おそ松さん第二期20話感想
こぼれ話集2
今回は小話集め再びみたいな回。二期では初めてのこぼれ話ですがナンバリングが「2」となっているので一期のこぼれ話集を意識して作られた回だと思います。
一期の時は始まってそうそうのこぼれ話集だったので零れる話もねーじゃねぇかよ! ていうの自体がギャグなところあったんですけど二期の20話ともなれば積み重ねてきた物があの頃とは段違い。とても濃い内容の回となりました。短編集にはずれ無しですね。
本文中の『』内にある日付つきの引用は当時ツイッターのものです(誤字脱字や二次創作的コンビ名などは訂正しています)。
アバン:(番組冒頭)
「さぁお待たせしました!今夜はどんな展開になるのかな?」というお姉さんの掛け声のもといきなり『テレビアニメおそ松さん』が始まるというメタフィクショナル全開の幕開け。司会はイヤミ、ゲストはダヨーンです。
この番組がどう見ても往年の名番組『笑ってい○とも』パロなんですよ。この番組のMCであったタモリさんは赤塚先生の無二の友人として有名ですよね。それもあってのチョイスでしょう。
赤塚先生ゆかりの人物がやっていた番組で赤塚先生原案のアニメを流すというなんとも感慨深い導入です。メタ世界と現実世界の間が更に分けられ今テレビやネットで視聴している我々は一体何を見ているのか、もしくは私たちもあちらから覗かれているのかのような錯覚を起させる冒頭。
しかも、この後OPから小話が終わるまでゲストのダヨーンがメインの小さなワイプが常に出ている状態。劇中劇の構造が強調されています。どうでもいいけどワイプって常時出てるとやっぱり気が散りますね。率直に言って邪魔(笑)。その邪魔さも含めての笑いなんですが(各感想の最後にワイプでのダヨーンについてメモしておきます)。
①松まん
六つ子人気にあやかって六つ子コラボ肉まんを売り出そうとするチビ太の話。のっけから二期おそ松さんに対する壮絶な自虐ネタです。
「あいつらもうそんな人気ねーかバーロー」とかぶっちゃけすぎでしょ(笑)。アニメというのはリアタイで作っている訳でなく数週間~数か月前にお話を作っているもの。つまりこの話は実際に二期人気を肌で感じる前にすでに作られていた可能性もある訳で、かつて人気のあったアニメの二期というものに対しての製作スタッフの異常に冷静な一面が覗ける話です。
以下饅頭の中身メモ。()内はチビ太コメント。
「おそ松→ビール(すげぇ変な味がする)」「一松→毒(食ったらすぐ死ぬ)」「十四松→宇宙(食ったらすぐキマる)」「カラ松→空(中身がないんだよ)」「トド松→空(中身がないんだよ)」「チョロ松→空(中身がない!)」
でも見た目可愛いから、コラボイベント連発の昨今どこかがアニメ後しれっと売り出してそうな気がしますね。
※ワイプでのダヨーン→割と受けてました反応良。リアクション大き目。
②確定申告
チョロ松ライジングネタ再び。
……いや正直な所二期ではある程度自分の事については吹っ切った感のあるチョロ松のガチのライジングネタがここにきて出てくるの辛い。完全にイカレた状態。もう電卓を打つ手の作画が滑らかキレイだな~って現実逃避して見たいとキツイです。
何がキツイってそれを十四松に突っ込まれる事。普段割と三男に対して厳しいところもある十四松がここまで気を使うという異常事態です。おそらく自分が下手に出ることでチョロ松の覚醒を促し「我に返ってチョロ松兄さん!」って気持ちだったのでは……。
十四松くん株とかもやってるし「うん。知ってたはずなんだけどなんかわからなくなってきたんだよね」という聞き方をしてるところからも十四松自身はちゃんと確定申告がどういうものかちゃんと分かってるはずなのに。あえて知らないふりをする優しさ。
それに対して分かってるようで全然分かっていない確定申告の解説を繰り広げるチョロ松兄さん。見かねた末弟が黙って十四松を外に連れ出しこの話は終わります。トド松は一期で生ライジング見てますからね。これ以上事実に突っ込むのは危険とよく分かっているのでしょう。もう手遅れだったんだ。
それにしても申告用紙が「緑色申告」という架空のものだったり「それにしてもなかなか確定しないなぁ。早く申告したいのに。もう大人だからこういうことちゃんとやらないと駄目なんだよね」というセリフに哀愁が漂います。
