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【第八回】ちょっと小腹がすいたんで。

梅田新食堂街/やきとり 大阪一 とり平総本店

2025年、大阪万博が日本にリターンすることもキマったので大阪の美味しいモノでも書いていこう。

梅田「新」食堂街といっても、70年近くの歴史があるおじいちゃんな食堂街だ。
阪急梅田駅移転や日本万国博覧会(大阪万博)の開催もあって、新梅田食道街は大盛況だったという。
あながち、今回の新大阪万博とも関係なくはない話なのである。

非常に入り組んでいて細いガード下の通路に50店舗近い飲食店が軒を揃えている。

その奥の奥にあるのがこことり平だ。

佳き佇まいである。
炭火の良い香りが通路に充満している。
良い酒飲みなら嗅覚というか感覚で「良い店めっけ」となるだろうね。

着席するなり先ずは瓶ビール。
今回はスーパードライで。
同時に「カラシ」と「おろし」が出される。

綺麗に揃えられたネタがニクい。
コイツラをしっかり焼いてくれるってわけで。

ここでイキナリキメ球を放ってくる。
「お通しの合鴨ネギ間二種」だ。

玉ねぎの挟んである皮に近い部分と正肉に近い部分の二種を出してくれるが正直これでノック・アウトした。

甘辛いタレで鴨の甘さと歯応えを引き立てた焼き。

お通しでイキナリ合鴨の焼きなんてそんな、酒進まない筈はありませんよね。

お代り可能なので(無論有料)常連さんがこのお通しを20順位して気持ち悪くなってた、なんて話も小耳に挟んだ。
そう、三代目が中心で回されてるそうだが、接客も非常に丁寧で好感がモテる。
東京から新大阪まで新幹線で移動してきたご褒美のリラックスだよねだよね。(新幹線でも思い切りリラックスしてるわけだけれども) 
こんな老舗が昼から、しかも丁寧な応対の中飲めてしまうから堪らないわけで。

顎の上げ方が高くなっちゃうし口をグラスから離さないもんだからすぐに無くなる。

よし、レモンサワーだ。

そして謎メニュー

「ネオ・ポンポン」

「ネオ・ピンピン」

「ネオ・ドンドン」

なんだかわからないが面白そうだ。
こういうのは満を持して行くしかないのであります。

ネオ・ポンポン

鶏のぼんじりだ。
(おしりをぽんぽんと叩くところからそう呼ばれているそうだ)
ここはぼんじりを雄と雌の身に分けて出してくれるのだ。
玉ねぎが挟まれてる方が雄で長ネギが雌だ。
雄の方が歯ごたえが強く噛めば噛むほど、味が染み出す系の肉だ。
一方雌のぼんじりは柔らかいの一言に尽きる。
ぼんじりだけでもこんなに違うモノなんだなぁと感心しながら卑しく右手はグラスを弄(まさぐ)る。

ネオ・ピンピン

いわゆる鶏の背肝だ。
柔らかいレバーだよ。
これが甘辛いタレに絡まるとそりゃあ酒がグイグイ進んでしまう。
焦げた部分もまた味なんだよね、焼き鳥ってのは。

ネオ・ドンドン

ハツですな。
心臓の部分。
チム(心臓)はドンドン(ドキドキ)しますな。

チムドンドン

コリコリというより柔らかくそこまで歯を入れずに頂ける。
この珍妙なメニュー名の串が鉄板の三品だと言うことはわかった。

お酒も、ネタも色々あるね。
これだけあれば十分すぎるほど。

こういう年のとり方好きよ。
このメニュー表みたいな年のとり方がイイね。

周りを観察してたら赤星もあるみたいだから赤星派のボクは勿論切り替えてニ巡目へ。

鶏の正肉


からしをたっぷりつけて頂く。
ビールを流し込む。
お連れの人との会話がより一層盛り上がる。

なんだこのビジネス・チャンス生産機は。

まぁ冗談はさておき、ランチョン・テクニックっていって美味いものを食いながら話をすると話が円滑に進むとかなんだとk━━━━そんなことはどうでもいい。
何も考えず美味いものが喰いたい。
楽しく話したい。
それだけ。

椎茸の鴨巻き

身厚の鴨に椎茸。
合わないはずはない。
こいつは塩レモンで頂く。

イグニッション。

残念ながらエンジンはかかったようだ。
ハイボールを流し込みエンジンを潤滑に回す。
美味い肴が毎皿飛んでくる。
本気にならざるを得ないわけで。

ミンチ三種

要はつくねよね。
それが野菜と一緒に焼かれてくる。

これが日によって違うのだ。
トマトだったりレンコンだったり手数が多い。

梅田駅に降り立ちここでまずアップ代わりにはじめるも良いし、中休みとして合鴨をちょいとツマミに来ても良い。
〆に来たってそりゃもうイケちゃうわけなのです。

昼飲みの聖地にして絶品な焼きと稀に見る接遇を頂ける。

東京には無いクオリティのモノでビックリしたのを覚えている。
ボクが大阪に入ったらまずは「赤星」頼んで「合鴨」で一息ついてから予定を改めて確認するね。
大阪へ出向く人も、大阪の人も是非ここのお通しを食ってぶっ飛んでくれたら有り難い。
悪い思いはさせないからさ。

営業時間

月~金
15:30~22:30

12:00~22:00
祝日
12:00~21:00

定休日
日曜日

席数
カウンター10席

備考
予約不可なので、運任せなところはあるが座れなかった試しはないので恐らく問題ないかと思われる。