ファースト野球?

私が処女作「セイバーメトリクスの落とし穴」を出版させていただいた光文社新書さんは割と尖った面白いテーマの著者をスカウトしている印象です。最近面白いと思ったのが「映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)」です。

早送りでストーリーを10分程度に簡略化された映画を見る若者が増えており、Netflixの動画を早送りやコマ送りで見たり、先にストーリーを勉強してから見る人たちが増えているそうです。敢えて言葉で説明することなく、表情やその時のシーンなどで伏線を感じたりするのが動画だと思うのですが、今はナメック星でのベジータみたく独り言のようにセリフで全てを説明しないとわからない人だらけ。

私もそんなのおかしいよなと思っていましたが、ふと気づくと自分も野球をファースト映画の様に見ていることに気がつきました。時間があまりないですし、メジャーリーグでは特に全球ハイライトの動画をyoutubeにアップしてくれる方がいます。それをざっと見て、データを確認すれば15分ほどで一流投手の1試合の全投球が確認できてしまいます。

野球は間を楽しむスポーツ、選手の表情や作戦、流れを見るべきなのはわかっていますが、毎日3時間、各試合を確認するのは物理的に不可能です。
ライブで映像を見る、球場で空間を楽しむ他に、後で確認用に全球ハイライトとデータ添付、場面ごとのサーチが可能なシステムが一般にも開放されるのなら皆結構お金を払うのではないかと思います。ファンだけでなく、むしろ現役プレーヤー程、日々の練習や移動で時間の制約の中でプレーを研究するために、他の選手がどのようなプレーをしているのか、先発なら組み立てまで短時間で確認することが重要と思います。
お股は最近この要素が増えすぎて、全てのボールを全球ハイライトを構成する1球と捉える傾向が強まっているのかもしれません。これには一長一短があり、感情に左右されず淡々と抑えられるようになる気もしますし、一方でここぞの試合のポイントや感情の揺さぶりみたいなものを以前より感じる力が弱まってきているかもしれません。

私がファースト映画ならぬ、「ファースト野球」として試合の確認に使っているサイトを紹介します。私も公開はできませんが、実は独自のメジャーリーガーの投球データのデータベースを構築して持っております。

NPBの試合を確認する際にはどの動画を使っているかなど、是非皆さんにも教えていただきたいです。raniさんのような「狂人」は試合後、ハイライトで全牽制球やタッチプレーを確認しているそうです笑

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