔が徐々に定まって行く。

「子供は叩いちゃダメよ~。」

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