おそ松さん第二期15話感想

おそ松さん二期はやっぱりバラエティある話がたくさん詰まってる回が良いと思う。正直二期はあまり真面目に考察すると逆につじつまが合わなくなる回も多いので真面目(っぽい)話は疲れてしまうんですよ。

適当な感じて楽しむには一話完結でスッキリ短く淡々と進んでいく方がありがたい。緩やかなつながりは感じつつもこの話は、この話、あの話はあの話というスタンスで行く方がいいような気がする。今回もそれぞれに面白い話が多くて良かったです。

本文中の『』内にある日付つきの引用は当時ツイッターのものです(誤字脱字や二次創作的コンビ名などは訂正しています)。

アバン:UMA探検隊②

またまた出ましたUMA探検隊。特にどうというストーリーもなくお決まりのフォーマットを繰り返すタイプのショートコントですが三人のどうでもいい言動が非常に癒し。メンバーのせいか過剰な下ネタも控えめなのでげんしまつさんとかに比べて息抜きとして非常にありがたい。

今回はチュパカブラの着ぐるみが可愛かったからそれで100点満点とする。二の腕と太ももはいいね(なお着ているのは全員成人男性です)。

Aパート:びん

この話色々と見どころはありますが何はともあれ一松イズベリーキュート。

おやつを漁りに台所に来てるのも可愛いし、びんの蓋を開けようとする動作がいちいち可愛い。開かなーいってなったときふきだしで「?」マーク出してるの可愛すぎだし、蓋が開かない時回す方向確認するのあるあるで神経質な一松っぽい。一松じゃ開けるの無理ってなった後、兄弟たちが順にチャレンジしていくんだけど以下に続く兄弟たちが鬼の形相でびんに取り組んでるのに一人だけ「う~ん」って感じで可愛く唸ってんの。一松がナチュラルに非力扱いなのどんだけ弱いと思われてるんだって感じだし、服の下で蓋を包んで回そうとするとき腹が見えているわ、机にガンガンぶんをぶつけ始めるわ、可愛すぎでしょ? それにしても私はこの段落だけで何回可愛いって言ったんだよ、可愛い。

あと蓋を開ける時ニートたちの指先がアップになるんだけどすごく指綺麗な作画で指フェチ大歓喜。おそ松さんでは基本的に爪の作画ってないんですけど今回力を入れてる時にうっすらと爪の気配が。爪あるんだ!! やった!

ふわっとした感じの優しい握り方の四男、無造作に掴む長男、指二本づつ揃えて回す次男など指先の描写にも個性があって楽しい。袖のせいで指が見えなかった五男がちょっと残念です。蓋が開かなかった後のセリフも楽しい。個人的にはカラ松の「どうだこれでわかっただろ! この瓶は元々開かないやつだ」が好きです(ドヤ顔がたまらん)。

この後チョロ松が瓶開けやりたいのに口ではばかにしたような事言ったり、トド松が「熱いお湯をかければいいんだよ」と豆知識を披露するも「そういうことじゃないんだよ」って態度で皆に怒られたりもはや瓶と松との男の戦いという様相をていしてきます。こういうあほな話は平和でイイナ。

結局協力して開けよう!ってことになるんですけど六つ子が協力して建設的結果が得られたことなどこのアニメで一度もなかったですよ(結果見えてた)。

最後には松代がオチをきれいに決めて去って行きました。間違いなく六つ子はこの女の血を引いておるわ。

それにしてもびんが開くかも!?ってなった時にパンを持ってワクワク笑顔の一松くんがやっぱり可愛すぎて仕方ない。二期の一松は本当に闇0松ですね……。おそ松による「いちまっちゃん」連発っぷりも良く分かる。そんな可愛さ。

ただ、最後の松代のびんへの所業を見て思ったんですよ。これって「びんへの取り組み方=人生への取り組み方」なんじゃないかって。そう考えると皆で協力し合ってた時各松がびん(人生)に取り組んでびんが当たった相手といういうのも意味深。チョロ松とか全員にぶつかっていますよね、びんが。一期24話の就職で六つ子たち全員に影響を与えたのを思い出します。

どうにもならない事を「これはあかないやつね」と早々に見切りをつけ窓の外に放り出す松代には強かさとこれまで歩んできた人生の厳しさを感じますね。そして一松は人生に非力なんだな……。十四松は普段人生なんてしらーんって顔してるけど本当は油断させてるだけなんだな……って。真面目に考えると色々と思うところがある話です。

Bパート:カラ松タクシー

カラ松の魅力バラエティパックと言った感じのコントです。いいところ、悪いところ含めてどうしようもないけど愛しい男松野カラ松の生き様が凝縮されたお話。

タクシー運転手の次男とOLのトト子によるタクシー内の密室コントです。「新入社員トト子」軸のお話のようなので通常次男とトト子とは別物と考えた方が良さ気。二人の気質はある程度残ってはいるものの微妙にキャラが違う感じです。

