名古屋城木造復元 石垣部会委員「『バリアフリーVS木造天守』では膠着状態が続く」
23/9/9(土)に、名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会は「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業 ~名古屋城バリアフリーの行方~」を開催して、会場とネット合わせて55名の参加がありました。
講師である、名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会委員の赤羽一郎氏は「2023年6月3日市民討論会の検証委員会が開かれているが、会議の結論がどうであろうと、河村市長の意見は変わらないだろう。『バリアフリーvs木造』という構図だと膠着状況は続く、どう打開するかいつも考えている。木造天守は非常に『非情』な建物。なぜ今復元しないといけないのか納得いかない」と述べました。
・当日配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909-0.pdf
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909-1.pdf
共同代表の斎藤縣三氏は「今回、6月3日の差別発言があり、状況がめまぐるしく変化し、開催時期が延びた。
これまで名古屋城総合事務所の担当主幹は毎年参加してくれ、お互いの意見を出し合って学び合った。
初代、2代とシンポに来たが、この4月に3代目に変わり、今回 最初は出ると言っていたが『出席をしない』と言った。河村市長も面談拒否だ」と述べました。
赤羽氏は以下述べました。
続いて、櫻井義也弁護士による、日弁連人権救済申立の説明がありました。
その後、斎藤氏による、わっぱの会からの要望書の説明をしました。
なお、23/8/21に「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」が市議会議長と団長と意見交換をした際、自民党団長が減税日本団長に『5階まで検討するのは賛成か?』と質問し、減税日本団長が賛成と発言した件で、河村市長は自民党に『そんな発言はしていない、謝罪せよ』と抗議文を出しました。
https://twitter.com/kawamura758/status/1698646953951961300
どちらが正しいのか、斎藤氏が議員ネットに確認したところ、『減税日本団長は、間違いなく“5階まで小型昇降機を検討する”と発言した』とのこと。
続いて名古屋市民オンブズマンの内田隆氏が、市民討論会後に市議会の追及で判明したことを述べました。
「名古屋城総合事務所は2022年11月にMHIを最優秀候補に選ぶも、市長は認めなかった。
市長は『3階まで』『1,2階までが合理的配慮と言える』など、日によって発言が変化した。
名古屋城総合事務所は『1階までは確保。より上層階を目指す』で変わっていない。
間に入った松尾副市長は『当初は設置せず後から設置、もしくは1階まで設置』と述べ、市長と副市長と総合事務所の意見が食い違う異例の事態が発生していた。
市はとりあえず市民の意見を聞くことにし、5000人アンケートと6月3日の市民討論会を開いた。
しかし、その後のスケジュールが全て決まっており、6月20日には市長が文化庁に 基本計画書を持参することになっていた。
『市民の意見を聞く』という形をとるためのアリバイづくりだった。
現在、差別発言検証委員会が第三者を含めて行われている。
そもそも人権問題について市民の意見を聞くこと自体誤っている。
当日の発言だけでなく、どうして討論会を開いたのか、日弁連の勧告なども踏まえて検証してもらいたい。」
赤羽氏は「2023年6月3日市民討論会の検証委員会が開かれているが、会議の結論がどうであろうと、河村市長の意見は変わらないだろう。
『バリアフリーvs木造』という構図だと膠着状況は続く、どう打開するかいつも考えている。
私は現天守をたたき壊して木造天守にする計画自体に反対していることを申し上げたい。
木造天守は非常に『非情』な建物。なぜ今復元しないと行けないのか納得いかない。
この実行委員会は、本当に木造天守を希望しているのか、逆に聞きたい」と述べました。
斎藤氏は「会ができた当初は、議会も認め、予算もつき、突き進んでいくというので、『当然バリアフリーを実現すべき』だとしてきた。
あれから5年たち、木造復元の見通しがない。河村市長の姿勢が続けばたたないと思う。
当初の耐震改修やるという方針ではこんなことにはならなかった
2018年に現天守を閉め、観光収入が大きく減少し、損害を与え続けている。
木造復元を諦めて、耐震改修にしてはどうかと個人としては思っている」と述べました。
車いす利用者である小川直人・共同代表は「木造天守について、いい悪いは思っていない。障害者が排除されると、市民の思いを一つに出来ない。エレベーターつけるのは絶対必要」と述べました。
会場からは「現行天守は文化財として価値がある」「赤羽氏は千田嘉博氏と一緒に河村市長に申し入れをしてほしい」「修繕費を考えると、木造天守が『負の遺産になる』可能性がある」という意見が出ました。
櫻井弁護士は「23/8/21障害者ネットワーク申入書の中に、『木造復元で車いすが入れない場合、世界中が落胆する』とある。
今は差別思想が蔓延しているが、世界や、未来から見てどう思われるか。
『恥の建造物を建てることに』なるのではないか。
『名古屋の人は恥ずかしい建物作っちゃったんだ』といわれないようにしたい」と述べました。
司会者からは「精神的な負の遺産」という言葉も出ました。
他に、会場から「差別の城を作ることになるのでは。河村市長の独裁的なやり方に、市議会も戦いあぐねている。差別発言で、市長の企みが頓挫していることがはっきりした。河村市長を辞めさせよう」「MRJが撤退して社長がクビになったのと同じ」という意見が出ました。
櫻井弁護士は「市民の意見を聞かないのはそうだが、選挙で何度も当選している事実、6月3日 拍手が巻き起こったという現実も受け止めないといけない。
現在名古屋市は差別解消条例改正の議論をしている。今後皆さんに意見を求める予定」としました。
斎藤氏は「5年前 名古屋市は障害者基本計画改定で、バリアフリーうたい続けるも、名古屋城には『市長の決裁が降りない』と触れなかった。
現在再改定では触れないわけにはいかない。職員が窒息状態で口をつむんでいる。名古屋市としてよくない状態だ。
討論会で差別発言がでるのは名古屋しかありえない。『恥の名古屋』が広がってる。
実行委員会のありかたを皆で議論したい」と述べました。
今後の予定
・23/9/27(水)19時- 記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」
https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11011690
・23/9/30(土)14時~ 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
・23/11/13(月)15時半~ 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元
https://www.chunichi-culture.com/programs/program_201207.html
https://www.chunichi-culture.com/programs/program_201213.html
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm
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