もしかしてチョロ松がしようとしてる申告は我々が知っている確定申告とは本当に違うのかもしれないです。チョロ松としてのキャラクターを「確定」させたいっていうアニメキャラとしての悲痛なる叫び。二期に入ってから大幅なキャラ変を遂げつつもどこか定まらないチョロ松が言うからこそ重いセリフかも。
あと一期のライジングの時と違いあくまで家の中でこれを行っている辺りも自分のありようがおかしいと分かっているんだけど分かってるだけじゃどうにもならないんだよな~って感じが出ててチョロ松の苦悩を感じる話です(一期の時は完全に思考が飛んでいたし、自分の可笑しさをちっとも分かっていなかったからある意味本人は幸せだった)。
※ワイプでのダヨーン→リアクション薄。所によりかなり退屈気。鼻くそほじったり。トド松が十四松をそっと連れ出す最後のシーンでは大あくび。かなりどうでも良さそう。
③カラピノ
ピノキオパロディ。
……いや、ピノキオは鼻が伸びるって設定があるしなんとなくオチは想像できたけど予想通り過ぎるド直球の下ネタオチでした。嫌いじゃないぜ。なにが「なんとカラピノは興奮すると股間の枝が伸びるのでした」だよ!!!! 名作劇場みたいなメルヘンチックな背景をバックに股間の枝で大空に旅立っていくラストアホ過ぎて笑いが止まらない。
この話で意外だったのが不思議人外枠にカラ松が配役された事。こういった人知を超えるキャラというのは一期の十四松パンなどに代表されるように十四松辺りの担当というのが今までで言えば順当ではなかったでしょうか。カラ松がこういう可愛い人外枠に来る事まずなかったと思います。
しかも、カラキオとかピノカラとかではなく「カラピノ」という名前。「ピノ」というのはイタリア語で「松」。和訳すればそのまま「カラ松」です。わざわざ、ピノキオという名前の語順を変えてまで元の名前に準じているのです。明確にカラ松のアバターとして意識されているように思われます。
人形という人に似せたカラッポの紛い物である事。「自慢の鼻」という自身が誇る見てくれと実際に優れていて役に立つ(?)点が異なること。これらの特質にカラ松自身を強く感じてしまいます。
まあそんな解釈とは別にとりあえずカラピノ可愛かったから良し。飛んでいくシーンでのリアクションの大きい表情なんかも含めて好き。可愛い(大切な事なので二度)。サイテイだけど(笑)。
※ワイプでのダヨーン→割と真面目に見てた。特にカラピノが股間を伸ばしたところではかなりびっくりして大きなリアクション。
④財布
いつも通り子供部屋でゴロゴロする六人。そんな中おそ松が突然財布をなくしたと騒ぎ出します。「昨日パチンコに勝って三万も入ってたのに!」と弟たちを糾弾するおそ松が思いもよらない事実に追い詰められていく話です。
誰も盗ってないと主張するも弟たちを全く信じないおそ松。その理由が「盗った! だって俺が逆の立場で中に3万入った財布見つけたら絶対盗るもーん!」なのにはあきれ果てるしかない。チョロ松が「自分と一緒にするなボケェー!!」と激昂するも効果なし。
「俺だったら盗ったら盗ったって正直に言うもん!」と怒りをあらわにするおそ松。怒るポイントそこなの!?
財布を盗られたということ以上に嘘をつかれたという状況に腹を立てているところにおそ松兄さんの一番よくない部分を見る思いです。正直に告白しただけで許されるのは小学生までだぜ(しかも窃盗は小学生でも許されないと思うぜ)。
「最低だよ! お前らなんてもう兄弟じゃないし!」とのたまうおそ松のジャイアニズム全開のセリフに彼の兄弟観が透けて見えます。エロくても変態でもどんなことをしてもいいけどすべてを共有する事。それが守れないなら兄弟ではないと。それがおそ松の思う兄弟のあり方なんですよ。
しかしこの、自分がそうだから他人も当然こうだろう、っていう考え方まるきり幼児期の子どもに良くあるそれで本当におそ松はキャラ紹介文にたがわぬ小学生マインドの奇跡のバカなんですよね。しかし、それが許されていた「くん」の時代とその影響力が続いていた一期までならともかく二期にはもうおそ松の横暴を許す要素は既にないんですよ。
一期までならおそらく何となくの逆切れモードで押し切れただろうこの話。よりにもよってカラ松に自分が尻ポケットに入れたままにしていた財布を見つけられてしまいます。誰も盗んでなどいなかったのです。
