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みさきマグロきっぷで三浦海岸ぶらり

2023年12月。
私は大学の研究活動とバイトで心身を削る日々を過ごしていた。もう旅どころではなかった。
私はそれまで知らなかった。神奈川県が「かながわ鉄道割」という素敵なキャンペーンをしていたなんて。だからすぐに友人とチケットを申し込んだ。

はじめは箱根を巡ろうとも思ったが、一泊できる余裕は研究に追われる四年生にはなかった。
でも山という気分でもなかった。この疲れた心に染み入るは海。海鮮。マグロだろうと。

当日。三浦海岸駅に降り立った。駅の真正面に居酒屋やスナックが並んでおり、ここらでちょっくら過ごしなさいよという雰囲気であった。まだ昼なので開いてないが。

少し歩いて見えたのは、「廻転寿司 海鮮」。ここでマグロまんぷく券を使って食べる。

丸ごと三崎づくし

マグロは今まで食べた中で一番旨味を感じるものだった。中トロは口の中ですぐ無くなるから、何も記憶にないまま食べ終わった気がする。左下の軍艦は味噌を絡めたゼラチンだと思われる。食感も珍味感も面白い。
美味しかった〜。と思ったところに目に入ったのは「クジラ」の表記。ここはクジラの寿司も食べられるのか……。食べてみると、コクがあるがクセはあまりなく、マグロにも匹敵するくらいまろやかな口当たり。クジラの竜田揚げとかは給食で食べたことはあったものの、寿司にするとこんなに美味しいとは。マグロきっぷでクジラの美味しい食べ方を新しく知ってしまった。

あと残るはおもひで券。友人は何でも良いというから、思いついたプリンを食べに、海岸沿いを歩いて行った。

冬の風物詩、大根干し

穏やかな波と冬の日差しが反射する。海岸沿いはランニングしていたり、散歩している人も多い。

そうして着いたのは「ビーチエンド カフェ」。
寒くはあったが海が近くで見えるなら、とテラス席を選んだ。

あとのことは、横浜に戻って酒を飲んだことくらいだからこのあたりで終わりにしておく。

私は海に入るのは嫌いだが、見に行くのは好きである。
波や、キラキラとした粒の光、砂の音。それだけでなく、シーズンオフに海に来る人たちは穏やかな人が多いと思う。
良い空気が包む海が好きなのだと思う。

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