『久々に本編で本家次男語(「イグニッション!」)を聞くに至ったのですがやっぱり私ごとき凡才では思いもしないようなところから言葉を取ってくるので本当に本当に次男語を使いこなすのは難しい
私などまだ次男語10級にも及ばないのでは……
14:21 - 2018年1月16日』
『車の話だからイグニッションを持ってくるという微妙に場に合わせたチョイスとアホ極まりない活用形がなんともからまつ
14:22 - 2018年1月16日』

「つかいまニッション」「着きまニッション」とかむりやりニッション活用形笑ってしまう。一回覚えた格好良さ気な言葉を使いまわすぜという気概を感じる(注:イグニッション=点火・着火のこと。車においてはエンジンをかけると同時に車を発車させるイグニッションキーのことを指す事が多いです。このシーンでは「やってやるぜ!」くらいのニュアンスでしょうか)。

知ったかぶりのベテランかぶれなタクシー次男は実のところ今日が初日の新人君で仕事は全くできない様子。前の見えづらいサングラスをかけ、道が分からないくせに抜け道を使いたがり、トト子を乗せたにもかかわらず「空車」のままだしエエかっこしいどうしようもない男です。

ですが不思議と憎めないのは相手のトト子が怒りながらも割と暢気に構えてるせいもあるかも(私なら30分遅刻が確定した時点でもう少し切れてる)。この二人エエかっこしいの見栄っ張りという部分で実に波長が合う為かなんだか「やれやれ……」って空気であまり緊張感がないんですよね。

目的地に着くどころかカーナビもつけられず、料金メーターさえつけておらず、挙句の果てにはドアの開け方すらわからない。内実が伴わないのに謎のベテラン感と車の改造だけは完璧。このタクシーは「松野カラ松」という虚飾を象徴的に表した空間なのかもしれません。

結局トト子ちゃんに「やめちまえ」って怒られて脱兎のごとく逃走するカラ松。「うわ~ん!」って泣きながらタクシーから飛び出す、まつのからまつくんは一体おいくつかな~って感じです。トト子ちゃんの「初日ぃ~!!」って呼びかけに哀愁が漂います。でも私はカラ松のキャパシティオーバーした時にすぐ逃げちゃうとこ実は結構好き。この後なんか草原みたいなところでトト子ちゃんに仕事のなんたるかを諭されたり急にいい話風に……(謎のシリアス)。

『あと格好つけて自分を偽ってる時はサングラスをかけていて目も出ないんだけど、素が見えたとたん瞳が表出し、ありのままの自分で頑張ると決意した時にはサングラスを外すという次男も解釈通りでとてもかわいい次男
22:48 - 2018年1月16日』
『次男タクシー正直こんな話になるとは思わなかったので思いのほか真面目に(?)タクシー運転してくれてありがとなぁって感じ
いちいちもったいぶったセリフ回しはやたらとイケボだし、イグニッションだし白手袋セクシーだし、そうかと思えばただのヘタレで初日君だしホント最高オブ最高
22:52 - 2018年1月16日』

うずくまって膝をかかえるカラ松可愛い。トト子ちゃんと並んでる背中が女子と男子の体格差みたいなのが出てて萌えた。とにかくこの話はいい気になってるカラ松、得意げなカラ松、困ってるカラ松、泣いちゃうカラ松、自信を失ってるカラ松といろんなカラ松が波状攻撃で私を襲う!!!!って感じでお得感ある。「自信満々→しょんぼり」のコンボを決めるカラ松くん最高にイイねって思ってるので。お話的にイイねって事ではなく単に私がカラ松くんのいいところたくさん見たいっていう私利私欲でしかないのでここら辺の感想は私の妄言が大です。カラ松くんは可愛いなー!(ここまでノンブレス)

このようにおおむね楽しく見たタクシーなのですが不満点もないわけじゃないんです。問題はラスト辺り。

見た目を飾ることばかりに終始し実が伴わない事をトト子ちゃんから指摘されたカラ松は今までの自分を悔い改め真面目に目的地へ行く事を誓い、それは実行されます。そのオチに何とも言えないモヤモヤが少し残っちゃうんですよね(私は)。

『タクシーはオチ以外は次男のカッコいいとこ可愛いとこ情けないところ健気なところいろんな面がバラエティパックでとてもいい話なんだけどオチだけがなぁ~……
22:28 - 2018年1月16日』
『別軸設定の次男だから多少性格は違うという事を加味しても直前で不相応な報酬を受け取ることに難色を示した好青年次男であることを考えるとあの反応はあまりらしくないというかせいぜい「えぇ~……」っていうあきれ位が相応だよね
22:30 - 2018年1月16日』
『ぶっちゃけあのセリフとオチは雑すぎて投げっぱなしエンドの方がまだ丁寧だったかもしれない
あの「あのアマァ~!!」っていう感想ははっきり言ってしまえば次男というより脚本書いてる人の本音がつい発露したという感じで急にメタ視点を見せられてしまったというような内幕暴露感がいただけない
22:32 - 2018年1月16日』
『我々はあのととこちゃんが新入社員の軸から来たととこちゃんだと知っているから「このアマ」だという事が分かるけどあの時点での次男にとってはとりあえず自分を元気づけてくれた上お金もくれて遅刻の言い訳にだって次男の事は一言も言わなかったんだからいくらダブスタとはいえアマ呼ばわりはない
22:36 - 2018年1月16日』