しかもおそらく逆の立場なら大声で怒り狂ったであろうこの状況。カラ松は責めるでもなく慌てた様子でこっそりと耳うちで教えてくれたのです。おそ松の小さな自尊心もさすがにボロボロになります。
「だっておれが逆の立場だったら絶対盗るもん、みんなも盗ったと思ったも~ん!!」というおそまつに対して「みんなとお前は違うんだ」と(めちゃイケボで)諭すカラ松の言葉は最初にチョロ松が「自分と一緒にするなボケェー!!」といった言葉と意味は全く同じではありますが身をとしておそ松とは違う大人な態度を見せた後での発言ですから全く重みが違うのです。
(自分で持ってた~!それなのに無実のあいつらに対して結構な事言った~!!)と心で絶叫。こんな風におそ松の心情がストレートに視聴者に示されることは珍しいです。普段大体含みを持たせたような立ち位置にいることが多く本心の見えない男ですから。
『「俺結構なこと言った!!」とかって焦るシーンはさながらいちまつ事変の四男で、この財布話、ミニ長男事変と言っても良いのでは
そしてまたしても事変のキーパーソンは次男なんだよな(図らずも)
22:18 - 2018年2月26日 』
どこかで見た構図と思ったらこれ一松事変ですよ。そして各事変で起承転結の「転」を担うのは図らずもいつも次男。カラ松は良くも悪くも自己完結の男なのですべてが他人事なんですよね。だからこの騒動もあまり深入りせず俯瞰的な立場で見ていた(これは二期の「松造と松代」回での「なんだかマミーだけが悪いみたいになってないか?」という発言にも見て取れるカラ松の特質です)。ゆえに感情的に怒りまくるチョロ松やおそ松に困惑しかない他弟たちでは気がつかなかった財布を見つけることができたのです。
弟たちからは気を使われ、ついには財布の中身も暴かれおそ松は己の恥部をすべてさらけ出す羽目になるのです。
『事変回っていうのは各人が普段厳重に秘匿している弱みみたいな部分を白日にさらされてしまう回と言えるのでそういう意味では本当に「財布」は長男の一番よくないとこをさらけ出してきた事変
心も財布の中身も丸裸である
22:20 - 2018年2月26日』
3万円はいっていると吹聴していた財布にはたったの500円しか入っていませんでした。この財布と中身というのが何となく一期のおそ松の自意識に重なります。小さくてあるかないかも分からないようなくしゃくしゃなあの赤いヤツです。
弟たちが財布をなくしたおそ松に自分たちの財産を差し出すのは知っていてやっているのかそうでないのかは分かりません。しかしそれぞれに比較的大金だったり大切だったりしているものを与えているというのは事実です。弟たちはおそ松の持っている物(自意識)にそれだけの価値があると思うからこそそれに見合うものを与えようとしたのではないでしょうか。
しかし、ふたを開けて見れば中身は500円。財布は小さくても中身はきっと入っているに違いないと思っていたのに。弟たちもあきれ顔だしなにより当のおそ松自体ももしかしたら忘れていたのか?という取り乱しよう。おそらく弟たちも財布をなくした件に関してはともかくこの金額は予想外だったのでは。
この500円って3万円の1/60の金額なんですよ。60ですよ。6の倍数。つまりみんな(おそ松も含め)六つ子の代表としてのおそ松に六つ子の中において1/6の10倍近い価値を見ていたのに実際には1/6以下という……。本当にこの話おそ松にとって事変も事変じゃないでしょうか。二期になって主人公特権を奪われたおそ松に最後に残っているのが500円。厳しい。厳しすぎる。さすがにそこまでじゃないよと言ってあげたい。しかしこの後も長男に厳しい話は待ってます。頑張っておそ松。
※ワイプでのダヨーン→「俺だったら盗ったら盗ったって正直に言うもん!」というおそ松の発言直後に欠伸をして退席。そのままワイプ自体が消えてしまいます。ワイプが再び登場するのはおそ松が財布の在り処に気がつき、トド松が千円上げようと言いだした辺りから。その後は真顔で経過観察。おそ松の財布の中身がたった500円であることが分かったシーンのみ驚いたような顔を見せている。
⑤花粉
例年の8000倍の花粉が突如松野家(っていうか世界)を襲う!!
