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ロサンゼルス・ニューヨーク旅行記  その3 ニューヨーク滞在

 ニューヨーク滞在と言っても、2月25日(日)午前5時到着、2月26日(月)午後6時にはニューヨークを発ったのですから、実質的には1日半の滞在です。
 それでも、子供はわたしのために月曜日に休暇を取ってこの旅行を計画してくれたのですから、感謝です。
 この一日半でチラッと寄っただけを含めて、訪れたところを列記すると、タイムズスクエア、メトロポリタン美術館、エンパイアステートビル(外から眺めただけ)、セントラルパーク(ほんの少し散歩しただけ)、トランプタワー(子供のたっての希望で…まあ「もしトラ」って単語もあるそうですから…)、ニューヨーク公立図書館、ウォール街(通っただけ)、グラウンドゼロ(外だけ)、地下鉄体験でした。
 ここでは特に記憶に残った二つの施設について、触れたいと思います。

 先ずは、ニューヨーク公共図書館。正直に言いますが、ここについては全く意図せず、たまたま前を歩いていたら、雨が降り出し、まさに開館時間で列が動き出していたので、雨宿りとして入りました。
 予備知識ゼロだったのですが、並んで手荷物検査を受け、観光客でも入れるところだけ、見せてもらいました。内装が豪華で、貴重な資料の展示室もあり、見どころが沢山あります。天井の装飾が素晴らしいローズ閲覧室は観光客としては入り口の決められたスペースからの一瞥が許されているだけですが、他にも素敵な部屋を見ることが出来ます。
 子供の頃からの図書館フリークで、現在も地元の図書館でボランティア登録しているくらいですから、バイアス掛かってますが、ニューヨーク市民だったらすぐ図書館に登録してカードを作り、雨降りの開館日には入り浸るだろうと思います。
 展示室では、大好きなクリスマス・キャロルを書いたチャールズ・ディケンズの机と椅子も展示されていました。
 人生最高の雨宿りになりました。

ニューヨーク公共図書館で展示されていたチャールズ・ディケンズの机と椅子

 もうひとつご紹介したいのは、メトロポリタン美術館です。ただ、最初から言い訳ですが、子供が寝不足でフラフラとなり、カフェテリアでの昼食を含めてたった4時間ほどの滞在で、全体の極々一部しか見られなかったことを、無念の思いと共に、申し上げておきます。
 実は、大学時代に美学の授業を取り(教員免許のためには、当時は理系でも社会学系の単位が必要だった)、教授に、「先ずは好きかどうかで判断していい。」といった趣旨の教えを受けました。大学が東京だったこともあり、当時の学生料金で、美術館や色々な施設の展示会を回り、絵画の鑑賞がある意味で趣味になりました。
 どこの美術館でも、大大大好きなルーベンス(Peter Paul Rubens)、ヴァァン・ダイク(Anthony/Antoon van Dyck)、カスパー・ダビット・フリードリヒ(Caspar David Friedrich)があれば、それから見ることにしているので、先ずそれらを探しました。

ヴァン・ダイクが描いたヘンリエッタ・マリア王妃の肖像
ヴァン・ダイクが描いた自画像

 ヴァン・ダイクは良かったですねえ。相変わらず、描かれた人間の性格まで表現する肖像画は圧巻でした。
 カスパー・ダビット・フリードリヒは「月を眺める二人の男」が展示されており、デジャヴがあったのですが、後で調べたら、ドイツのDresdenのAlbertinumで同じモティーフの絵を鑑賞していました。
 個人的に問題だったのは、ルーベンスで、これは「おいおい」という感じでした。世界に名立たる美術館所蔵の絵画に、ドドドど素人が文句をつけるのは、単なる○○丸出しなので、言を控えますが、ある作品など、Rubensなのにデッサン狂ってない?とさえ思いました。作品に問題があるのではなく、受け手が飛行機で寝られず、徹夜明け疲労まみれだったから、感覚が狂っていたのでしょう。何事にも体調万全でないと、とんでもないことになるという、当たり前のことを再認識しました。

 些か強行軍だったこと、ロサンゼルスに比べると無茶苦茶寒く感じたこと、中心部にしかいなかったので、セントラルパーク以外は自然が感じられなかったこと以外は、子供と一緒に久し振りに旅行出来て、よかったです。飛行機の予約・ホテルの予約・全ての手続きを率先して子供がやってくれて、わたしはくっ付いていくだけ。役割の完全交代を、しみじみと感じました。

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