グレッグ・マダックスの凄さ:捕手にサインを送らせない天才の投球術
通算355勝、19年連続15勝以上、15年連続ゴールドグラブ、4年連続サイヤング賞。
野茂のメジャー挑戦で初めてMLBを見た95年、ランディ・ジョンソンやクレメンスと言った100マイルのパワーピッチャーにも驚きましたが、「精密機械」「プロフェッサー」と称された現役時代のグレッグ・マダックスの投球を見た衝撃は相当大きなものでした。
身長183cm、球速90マイル前後と日本人ともそれ程変わらず、普段はメガネを兼ねている知的な風貌から精密なコントロールで打たせて取っていく技巧派のピッチング。
殿堂入り投手グレッグ・マダックスの凄さは、その卓越した制球力と投球術だけにとどまりません。なんと彼は、捕手からのサインなしに、自らの判断で投球を組み立てていたというのです。今回のレポートでは、証言や具体的なエピソードを交えながら、マダックスの並外れた洞察力と、常識を覆す投球術の秘密に迫ります。
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