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【第十一回】ちょっと小腹がすいたんで。

【其の三】天満/八尾蒲鉾→けむパー→かぶら→ぬんぽこ

八尾蒲鉾

夜はまず、ここからはじめるとしよう。
17時開店の蒲鉾屋さんだ。

アサヒの熟撰で乾杯。
熟撰とは基本、飲食店にしか置いていないアサヒのビールだ。
これがあると運が良かったとばかりについ頼んでしまう。

ビールを流し込みながらメニューに目を落とす。

そうなのだ。
ある地域では「さつま揚げ」と呼ばれ、
とまたある地域では「はんぺん」と呼ばれたり「つけ揚げ」と呼ばれたりする。
ここ大阪では「天ぷら」と呼ばれることが多いすり身をあげたおでんの種なんかになったりするモノ。
コレを売りにしてる店なのだ。

うに海苔と蓮根

これが酒をアテがうには恰度良く。

日本酒なんかを初動から行ってしまったりして。

餃子天

酢醤油で頂くわけだがコレがまたグラスを取る手を早めるのだ。
軽くてご機嫌になるスターティングである。
少しガソリンが胃に入るとコンディションも良くなる。
一頻り楽しんだあとで話を切り上げ次へ行く算段へと入り会計を卒なく済ませる。
まだ宵の口。

次は天満の端っこにあるBARだ。
少し酒で暖まったで歩いて向かう。

読んで字のごとく燻製をウリにした店である。
もう開業して10年近くになるこの店。

けむパー

なかなかに雰囲気がよろしい店内はいつもお客さんがいる状態だ。
14時から深夜の2時まで通し営業という鬼のような店。

大阪なのにCOEDO
東京のCOEDOの生を頂く。
東京でも置いてあるところ少ないのに。

これがまたスッキリ美味い。

まあ、ビールの種類も相当数、世界各国のモノがあって飽きさせない。

もちろん、メインの燻製の品数も豊富である。

ガッチリと生ビールをあけて燻製ポテトサラダと共に赤ワインに切り替える。
こういう店でゆっくりと腰を据えて聞く土産話はまた格別だ。

燻製のオリーブやドライいちじくを肴にワインを傾ける。
チビチビと飲むとゆっくりと時間が進んだように思えるのはなんでなんだろうか。
角のテーブル席に腰掛け話に花を咲かせる。

盛り合わせなんぞも頼みつつ話が止むことはない。
何時間かの長っ尻。
たまに同じ店に長くいるのもまた良いモノだがたまに空気を一新させたくなる。
そういう時は店を変えてしまうのが一番だ。

二軒目は洒落てワインなんかを傾けても。
そりゃあまあ綺麗なご婦人なんかと一緒なら言うことも無いはずだが……

和洋食かぶら

ここの女将さんはしとやかで粋だ。
しっかりと時間を味合わせて貰える。

こんな具合で和的に寄せたイタリアンなんかも頂けたりする。

前菜の盛り合わせ

なかなか絵になる。
ししゃもの燻製とかローストポークとか気が利いていて最高だ。

チキンのにんにく醤油焼き

しっかりとプリプリに焼けていてワインとよく合う。
シェアをしながら肩の力を抜いて楽しめる。
肩肘を張ったイタリアンも良いが天満はこうでないと。

遅い天満もたまにはいい。
ボトルで頼んだワインもいつの間にか無くなっていた。

チーズの盛り合わせなぞでゆっくりとこの店を〆つつり
さぁ、良い店がある最後に行こうか。
天六の駅へ向かい酔った身体でご機嫌になりながら歩く。

と、そのまえ。
2018年秋、かぶらは移転したので注意してほしい。
移転差でも前と変わらぬクオリティが期待できると思う。

中華そば ぬんぽこ

看板のないお店。
路地裏にある。

良い佇まい。
そう、ラーメン屋だ。
〆のラーメンでもあっさりとしていて食べさせる店がここ天満〜天六にはある。

ふむふむ、まずは酒を。
というか、ここでも飲めるから飲んでからの〆というオール・イン・ワンでもいい。
マッシュ・アップという居酒屋もやっているし間違いはなさそうだ。

ということで━━━━
この辺になってくると相当強くないとフラフラのベロベロであろう。
ここを背筋をしゃきっとさせる痩せ我慢。

裏そばなんてのもあるのか。

東京ではおなじみの三河屋製麺。
大阪では珍しい。
東京のラーメンは良い製麺屋がたくさんあったから栄えたとも言われている。

中華そば

綺麗な水面だ。
よりあっさりと、酒の〆に出して貰いたいやつ。

非常にスープも優しく胃が暖まる。
酒を飲んでるからこその淡い中華そば。

脂身のないロース肉のチャーシューも良いね。
ズルズルと頂き、汗をかく。
飲んだ最後、必死の抵抗だ。
そして冷えた寒空へ戻ると吐く息が見えるほど冷えていた。

こんな少し大人の天満もある。
天満から歩き、天神橋筋六丁目で〆る。
色々な使い方の出来るいい街だ。
もっと知りたいもんだね。