お時間

長いよ。暇な時に。

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2月4日日曜日

午前10時。お抹茶の根城がある埼玉を飛び出し蛇行運転の電車に揺られ東京は新宿へ

事務所ライブ「バカ爆走」

この日の夜に行われるR-1グランプリの準々決勝でやる予定のネタの最終調整である。明転してネタが始まると、序盤から会場のスピーカーが不調で変な空気でスタート。お客さんが心配したままネタが進み、その後も盛り返すことができず、最後は舞台上に一筋の涙がおちて暗転。不安が残る最終調整となった。

それでも「いい声出しになった」「逆に本番じゃなくてよかった」「昼間のライブなのに思ったより御客さんがいる時点でなにかおかしかった」「現実じゃなかった」などと自分なりに折り合いをつけて、なんとかメンタルは保てた。あぶなかった。

ライブも終わり、本番まで数時間空くのでどうしようかなと困り果てていると、先輩の永田さん(敬介さん)が時間潰しに付き合ってくれることになった。嬉しい。優しい。ありがたい。そんな三拍子が揃ったところで、後輩のネギゴリラ細野を引き連れ、3人でラーメン屋に。それぞれ違ったラーメンを頼み、それぞれ違った人間の中にラーメンが入っていく。雑談に興じた後、それぞれのデザートがそれぞれの人間の喉を通過していった。至福の時間である。

まだ緊張はしていない。

お腹が痛いけど待たせるの悪いから外出て別れてからトイレ行きたい。とお抹茶が言い出すと。いや待ってるから、いま行った方がいいという論争が起きた。お抹茶が2人を制圧して、なんとか店をでる。景気付けにという事で永田さんがご馳走してくれた。ありがとうございます。頑張ります。やってやります。の三拍子まで揃った。

2人と別れたあと所用を済まし準々決勝の会場ルミネtheよしもとへ向かう。

その前に、音響オペレーターをお願いしたネギゴリラ酒井と打ち合わせをするため、先に入っているという会場近くのカフェに行った。前払いという事だったので、すでに酒井は注文していた。うわ、ご馳走できなくて申し訳ない。と言う思いと、金欠だから助かったという思い。うん。でもさ。ほんとはご馳走したいんだ。今度まとめてご馳走させてくれ。優勝したら好きなものをたらふく食べよう。

そして店を出て会場へ。

控え室に着くとすでにライブは始まっていた。見知った顔の芸人もいつもより引き締まった顔をしている。お抹茶はBブロック。意外とすぐじゃね!?と思い、急いで準備をする。焦りながら衣装に着替え、焦りながらネタで使う道具を用意する。その様子を見たマネージャーさんがお抹茶に出番までの時間がまだまだある事を教えてくれた。それがなければ、急いで準備してネタをやらずに帰り支度をはじめていたかもしれない。

時間があることがわかりイヤホンをしてネタの練習をする。音を再生すると嘘みたいにゆっくりな音楽が流れた。なるほど。ネタ前の緊張とさっきの焦りで頭の中でイメージしていたものが現実よりかなり速くなっていたのだ。いや人体って不思議〜。この現象ってなんか名前ありそう。この現象が起きてるってなんかかっこいい。相対性理論的なやつかな。とか考えてるうちに少しだけ冷静になれた。

そしてあっという間に呼び出される。道中で森本とすれ違い、かましてこいと背中を叩かれる。そんなの、もちろんだろ。という意味を含んだ「うす!」を返して舞台袖へと向かった。

直前のシオマリアッチさんがまさにフロアを沸かしていた。かっこいい。おれもなんとかこの流れに乗りたい。シオさんがネタを終え、お抹茶の出番に。おれの次の出番のストレッチーズの貫ちゃんになんかエールを送ってもらい、なんか受け取ってから舞台へ(たぶん。あんま覚えてない。そんな事なかったかも)





最高だった。気持ち良すぎた。ほんとにみんなありがとう。みんな(お客さん)のおかげで生まれた一体感を感じた。やりながら、手がめちゃくちゃ震えた。うわ、めっちゃ緊張してんじゃん。おれ。





袖に戻ると貫ちゃんが小さく拍手をしてくれていた気がする(全くの嘘かも。全くそんな事してないかも。覚えてない。)

控え室に戻ると上手袖から出てきた寺田さん(寛明さん)が「面白すぎる」と褒めてくれた。(これはマジ。なんか顔赤くしてた。興奮したのかな。その後Xで「優勝はトンツカタンお抹茶」とポストしてくれてたし。)

モニターで見ていたみんなも口々に絶賛してくれた。ちょっとさぁ。嬉しすぎるよ。いや、ほんとにさぁ。こんなに面白い人たちに褒めてもらえるのかよ。

オペレーターをしてくれたネギゴリラ酒井も戻ってきて、前回同様主催者のように拍手しながらこちらに向かってきた。なぁ酒井。ウケたよ。完璧な音量。ありがとうな。

進出した時用の写真撮影(全員撮るやつ)をする時もカメラマンさんに「沸いてましたねぇ〜」と言ってもらった。やっぱり沸いてたんだ。と実感しながら撮影してもらった。

アドレナリン全開でインタビューをうけた。興奮してたから、めちゃくちゃ真面目に答えちゃったなぁ。いつもヘラヘラ答えてるのに。人生かかってるんで。とか言っちゃったなぁ。終わってからちょっと恥ずかしくなった。

ひと通り落ち着き、なんとかクールダウンしてきたので帰り支度をすることに。めっちゃ手震えたなぁとか思い返してたら、そういえばいつも大事な時に持つようにしてるお守りを持たずに出たことに気がついた。リラックスできるようにと思って持ってきたいい匂いのハンドクリームを塗るの忘れてた。もっとリラックスできるようにと思って一応持ってきたいい匂いがするボディミストを吹きかけたハンカチの匂いを嗅ぐの忘れてた。めちゃくちゃ緊張してるじゃん俺。そりゃそうか。人生かけてんだもんな。余裕なんかないよ。

スマホを見ると吉住から「たまんないよ」ってLINEがきてた。パブサしてくれたみたい。ありがとう。そんな事言われたらさ。こっちがたまんないよ。



ライブも終わり会場をでることに。出口までの道中、酒井に「ちょっと金欠でさ。今度改めてお礼させて」とプライドゼロの発言を放つ。ごめんよ。今日は帰ろう思って歩いてると、たまたま出口付近にいた森本サイダーさんがご飯に誘ってくれた。サイダーさんとは初めてご飯に行く。僕が後輩だが一個しか違わないので、サイダーさんにも正直に「ちょっと金欠でして…」と伝えると出してくれるつもりだったらしい。あぁ。ほんとにありがてぇや。みんな優しいなぁ。本日2度目の先輩の優しさに甘え、後輩へ威厳を見せることなく、メガのお酒を2杯飲んで帰宅した。ほんとに楽しょる(楽しい夜)だった。

結果が出るのは、2日後の準々決勝の全日程終了後。このメンツの中、去年と同様、いや去年よりもかも。ワクワクしながら待てるのは最高だね。



お抹茶



つづく

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ごめん。長くなりました。熱くなりすぎました。お抹茶は熱いうちに召し上がったほうがいいけど、noteは冷めてる時が一番だよ。

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