【第十五回】ちょっと小腹がすいたんで。
西新井/焼き鳥 三ッ峰→浜屋
西新井。
東京のディープなダウンタウンである。
安くて良い飲み屋なんかが沢山あったりする。
そんな中でも埋もれているがとびきり珍しいモノが飲める店がある。
焼き鳥 三ッ峰
入り口の小窓で持ち帰り用の焼き鳥を焼いてくれたりする庶民的な焼き鳥屋だ。
間口もこんな感じでちと、入りづらい印象ではある。
下町の生ビール、ホッピーと焼き鳥ってか。
まぁ別段変わったところはないじゃないか。
ところが圧倒的な違いがこの店にはある。
生 ホ ッ ピー
なのである。
ビールサーバーと同じく生スタイルでホッピーを出す店なのだ。
それだけなら都内を探せば数件は見つかる。
しかしそれだけでは終わらない━━━━
白と黒のハーフで生ホッピーを出してくれるのだ。
都内広しといえど生ホッピーのハーフが飲める店はそうそうない。
そして地元のオジサマ方の憩いの場で少し入りづらいと来ている。
大きいお友達は嫌いな筈がないと信じたい。
カチンコチンに冷えたグラス。
大将に聞くとこのグラスももう市場にないらしく希少価値が高いそうだ。
そこに注がれる生ホッピー。
これぞハタラクオトコの象徴なり。
お母さんがサービスで出してくれたこんにゃく。
たまらない。
そして持ち帰り焼き鳥の需要が半端じゃない。
焼き場には息子さんが常に据えていてガンガンテイク・アウトの焼き鳥を焼き上げている。
カウンターにちょこんと常連のオジサマ方。
そしてボク。
良い空間だねホント。
ハーフホッピーで塩煮込みなんかをやっつける。
言わずもがなたまらんわけで。
身体を動かした後のホッピーの旨さたるや。
本当は生ビールの方が高くて持て囃されるべきなんだけど、希少性ですよね。
コレを飲めるのがほぼ、ここしかない。
焼き鳥の盛り合わせにあわせてハーフホッピーをお代わりする。
優しいお母さん。
ホント、泡の具合といい最高なのである。
タン、ネギマ、カシラ、皮etc……
串も進むよねそりゃ。
お持ち帰りで大量に焼いてるから炭のコンディションも良くパリパリに焼けている。
焼き鳥はニホンノヨフケの狼煙なり。
唐揚げ
なんの変哲もない唐揚げ。
日本人はこれで胃が落ち着く。
一口齧ってホッピーを飲み、串などに手をかけつつ。
つくね
別に希少な部位とか無くても良いんだよね。
こういうスタンダードで美味い酒が飲めたら幸せ。
こういうことを独りで愉しむ時間の希少さ。
一通り食べて満足した。
これだけ食べて飲んでも¥3,000そこそこという。
いいよねーホント。
浜屋
そしたらテクテクと酔い覚ましに歩き〆だ。
自家製麺、べんてん方面のインスパイアな店。
五反田なんかにもある。
「食券先買い」
するっと食券を買いカウンターの端っこに座る。
酔い覚ましのはずがまたアルコールを入れる。
別にいいじゃないの。
能書き。
こういう端書きがあると悩まず食える。
濃厚和風特製中華そば
スープの色味からいってべんてん系というよりもはや魚介豚骨っぽい印象。
エビ辛し
まぁこのへんの辛味なんかはべんてんぽさが現れているか。
自家製麺は丸く太いムチムチのモノ。
良い麺。
スープはやはり鰹が先行して立っている濃厚な豚骨ベースの粘度があるモノ。
美味い。
豚足とモミジでかなりペトペトしている。
〆にしては最高だ。
大判のチャーシュー大好き。
食べごたえあるしやはりラーメンは肉料理。
辛味などをカマし一気に行く。
そうそうエビなんだよね。
べんてん系列の辛味は。
干しエビを砕いて唐辛子との合わせる。
味をコピーして自作にも活かしたいモノで。
柔めのメンマは大量に入っている。
こういうところだよね。
大勝軒→べんてん→他の派生。
東池袋大勝軒はやはり偉大だ。