全体的にカオス。訳が分からない。鼻水人間って何だ。花粉症に襲われ己の鼻水により全身の自由を奪われてしまう六つ子たち。最初に鼻水人間になってしまうのが十四松なのですがそれを見たおそ松が「動けないんだよね。そうなっちゃったらもう終わりなんだよね」と言うんですよね。彼にはこの状態を経験してると。
キャラ像を固定化されてしまうって事なのかも。しかしとにかく全体的にカオスすぎて解釈しようという意欲がそがれる。花粉により皆が身体のパーツを取り外して洗うっていうギャグがあるんですが、チョロ松は目をトド松は鼻をおそ松は……男性器を洗います。モザイクかかってたけど男性器結構御立派でしたね!(こんな感想しか出ない)
一応これチビ太の復讐の時各々がからしを塗られた場所と一致するんですけどなんか意味があるのかなって考える気力がないので誰か考えてください(匙を投げたよ!)。
鼻水人間とかした六つ子たちが「こっちの方が楽かも~」「楽かも~」って現状に甘んじているのが何とも言えない感じです。
※ワイプでのダヨーン→花粉が地球を襲い始めるとそれから逃れるかのごとくワイプから消え、そのままワイプも消滅。最後までワイプは復活せず。どうにも都合の悪い展開になるとワイプごと消える模様。
⑥迷路
謎の迷路に囚われたトト子ちゃん。「さっきまでただ散歩してただけなのに」というセリフから日常シーンから突然ここに召喚されたらしきことがうかがえます。
チョロ松っぽいけど偽物の人形やハタ坊のような飛びだし坊やの看板などが散乱するこの迷路。なんだか一期おそ松さんの残骸を思わせるような場所です。恐ろしく巨大で多分出ることはかないません。それをほくそ笑みながら見つめる黒幕のデカパンの姿でこの物語は終わります。
※ワイプでのダヨーン→トト子ちゃんの姿が冒頭に現れるや否やなぜか烈火のごとく怒っている様子のダヨーン。その後ワイプから消える。その後あらわれるのはトト子ちゃんが完全に迷路から囚われて脱出できないこと確定したところあたり。登場したダヨーンは一仕事終えたとでも言うかのような清々しい笑顔。最後にはキラキラエフェクトまで出して大喜び。
どうもダヨーン、この迷路からトト子ちゃんが出るのを良しとしていないのではないでしょうか。自分にとって都合の悪い展開があるとダヨーンは消えます。そう言えば「財布」の時も退屈そうにした後去って行ったんですよね。
あまり考えたくないんですけど、もしかしてダヨーンは自分に都合の悪い展開を面白くするために適宜アニメ世界に介入してるのでは?という気がしてきました。迷路(おそ松さん世界)から脱却されると話が終わってしまう。だからもはや小汚い残骸であろうとそこにいてもらわねばならないという。
そう考えると「財布」でおそ松の尻にがま口をねじ込んだのはダヨーンなのかもしれないっていう推測も成り立ちます。何故ならその方が面白いから。そうすると全然話が違ってきますよ。神々の視点から物語はいくつもの可能性を生み出されていくんですね。
⑦あらいぐま十四松
あらいぐまの十四松と飼育員トド松によるコント。綺麗にしようと洗うけど芋は無くなってしまいます。
汚い部分をすべて洗い流せばそこに残る物は無し。そして芋の数、六本なんですよねー。洗え洗え!!
※ワイプでのダヨーン→出だしから大喜び。要所要所でも笑っていたし全体的に楽しそう。
⑧トド松逝く
城之内死す!かよっていうね。壮絶にタイトルが出オチ。二期に入ってツッコミ役を一手に引き受けていたトド松の不満が大爆発です。
「チョロ松兄さん最近全然つっこまないから全部ボクがつっこんでる!」ってそれ全視聴者が思ってた(笑)。
「ボケたいから!ボケるね!はい!」と言うなりペラペラのラクガキのような姿になってしまうトド松。ボケがハイレベルすぎます。これにはみんなも蒼白です。いつものトッティ呼びではなく「トド松~っ!!」と絶叫ですよ。反省しろ。
とりあえずカラ松のクソタンクトップが一瞬だけ見れたので良しとしよう。あれはやっぱりカラ松のイタさの象徴なんだな。
※ワイプでのダヨーン→冒頭らへんで退屈そうに鼻くそほじって以後はずっと真顔。トド松がペラペラになった時はさすがに驚く。最後のトド松~ってみんなで絶叫するシーンではなぜかワイプから消えてた。
⑨社会科見学
突然公式による幼児化。松野幼稚園の皆さんの社会科見学のお時間です。
和やかにパン工場見学が進む中、終了後突如工場長が急変。「どうやらお前達は知りすぎたようだな。ここで死んでもらう」とピストルを取り出します(パンの事教えたの工場長なんですけど)。
「世の中には知りすぎない方がいいこともある。それも含めての社会科見学でーす……(DEATH?)」とのお言葉。
ちなみにこの工場長役は一松です(他の五人の松は園児)。知りすぎて大人になった松の末路みたいな存在なのでしょうか。永遠のニートであることを義務付けられた六つ子たちっていわば永遠の子どもです。知りすぎては困る。知ろうとしてもいけない。知ってしまえば殺すしかない。大人にする訳にはいかない。
表面上の怖さもさることながら一見楽しく明るいおそ松さんの裏側を見る思いです。一話完結の物語の中で成長が見られるような展開があっても翌週には何事もなかったかのように元通り。知りすぎた松は殺される。そうやって続いていくのですね。
※ワイプでのダヨーン→前半は終始退屈そうに鼻をほじっています。途中の園児たちの嬉しそうなシーンではちょっと笑顔。しかし一松工場長がピストルを出したシーンでは驚愕。その後ワイプごと消滅。
⑩出動!チャントシター!!