このタクシーコントはおそらくオチの「お前が言うな!」ネタをやりたかったがための配役だと思うんです。つい最近あった二期十話「新入社員トト子」のキャラを知っていること前提のコントというか(ここでのトト子は仕事ができない上に責任転嫁はなはだしいどうしようもない女として描かれています)。

しかし、それを知らないと仮定してみると「いかに本当はベテラン社員ではなかったとはいえ自分自身は助けられてしかいなにのに、なんで次男は『アマ』などという口汚い言葉を使ってまで怒るんだろ……」っていう疑問しかわかないんですよね。一応これアマチュアの「アマ」と女子の「アマ」をかけたダブルミーニングな洒落でもあるんでしょうけど正直口の悪さの方が先に立ってそこを笑う気持ちになれない。

まあそれでもこの部分は完全別軸のコントでありキャラは配役を演じているだけと納得するしかないので、性格は完全に別の人だからいつもより怒りの沸点が低い次男だったのだ……と思うしかないですね(このコント軸ではトド松なんかも普段とは全然キャラの違うパワハラ上司になっているし)。

あと、個人的には前半の虚飾に満ちた自分を守ろうとするあまり現実からはるか遠くを滑走する次男というのが結構私は大好きなので反省とかしなくて良かった。あのままオープレックスなんかに永遠につかなくても良かったし、それこそ以前あった「返すだス」の話みたいに世界の果てまで行ってしまっても良かったくらい。カラ松タクシーには個人的にそういうオチをのぞんでいたところあります。

世間に迎合するよりカラ松にはどこまでも自由でいてほしい。この世界軸の次男は小さな世間的幸せを手に入れられる「まともさ」を手に入れたのかもしれないですが、私はそれを成長というのはちょっと寂しく思う。でもこういう世界もあるんだなって感じです。

Cパート:トッティクイズ

いきなり「新春恒例第4回トッティクイズ~!」って始まった辺りからもう笑うしかない。第4回なのかよ(残り三回も再放送してくれ)。

ある一定の年齢層を直撃する「アメリカ横断ウ○トラクイズ」のパロディですね。どろんこクイズ懐かしい。クイズの内容がどれもこれも正解とかねーよみたいなのばっかりだし、しまいにはどんどん下ネタになるしで酷過ぎ(褒め言葉)。

これって事実はどうであれ見ている人(この場合は司会者のトッティだけど、我々視聴者の暗喩でもあると思う)の胸先三寸でアニメ上の真実など決まるのだという皮肉に満ちた話ですよね。「ぶっちゃけどのくらいのペースでやってる?」とか、何をやってるんだとか、一日何回やってんの?とか正解は私たちの心の中にあるんだよ(良い話風に)。

「第7問。気まずいのはどっち」だけはちゃんと答えあったけどな。Bの「知ってる人が急に茶髪」ってそれ先週のみどりの人やー!!(「知ってる人」のところが緑色なのに悪意しか感じない)。チョロ松の真顔芸大好き。

あとこの後ルート3はどっち?とか、デカパンのパンツはどっち?とか正解のあるクイズも出るんだけどいざ本当に正解のあるクイズが始まると皆「へーそうなんだ~」としか言えないのでやっぱりトッティクイズには正解なんてなくていいんだよ。正解がないからこそ面白いんだ。

全編隙間なく面白いけど特に見どころはトド松役の入野氏の演技。もうのりのりで司会しまくってる。戦力外通告時にもかっとばしてましたがその時の憂さを晴らすがごとくの流暢な兄たちへの辛辣極まりないセリフが決まりすぎてる。高笑いしながらやってんだろうなぁって雰囲気すごい。

「残念!馬鹿かお前らは!死ねー!」「はは!飯3杯いける!」「残念!普通にAのトト子ちゃんが正解だよ!小賢しいぞお前達!」などの兄たちが不正解した時のセリフが名言ぞろいだよ(笑)。特にご飯3杯のセリフとか本気でメシウマって感じで笑うしかない。

トド松のいいところは最後には自分も兄たちと一緒に泥んこに落ちて爆発するところ。高みの見物だけじゃない。汚れもやります! 一生ついてきますトッティ~! って感じでした。「また来年~」って言ってたから来年もやってくれよな。


今回はどの話もそれぞれに面白く良い回でした。

『からまつタクシーは次男の人生の縮図みたいなもんだしトッティクイズはまんま周囲の受け取り方に影響されて正解が決まっていく今のアニメそのものを皮肉った話だしこの15話はアニメの中の人生を生きる六つ子たちのお話なんだなぁ
13:01 - 2018年1月18日』

まとめるとこんな感じ。また来週も3本のストーリー詰みたいな感じなので楽しみです。

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