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水族館

先日、用事までかなり時間が空いてしまったので、ふと思いたち水族館へ行ってきた。平日の、しかも閉館の2時間前だったこともあり、私の思い出の中にあるその場所よりも、かなり人が少ない印象だった。

イルカ、シャチ、クジラ、ウミガメ、ペンギン…。それぞれのコーナーで、それぞれの生き物が、紹介されていた。昨今、生き物を人間の娯楽のために飼育し、自然界から遠ざけることに関して、SNSなどでも否定的な意見を目にすることが多くなった。そのせいか、生き物たちを見るたびに、「彼らは今幸せなのだろうか…」という事ばかり考えてしまう。

ただ、水族館がなければ、イルカが水中で逆さまに泳げることや、シャチの歯が想像以上に鋭いことや、ウミガメの赤ちゃんが一生懸命泳ぐことや、エイの顔が面白いことに気づくこともなかっただろう。

水族館がなければ、海のない場所で生まれた私の、海の生き物への興味は削がれ、彼らを知ろうとすることもなかったのだと考えると、この場所が私と海を繋ぐ、唯一の場所であったことに変わりない。

海での生活と、人間に管理された生活、彼らにとってどちらが幸せなのか、私にはわからないし、彼らに直接聞く事が出来ないのも残念だ。



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