フィルム撮影の仕組みとフィルムについてメモ

フィルムとフィルム撮影について調べたのでメモします。
間違っている部分などがありましたら是非ご教授ください。

参考文献についてはReferencesのところに載せています。

フィルムはフィルムでも少し映像寄りのフィルムについて扱いたいと思います。


1.1 フィルムとは


フィルムとは写真や映像を、感光材の化学反応を利用して記録するメディアです。

このような記録メディアはフィルムの他にもあります。アスファルトを感光材料にして8時間ぐらいかけて一枚の写真を撮影するものや、銀メッキにした銅板を感光材料にイメージを記録するダゲレオタイプと呼ばれるカメラがフィルムの前に開発されました。乾板と呼ばれる感光材料でガラス板写真乳剤を塗布したものなどもありました。

後に感光材料等が改良されていき、現在の写真フィルムにつながる、柔らかくて、巻き取って扱えるフィルムが出来上がりました。イーストマン・コダック社から発売されました。

画像29

参照画像
https://store.shopping.yahoo.co.jp/kodak/7452618.html

画像28

参照画像
https://lab.hendigi.com/kodak-e100vs/




映像や写真ではフィルム以外のメディアも現在は多くつかわれています、
デジタルカメラで撮られる、デジタル写真です。
デジタルカメラについては別noteでメモしましたのでぜひ。


一般にフィルムは、フィルムを実像(イメージ、実世界)に露出して感光させ、潜像を生成した後に、現像、定着、焼き付け、といったプロセスを得て写真を得れます。


単純にフィルムといっても機能によって名前と種類があります。

・モノクロフィルム
・カラーフィルム
・ネガフィルム
・リバーサルフィルム
・インスタントフィルム

モノクロフィルム
モノクローム(一つの色)のことをモノクロと呼び、単一の色彩で描かれたものを表し、白黒やその他の色彩の写真を表します。

カラーフィルム
モノクロフィルムと対照的な呼び方で、カラー写真が撮れるフィルムです。

ネガフィルム
カメラのシャッターを切って撮れた写真の色や濃度が反転しているフィルムです。なんか顔が怖く真っ暗にできあがった写真を見たことあるでしょうか。あれがネガフィルムです。これを反転させる作業を行って普通の写真(ポジフィルム)を作ります。

リバーサルフィルム
カメラのシャッターを切って撮れた写真の色がそのまま再現されるフィルムです(ポジフィルム)。デジタル写真に慣れている我々にとってはなんだか普通のように感じます。

インスタントフィルム
撮影直後に自動的に現像が行われ撮ってすぐ写真を見れるようなフィルムです。現像と呼ばれる作業がフィルムには存在しるのですがそれをしなくても写真が出来上がります。チェキみたいなものをイメージしてください。

一般には銀塩方式、銀塩写真と呼ばれるフィルムを使って撮られます。
詳細については下記で行います。


1.2 フィルムの特性


記録メディアとして

銀塩写真と呼ばれるフィルムは江戸時代のものが今も残っているなど記録メディアとして保存面においては信頼性は高いです。カビによる劣化は注意をしなくてはなりませんが。長期にわたる銀塩方式への信頼があるため、考古学の発掘現場などではいまだにフィルムカメラが重宝されているみたいです。(現在はデジタルカメラかも。)

表現として

特性曲線とよばれます。フィルム・印画紙に当たった光の量に対して、現像後どれくらいの濃度に再現されるかという関係を示したグラフです。

デジタル画像と比べると、
階調がなめらかでしっとりとした質感、シャープ過ぎない、ダイナミックレンジが広く、また明部と暗部がなめらかにロールオフする特性から、フィルムっぽい、フィルムルックとよく言われるイメージが撮れます。これは使うフィルムによってももちろん変わってきます。また色味もデジタルでは撮れないor撮りにくい色味でとれたりもできます。

画質として

フィルムで撮影された映画は今の4Kや8Kデジタル映像に変換できます。
これはフィルムが優位な部分です。ある意味記録メディアとしての意味でもいい部分だと思います。


2.1 モノクロフィルムの仕組み

モノクロ写真は単一の色彩で描かれた写真を表すので、光の強弱のみを記録できるものとしても捉えられます。

画像1

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%A0


モノクロフィルムには、ネガフィルムとモノクロリバーサルフィルムがあります。

まずモノクロ・ネガフィルムについて説明します。



カラーフィルムでは漂白の過程で銀が取り除かれるのに対して、モノクロフィルムでは銀が画像を形成する。これによってカラーフィルムでは得られない粒子感があり、これもモノクロフィルムが根強く支持される理由の一つといえる。銀粒子によるキャリエ効果があり、プリントの出来を大きく左右する。



2.2 モノクロ・ネガフィルム

感光、潜像、現像、定着、焼き付け

Negative film

溶かしたゼラチンと呼ばれる食べ物のゼリーなどにも使われるものを臭化カリウム(KBr)の溶液と硝酸銀(AgNO3)の溶液に加えて攪拌(混ぜ合わせること)すると写真乳剤となります。これをフィルムに塗ります。つまり、フィルムの薄い膜に臭化銀(AgBr)(ハロゲン化銀)の細かい粒子(直径0.0001~0.001mm)を含んだゼラチンを塗ってあります。

これに物(オブジェクト)に反射した光がレンズを通してフィルムに当たります。この光がフィルムに当たると、光のエネルギーで光化学反応が起こり、臭化銀が分解して銀の黒い粒子ができます。

