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名古屋市障害者差別解消支援会議委員「名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会に障害当事者は1人のみ」

23/8/22(火)に開催された第2回名古屋市障害者差別解消支援会議で、委員の入谷忠宏・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局長は、「23/8/30に『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に係る検証委員会』が開催されるが、構成は学識経験者が3名、行政が4名で、うち障害当事者は田中伸明弁護士1人しかいない。障害当事者が過半数で話し合わないと不公平ではないか」と述べました。

・配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230822-1.pdf
・障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領(改正案)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230822-2.pdf
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230822-3.pdf

傍聴者は、録音・録画・写真撮影は禁止されました。

名古屋市は法律改正に伴い、2024年4月までに「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」の改正を計画していましたが、23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会の差別発言を受け、いったん法律改正に伴う部分のみ改正し、その後、『検証委員会』の議論と、『障害者差別解消支援会議』の議論を踏まえて2024年度以降に再改正する方針を示しました。
また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領」はすぐにでも改正する方針を示しました。

濱田智恵実・名古屋手をつなぐ育成会副理事長は、「名古屋市の職員は、差別発言を止めなければならないのは重々わかっていた。それでもどうしても止められなかった。一般の会社でも、社長の言動をとめられない。市長の思いをくんでいえなかったのだろう」と述べました。

田嶌仁美・障害福祉部長は「差別解消担当者が出席したのに止められなかったのは申し訳ない。当該会議が開かれることも知らなかった。聞いたら席があいているから傍聴できた。職員対応要領はすぐに改正したい」と述べました。

入谷氏は「今回6/3の発言があって『差別』が明るみになった。
エレベーター設置に関し、昨年11月日弁連から勧告されたが、それ以前からずっと差別が続いていた。
7名の検証委員会委員の構成の中で障害のある人は田中さんだけ。
https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000166636.html
6対1だ。障害当事者が構成過半数で話し合わないと、不公平ではないか。
何を検討するのか。進行を進めるときに、流れでちゃんと筋書きができていたとならないか心配だ。
健常者目線ではなく、障害当事者目線が必要だ」と述べました。

担当者は「意見は伝える」と述べましたが、入谷氏は「意見を会議で言うだけではなく、取り入れてほしい」と述べました。

田中弁護士は「まだ中身は聞いていない。全てはこれからだ。障害当事者は1人で、背負う責務は大きい。
こういった問題がなぜ起きたのか。原因究明と再発防止は大きな検討課題だ。
それにとどまらず、契機としてより差別解消の大きなステップになるよう報告ができたら」と述べました。

牛田正美・愛知県難病団体連合会事務局長は「名古屋市障害者施策推進協議会 会長の瀧誠・愛知淑徳大学教授名で、市民討論会に関する意見書が上がっていると思うが」と述べましたが、「まだ意見書が出たわけではない」と述べました。

笹川純子・名身連聴覚言語障害者情報文化センター所長は「『差別発言を幹部の職員が止めなかった』ことを差別発言と同様に扱うのか。
 事例として載せるべきではないか。名古屋市職員として永久に念頭においてほしい。」と述べ、担当者は「止められなかったのが不当な差別的取扱いになるとするか検討したい」と述べました。
 
また、名古屋市は元々「差別事象への対応について(対応マニュアル)」を作っていたが、今後書き換えるとしました。

・名古屋市職員用「差別事象への対応について(対応マニュアル)<名古屋市>」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/houmu.pdf

伊藤葉子・中京大学現代社会学部教授は「さいたま市、堺市、愛知県は、監督者の責務を明記し、職務を怠った場合懲戒処分になるとしている。
名古屋市は課長級以上の記載が無い。ぜひ記載してほしい」と述べました。


・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm

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