【第一回】ちょっと小腹がすいたんで。
西川口/コシ屋
流浪の新コラム
「ちょっと小腹がすいたんで。」
食べ歩きが好きな性分で、しかも何かにつけて筆を走らせたい性分で。
タイトルの通りちょっと小腹が空いたときに駆け込んだ美味しい店を綴って行くと致しましょう。
以前にも食べ歩きのブログは書いていたが、趣旨とは違う方向へ向いてしまったので畳んだ経歴がある。
ブログは2〜3回潰してからが本番。
なーんてはじめて口にしたがブログを幾つか経てやっと文章を書くことにも熟(こな)れて来た。
今もこのnoteの他に料理のブログは書いているが折角食べ歩きをしてるんだ、なんとなく行って美味しかった店をコレクトしたくなるという少年の心をボクは忘れない。
なのでそろそろまた食べ歩きにも着目して文章を書いてみようと思った次第だ。
価格がどうちゃらとかメニューはどんなのがあってなどの基本情報を書くつもりは毛頭なく。
つらつらと食べたモノの感想を書き連ねようという趣旨のnoteである。
こうして貯め込んだ情報が自分で作る料理へ投影できたりするのでその覚書的な一面も持たせつつ。
閉店間際暖簾が出てるのを確認し入店する。
他にお客はいない。
何度か邪魔してるので勝手は分かっている。
取り敢えずはじめてだと間違いなく入りづらいと思う。
ラーメン屋が抱えるイメージで結構強かろうモノは
「緊張感。」
これだ。
ボクはもう食べ歩きにも慣れてしまっているのである程度風情がある趣でもササッと入ってパッと出て来れるが、この老舗感に加えちょいとピリリとした空気感があるのだ。
給水機の近くに陣取り口頭で注文を済ませつつ店内を見渡す。
お盆は休みのようで。
この夏とも呼べないような煉獄のように暑い夏だ、休んだほうがいいよ休んだほうが。
━━━━などと水を飲みながら一息ついていると
醤油チャーシュー麺
この店はまぐうこと無き「札幌ラーメン屋」だ。
札幌ラーメンといえば「味噌」じゃないか。
という思考停止。
様々な食べ歩きを経て札幌ラーメンの醤油は滅茶苦茶美味いという事実に気がついてしまったのだ。
見てくれこのスープを。
バリバリに豚骨を乳化させた白濁スープ。
札幌ラーメンの特徴だ。
札幌ラーメンは博多なんかと同じで乳化した豚骨スープがベースなのだ。
これで醤油ってんだから驚く。
一口啜ってみると濃厚に引かれた豚骨の旨味が溢れる。
そこに濃い口の醤油、そしてラードの油膜という弾幕。
こういうのが食べたいんだよ。
小林製麺という地元札幌にある老舗の製麺所の黄色く歯応えのある細縮れ麺。
プツプツとしていてThe・札幌といった様相だ。
魅惑のチャーシュー。
ラーメンっていうのは肉がメインの料理だと思っている。(ここ毎回云うことが違うから要チェック。)
崩れる寸前まで煮込まれたバラロールだ。
甘辛い定番の味がしっかり入っててまあ美味しい。
「脂身3:赤身7」
黄金比かと思われる。
卓上のおろしにんにくと一味というサプライ。
ああ、美味い。
ああ、ああ美味い。
コシ屋に来ると必ず頼んでいた辛味噌の「じゃんめん」
これも美味いけど醤油食ったら霞むなー。
味噌とか辛味とか野菜とか、そういった無駄が要らない。
水道橋にある品川甚作本店のすみれ風醤油ラーメン
超ラード油膜のサッポロ醤油ラーメン。
ビックリした美味すぎ。
ラードで香ばしく炒められたモヤシ。
森住製麺所の黄色い麺。
ここも美味かったが豚骨の出方が違う。
コシ屋超絶濃厚。
軍配はコシ屋だ。
札幌ラーメンというおもしろコンテンツ。
これからも追わざるを得ないだろう。