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立ち往生した大型トレーラーを救出した話【のりもの①】

住宅地に大型トレーラー

もう随分前のプロドライバー時代、帰宅通勤途中の今は無きボーリング場の裏あたり。

住宅地を通り抜けるその手前で警官が通行規制をかけていて、俺(自家用車)も停められた。

警官曰く、『この先で大きなトレーラーが立ち往生していて通れません』と。

こんなところに大型トレーラーで入って来る事自体あり得ないのだが、周辺道路事情に明るくなく且つプロとしてのレベルも高くないドライバーが国道バイパス道路の有料区間の料金をケチって道に迷うと時々こうなる。

それでもその日のドライバーはギリギリ正しい最終判断をしたらしく、物損事故などにはならないうちに110番で脱出誘導要請をしたらしい。でも既に住宅地内の十字路を全方向塞いで身動きできなくなってる。おもろw

『俺トレーラーの運転手だからちょっと見てやろっか?』とお巡りさんに告げ規制線に入り誘導に参加。だって通れなきゃ家に帰れないじゃん?

ぶっちゃけ、警官が何人居たとしても『何処かにぶつかるかぶつからないか』を見てあげるしかできない。
要はトレーラーの挙動特性を把握していないと裏路地に挟まったトレーラーを脱出させる誘導はできないってことね。

しかも、当該ドライバーさん、もう完全にテンパってて俺の誘導通りにも動いてくんないの。

だから優しく言ってあげた。
『ちょい俺と代わってみる?』と。

言い終わらないうちに運転席のドアが開いてドライバーが飛び降りてきて、汗だくでゼーハー言いながら『お願いします!』だと。

俺が誘導に参加してから数えただけで彼が10回ぐらい行ったり来たりしても脱出できなかった十字路。俺がやったら3回でイケたぞ?(どやw)

そこだけ抜け出すことができれば、あとはパトカーの先導で〇〇街道まで出れば良い。

涙目のドライバーさんや警官達から連絡先を是非にと聞かれたが、ヘヘーンて声が聞こえるぐらいドヤ顔してたのが急に恥ずかしくなってきたので盛大に遠慮して走り去って帰宅。

ドライバーさんの彼、所属会社には怒られたかもしれないけど事故にならずに良かったよね。今頃ちゃんと成長を遂げているのかな。

こういう人助けをひとつでも経験しておくと自己肯定感を何年もの間保つことができるってのは随分経って最近気付いたよ。

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