絶対勇者ライジンオーかよって思った人は同年代だ(ライジンオー見たことないけど)。
二期一話で登場したちゃんとしたロボ再び。あのロボ、チャントシターって名前だったんだ。せっかく作った豪華主題歌も今回は惜しみなく聞けて良かった(一話限りじゃもったいないよね)。
今回の20話作画スキルをこのパートに全振りしたのではと思うほど気合の入ったメカ描写。変形する家とか懐かしい感じで往年のロボットアニメファンなら大歓喜では。
恐るべきギミックを搭載しメカめかしく動く松野家司令室ですがいくらかどうしても一向に出動する気配はありません。ただ同じところをグルグル回り続けるのみ。
『色々と形を変えてみても結局何もなすことがない松野家と六つ子たちなんですよね
23:38 - 2018年2月20日 』
結局発進シークエンスを繰り返すのみでいつまでも出動はできず。日も暮れ街は壊滅してもいつも通りの松野家。まさに今のおそ松さんそのものですね。もっともらしくしてみても決してそこから動くことはできないのです。まるでそれまでのすべてがご破算になった一期25話のように。
※ワイプでのダヨーン→最初から最後までワイプは一切登場せず。
⑪スケルトン
放送当時は冬期五輪真っ最中。時事ネタでもあります。おそ松がスケルトン選手として登場。「中盤から後半にかけての滑りに定評があります」ってそれ一期のおそ松兄さん揶揄ってるんですか!?(横に出てくる過去戦歴の最低さに笑う。全く勝てていない)
勢いよくスタートするものの突如スケルトンも衣装もすべて取り払われ丸裸の状態で滑る羽目になります。今回の話とにかくおそ松が身も心も丸裸にされ過ぎ。乳首とち○こを犠牲にしつつも下ネタ全開で必死に頑張るおそ松兄さんに突如迫る後続の影。
カラピノじゃねーか!!!!!!(まさかの)
どうやら序盤での登場以降ずっと股間の枝を伸ばし続けていた模様。下ネタ同士の底辺対決(最低)。結局何が何だかわからぬまま「はい。勝ったのはカラピノでした」じゃねーよっていう。笑うしかない。カラピノくんのさわやかな笑顔が印象的ですね。
カラピノのところでも触れましたがこの人形はかなりカラ松自身のアバターを意識して作られたキャラだと思います。おそ松が身も心もさらけ出し最後の武器である肉体を削って努力しても、意図せぬラッキースケベにより強者と化したカラ松に勝利を横取りされてしまうという、ある意味二期を象徴するシーン。
20話を見ると長兄二人の立場の変化がかなり鮮明に分かりますね。一期までのカラ松にこのような美味しい立ち位置が与えられることはまずなかったですから。14話でのツートップ発言もこういったおそ松の弱体化を受けてのものなのかもしれません。
主人公としての矜持も特権も何もかも奪った上で製作スタッフは一体おそ松兄さんに何をなそうというのか。今後の展開が楽しみなような怖いような。最終回も近いこの回でこの話を持ってくる意図は何なのでしょうね。
※ワイプでのダヨーン→ワイプ復活。終始楽しそう。カラピノ大勝利に大受け。
ED後:(番組終了)
EDの歌が終わるとワイプが広がり再びスタジオに戻ります。イヤミが感想を聞くも「いまいちだったヨ~ン」とのこと。結構楽しんでみてたじゃん! と思いますが公式の自虐でしょうか。
イヤミが締めのポーズととるとテレビを消すように番組が消えます。今回は本当にテレビを見ている我々視聴者と見られているアニメ内の世界というのが強烈に意識されるように作られていますね。
二期は他の話でもかなりメタフィクショナルを強く意識させるような作劇が多いなと感じていましたがやはり気のせいではなさそう。テレビの中のキャラクターと外にいる我々の距離感を探るような比喩が多数出てきます。まるで我々が試されているかのようにです。
最終回に向けてこのメタ世界がどのように描かれていくのか。そしてどう落とし前をつけるつもりなのか見つめていきたいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?