さよならの向こう側で5

※私はこういう行為=性的とは思いませんが、
世間一般では性行為と結び付けたがると思うので、
一応未成年はあまり読まない様に御願いします。


「僕等は君達の仲間だ!さあ一緒に人類を滅ぼそう!」
三角形の中央に、一つ目が描かれたTシャツを着て居る一団が現れ、
そんな事を言い出した。
「いいや。お前達は仲間では無い。」
謎の小隊のコマンダーが、人差し指でTシャツの三角形の頂点を突く。
「我々は確かに一つ目をその象徴として、御旗にしている。
しかし!それはお前達のそれとは理由が違う。
全ての生き物は二つ以上の目を持って生まれる。
つまり、目が一つしか存在しないという事は、
紛れも無く『欠落』を意味している。
おうじは障害者として生まれる事が決まっていた。
だから我々はおうじを称える為に、
欠落の象徴をその御旗としている。」
「我々も同じ」
「同じでは無い!
貴様等のそれは、人造物の上に描かれた一つ目である。
これは即ち、人間の栄光を称えるもの。
人間は作られただけの存在、それを崇拝するのは
紛れも無く神への反逆である。反乱分子を粛清する。総員構え!」
二個小隊の全員が振り返り、自動小銃をプロヴィデンスの目の一団へと向ける。
コマンダーの男は、一つ目が描かれたフルヘルムのメットを脱ぐ。
すると下から現れたのは、一つ目の銀色の体毛を持つ狼顔であった。
その顔がニタアと笑う。
「撃て。」
銃弾の雨が横殴りに降り注ぐ。
赤い絨毯が出来上がった。ショウを前にして、皆寝転んで居る。
「総員、任務に戻れ。」
死体の山を見届けると、コマンダーは何も無かったかの様に、
メットを被り直して指示を出した。


向こうの交差点では、エネマが人混みに紛れて走りを止めて居た。
「摩耗が早い?急いで新しいの補充しなきゃ・・・。」
手に持っていたクレヨンはもう大半が削れてしまっていて、
残り1.5センチといった所であった。
エネマは使えそうな物がないか、周りを見渡す。
近くのガードレール下に置いてあったスプレー缶を発見する。
「何でもいい。今は利用出来る物は、全部利用しなきゃ。」
スプレー缶に向かって一直線にダッシュすると、
それを手に持って缶側面に「くさっている」と残ったクレヨンで書いた。
スプレー缶を上下に軽く二、三度振ると、その酸素スプレーを人に向けて吹き掛けた。
「ぐわああああああ!」
スプレー缶から出て来たのは腐食ガス・・・硫化水素であった。
サラリーマン風の三十代と思しき男の顔面に思い切り掛かってしまい、
男は粘膜の激痛で苦しみながら死んだ。
「ごめんなさい・・・殺すにしても、こんな酷い殺し方って無いよね。」
エネマは申し訳無さそうにそう言うと、近くの文房具店に駆け込み、
16色入りクレヨンを手に取り、クシャクシャの千円札を一枚レジ横に置くと、
「おばちゃん、おつりは要らないよー。」
と言って、箱からクレヨンだけを出し、それをポケットに全て突っ込むと、
箱はゴミ箱に捨てて足早に店を出た。
誰にも見られない様に路地裏に入ると、そのまま人気の無い
アパートや商業ビルに囲まれた砂利が敷かれただけの空間へやって来る。
エネマはそこでスカートの中に手を突っ込んで、少しブカッとした
大きめのパンツを引きずり下ろす。そしてさっき買ったばかりの
クレヨンを一本取り出しと、両目をギュッと瞑って自らの肛門目掛けて
突き挿れた。
「あっ!痛っ!痛い!」
直腸に異物が入って来る感覚が広がって、幼い肛門に痛みだけが伝わる。
だが、出来るだけ奥まで入れなければ成らぬ。
挿れた部分までしか、『効果を発揮しない』のだから。
ここまで挿れれば大丈夫、という所まで突っ込むと、クレヨンを一気に引き抜く。
肛門が少し切れたらしく、クレヨンには少し血が付いている。
「効果は15分が限界・・・一本使い切る度にやるしか無いよね。」
諦めとも決意とも取れる様な言葉を呟いて、エネマはその場所を後に
走り出した。

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