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黄色い自転車


2023年、ある日。

私の愛車(黒い電動自転車)が壊れました。

20年以上車を運転していない、いわゆるぺーパー子な私には、自転車は無くてはならない存在です。

我が家の子供たちは体が大きめなので、
あの快適そうな「電動自転車」というものを、買ってみよう!

と、購入したのが長男2歳のころ。

次男も生まれ、二人の巨大な子たちを前後に乗せ、人のいない公園を巡りまくれたのも、あの黒い電動自転車のおかげ。

一人でも、あっちこっち行きたいところや会いたい人に軽やかに会いに行きまくれたのも、あの黒い電動自転車のおかげ。

乗り回しすぎて疲れてしまったのか、突然、電動のバッテリーがチカチカ光だし、ついに何も反応しなくなり、壊れたのです。


どうしよう。。

子供たちも自分の自転車があるので、電動でなくても大丈夫。
思い出いっぱいあるけれど、買い替えますか。
と、さよならすることになりました。


さぁ、どこで買おう。。

あ!面白い自転車が手に入りそうなお店があるじゃないか!

ということで、

仲良くしている「絵を描くコーヒー屋さん」実家は「自転車屋さん」に、相談しました。

「私が乗れそうな自転車をお願いしたい!」

と、全任せ。

「気に入ると思う!黄色だよ。

それは。。
私の年齢でも大丈夫な色なのか。。

と、確認はしました。


そして、当日。
壊れた重い自転車に乗ってお店に伺い、初対面。

黄色いね。

購入。

黒色とは、お別れ。
お疲れ様。今までありがとう。

黄色に乗って帰ってくる。

という流れ。
ちなみに中古です。


以前は、まっ黒でよく見るタイプの自転車に乗っていたので、

うちの息子たちも

「すごい派手だねぇ。」

周りのお友達も、

「どうしたの?!」

と、ザワつかせました。

正直、前と色も形もだいぶ違うので、私の心もザワつきましたが、
丁寧に修理され、愛情たっぷり注がれたその黄色い自転車は、じっと私を待っているかのように見えたのです。

ただ、
もうちょっと自分にフィットするようにしたい。
使い勝手と、見た目のシャレ感も欲しい。

そこで、もっとオリジナルにすべく、かごやサドルは前の自転車のものに付け変えて、使い勝手と思い出を引き継ぎ、ライトと後ろのかごは、前から付けてみたかったものを、おとうさんに無理言ってつけてもらいました。

「できますよ!!お客様の思い通りに!!」

と、おとうさん。

とても楽しそうに笑顔で作業してくださいました。
今あるものをその形に合わせて器用に付けていく姿は、まさに職人!

そして、どこにいても見つかるオリジナルの黄色い自転車がやってきたということです。



今思っても、何の確認もせず、これだけ大切な生活必需品を即決してしまうなんて。。

周りの友達もびっくりしていましたし、自分でも勇気あったなと思います。

でも、それくらい信用していたし、
その自転車屋さん(コーヒー屋さんとおとうさん)から買いたかったのです。


今の私は、 

誰から買うか

が重要なんです。

今でもコーヒー屋さんに行くと、奥で作業しているおとうさんがニコニコとやってきてくれて、黄色い自転車について、一緒に語り合ってくれます。


こんなにも愛着がわき、
みんなから、見たよ!すぐわかるね!

と、会話が弾む黄色い自転車は、今ではなくてはならない存在です。

黒い電動自転車は、素早く軽快に、子供たちを乗せて色んなところに連れていってくれました。

黄色い自転車は、のんびり緩やかに、子供たちと並んでたくさんの景色を見せてくれそうです。


今では、私の自転車なので、

まちゃり

と愛称がついた黄色い自転車。 

相棒です。




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