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大阪旅行記 その2

二日目
ホテルで朝一番で朝食後、自室でPCにて作業。
天気予報は、明日から気温がぐんと下がり、寒風も吹くという。
戸外を楽しむのは今日しかないと、急遽植物園を検索。
前々回の関西旅行では、こちら在住のいとこのお姐様がたと、咲くやこの花館を訪れたので、まだ行ったことのない長居の植物園へ。
早朝のちょっとだけ食べた不満足な朝食を補強し、遅いお昼までの繋ぎも必要と言い訳して、長居公園のカフェで朝食のスープセットを頂く。
植物園では、ほんのり汗ばみながら、数時間、あっちへフラフラこっちへフラフラ、沢山の植物の観察と携帯写真撮影が出来て、大満足。
午後2時を目指して、日本橋(大阪では「にっぽんばし」と発音することを学習)へ向かう。
ここには、二十代のころから通算多分4回目訪問の、大好きなふぐ料理屋さんがある。
通算3回目の時は、二十年以上前だが、もう亡くなってしまった大阪生まれの友人が、「子供の時から行っている、美味しくて高価過ぎないふぐ料理店に案内する。」と連れてきてくれた。
たまたま自分で見つけていた店と同一で、感動したのに、友人はその後ヨーロッパでの交通事故が元で亡くなってしまった。
四十年近い年月を掛けて、4回目の贅沢かあ…と入店し、一人でも大丈夫ですかと質問すると、身なりのせいだろう、「ランチはやっていないが」と店員さんにジャブを貰う。
「ええ、大丈夫です(何が大丈夫なんだろう)。」とにこやかに返答し、席を頂く。
毎回一番小さいコースを注文するので、今回も同様。
次はもう来られないかもなあ…と感慨もあり、お料理だけの写真を撮ってもいいでしょうかと最初のお皿を配膳してくださった先程とは別の店員さんに尋ねたところ、上へ上へと質問が上がり、ご店主が「ご遠慮いただいております。」とのこと。
勿論納得して、疑いを払拭するため、携帯はしまい込み、静かにコース料理を丁寧に完食し続ける。
でも、コースをご店主が配膳するところを見ると(店員さんがお昼休みにはいったせいかもしれないが)、もしかしたら反感を買ってしまったかもしれないと、配膳のたびに小声でお礼を言い、食べ跡が見苦しくないよう、かなり気をつかう。
いつも通り(たった4回目だが)、美味しい。
ふぐちりの際の、ふぐの骨は、あくとりの入れ物に入れていいとのご指導を受ける。なるほど。
最後のお雑炊を、お店に任せている待ち時間に、ホテルへ帰る道筋を見るため、携帯ではなく、大判の大阪の紙の地図を広げていたら、出来上がったお雑炊を持ってきてくれたご店主が、「どこに旅行へ行くのですか。」と声を掛けてくださった。
大阪が旅の目的と答えたら、そこから、大阪のどこへ行ったか、どんな予定があるのかと、急に氷が溶けたように、会話が始まった。
明日は京都に大好きな伊藤若冲を見に行く、京都二か所で見られそうだからと言ったところ、なんと、ご店主のお父上が、ふぐ料理店を営みながら、生まれ故郷に私設美術館を建て、伊藤若冲の絵画も所有されているとのこと。
何たる偶然。羨望。
ご店主のお話では、お父上は相撲のタニマチもしておられて、高見山を支援されていたと。
高見山が大阪場所の際には家に遊びに来たこと、化粧まわしも贈り、その写真も見せてくださった。
実はわたしは子供の頃、大相撲をテレビ観戦するのが大好きで、少女ながらも、幕の内力士が後姿で四股を踏んだだけで、力士名をあてられたくらいだった。
「明武谷」が贔屓だったのだ(ソップ型力士がいつも贔屓)。
ご店主は当然その力士名もご存知だった。
お店を出る際には、ご店主自ら店の前に出てくださり、腹ごなしのために徒歩で行くとわたしが主張したホテルへの道を、手振りも含めて案内してくださった。
出入り禁止にはならなかったようだ。
終わり良ければ総て良し。

この日は、歩数17171歩。


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