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浮遊する時間

考えがまとまらないまま宙にぷかぷか浮いていて、ただ私はそれを見ている。文字に定着させたい、そこへ向かって集中する体制ができているのだけれど、考えは浮遊し続ける。

ジャズが流れている。女性が雰囲気良く歌っている。
英語の歌で、魅力的な感じがするのに、英語のできない私には歌詞が分からない。

まとまらない考えも、そんな感じ。肌触りのようなものは感じられるのに、言語化できない。いろんな味や色が入っていて、ふんわりなめらかだから、はさみでジャキンと切ってしまったら、良さがまるで無くなってしまうのだ。

絵や音楽のできる人は、肌触りをそのまま形にできそう。いや、文章の力のある人なら、言葉でも十分表現できてしまうのだろう。

そうして、そんな風に、ぽわぽわ、ふわふわ、PCの前で何かを追いかけているこの時間が好きだ。全然焦らない。だって仕事やないんやもん。私が好きで書いているだけ。
言葉ではっきり分けられない、何か。「考え」そのものになる前の、未分化なもの。暖かい部屋。オレンジ色のあかり。ジャズシンガーの深く伸びやかな声。そういった今の私の身体感覚が混じり込んだもの。
そういうとりとめも無い何かと、ただ戯れる。冬の夜の、一人遊びが好きだ。


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