クリスマスプレゼント

 先輩後輩をしていた時から7年という時間が経ったいま、この関係でいられることは奇跡以外のなんでもない。だからって、いろんな問題を見ないふりをして二人で生きていこうなんて世の中はそんなに甘くない。ちょっとずつ、関係性だって前に進まなきゃいけない。「好き」という感情だけでない、「生きていく」という関係づくりが必要になる年齢になっていたようだ。

 「1年も経てばお互いの嫌なところだったり、分かり合えないところだったり、出てきて当然だし、そのうえで歩み寄っていくしかないわけでしょ。俺たちもまだまだだな。」とイヴの朝から、大号泣で彼をたたき起こした私をなだめながら彼は言った。そして、「俺の素はこっちかも。今までちょっとだけ頑張ってた気がする。」と話をしてくれたのだった。この1年で、そんな風に作り物じゃない本質的な部分に向き合える関係を作れたことは純粋にうれしかった。作り物となんて、この先を生きていけるわけがない。感情を出すのが極めて下手で、強がりだけどとってもさみしがりで、そんな部分も含めての彼だ。

帰りの新幹線の中で私自身の1年を振り返ってみたけれど、「素直になる」ができるようになったかなぁなんて思っていた。考えすぎて、「自分が我慢してればいいや」と思ってしまう性格だったけれど、「結局我慢できなくなるし、後倒しにしても何も生まれないし悪化する」と彼に諭されてから言えるようになってきたなと思ってはいた。考えすぎ王国の大臣を務められるくらいには考えすぎる私が、素直に言えるようになっただけで大成長だ。完全に自画自賛だけれど。

そんなことを考えながら、「いつまでもお客さんではいられないな」ということを悟った。結婚するとか、そういう年になってきているところにいて当事者じゃないなんて、ちゃんちゃらおかしい話である。始まりはただの「好き」同士だったかもしれないけど、これからは「生きていく」という関係性を築いていくようなことが必要だなと気づいたのが
最高のクリスマスプレゼントだったな。メリークリスマス。

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