ケミカルな仕組みについては下記のリンクに書かれています。


つまり光が当たったところが黒くなっていきます。

フィルムに当たる光はわずかなため、生成する銀もわずかです。そのため直接そのフィルムを目で認識できるようなはっきりとした像はできません。この像(イメージ)を潜像といいます。

この潜像を印画紙にプリントできるようにするまで明瞭に浮かび上がらせる作業が現像です。

現像は生成した銀の周りの未反応の臭化銀をさらに分解して銀量を100万倍 ~ 1000万倍に増やします。アルカリ性溶液中でハイドロキノンなどの還元剤をつかいます。この反応は銀が反応を促進する働きをします。そのため光によって銀がたくさんある部分の反応が早く進み、銀が増えて黒くなります。

この反応を長時間を行うと、銀が生じていない部分の臭化銀も分解されて生きてフィルム全体が真っ黒になってしまいます。

そこで現像が適度に進んだところで酢酸溶液を加え中和して反応を停止させます。
光が当たらなかった部分には臭化銀が残っています。また光が当たったところにも未反応の臭化銀が残っています。これに光が当たるとまた反応が始まり分解され銀ができあがってしまい、フィルムが真っ黒になるため
残っている臭化銀をチオ硫酸ナトリウム(ハイポ)というもので溶かして除去します。この作業が定着です。

定着が済んだフィルムは水洗し、乾燥させます。

ご想像の通り、光が当たると黒くなってしまうので、
現像から定着までは暗室で行います。
定着が済んだらフィルムをあ明るい所に持ち出すことができます。

こうしてフィルム上に光が当たったところ銀が出来上がり、黒くなり
光が当たらなかったところは臭化銀が除去されて透明になります。
これがネガフィルムです。

画像2

参照画像
https://dowjow.com/studio/2009/12/04/post_9/


これをどのように普通の写真のようにしているのでしょうか?

ネガフィルムを映写機のような光がでる装置に装着してフィルムの像を印画紙上に拡大し、その像を印画紙に焼き付けることにより写真ができます。この作業を引き延ばしといいます。

画像3

参照画像
https://optica.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/3-e43b.html


ネガフィルム上で黒くなった部分は光を通しません。逆に透明になっているところは光を通します。

印画紙にもフィルムと同様に臭化銀が塗られています。印画紙は光が当たっと頃が黒くなり、当たらなかったところが白くなるので
ネガフィルムで引き延ばしを行ったときにネガフィルムの黒い分が印画紙上で白くなり、ネガフィルムの透明な部分が印画紙上では黒くなります。

こうしてネガフィルムを反転した像が印画紙にできます。
これをネガフィルム同様に現像、停止、定着、水洗、乾燥という作業を行って写真が出来上がります。




2.3 感光と暗室


先ほども説明した通り、作業するためには光が当たっては困ります。

暗い部屋で作業を行わなければなりません。
暗室、現像室と呼ばれる暗い部屋があります。
ただ人間真っ暗だと何も見えません。これでは単純に見えないので作業できません。セーライトと呼ばれる照明をつけて暗室では作業をします。
実特定の波長域の光にしか感光せず、それ以外の波長の光をセーフライトとして用いることができます。感光に用いる写真乳剤によって感光波長域は異なります。赤い光の下で作業するのはモノクロ印画紙用のセーフライトです。


感光において、紫から赤色のほぼ可視光すべてに感光する性質をもつフィルムをパンクロマチックフィルム(Panchromatic)といい、
青と緑に限られ赤に対しては感度を持たないものをオルソクロマチックフィルム(Orthochromatic)といいます。
オルソクロマチックの方が歴史的に先に開発されました。

青色光のみに感光するものをレギュラーといいます。オルソパンクロマチックというオルソとパンクロの中間の感色性を持つものもある。

オルソクロマチックは赤色には反応できないということで肌の色が少し暗く映ります。初期のモノクロ映画では、人間の肌位の色を適正な灰色として見せるために、青とか、黄色のメイクで調整していたみたいです。逆に赤い口紅が黒く強調されるのでドラマチックなコントラストをつくれたりもしました。

パンクロマチックでオルソクロマチックのように口紅を黒く目立たせる方法はグリーンフィルターを使う方法です。グリーフィルターを通すとミドリイガイの光が減少します。結果に補色の赤色が黒くなることになります。


赤いセーフライトで作業するのはオルソクロマチックということです。
逆にパンクロマチックの場合、暗闇、全暗で現像を行わなければならないか、
パンクロ印画紙では暗緑色のセーフグラスを使用する場合もある。カラー印画紙用のセーフグラスはモノクロ印画紙用よりも明るさが暗く、作業性は落ちます。


2.4 モノクロ・リバーサルフィルム

リバーサルフィルムは反転フィルムとも呼ばれます。

Reversal film , transparency film

現像の過程において露光、第一現像後、反転現像という作業によって普通の画像、ポジ画像(陽画)を得る構造を持つフィルムです。

ネガフィルムと最初の現像までは同じ工程です。(定着までは行いません。)
光が当たった部分のハロゲン化銀を銀に還元した(第一現像)状態では、光が当たらなった未露光部には、また光を感じるハロゲン化銀が残っています。水洗で第一現像液を除去します。全暗室で行います。

漂白という金属銀がかたちづくるネガ画像を溶解します、残留したハロゲン化銀には影響は及ぼさないです。全暗室で行います。水洗で漂白液を除去します。全暗室で行います。洗浄で水洗で落とせなった漂白液を完全に除去し、第二現像に備えます。

第二現像で再露光(カブリ処理、fogging)で感光したハロゲン化銀を金属銀に還元してポジ画像を起こします。水洗で第二現像液を除去します。

ここまで来て定着で感光しなかったハロゲン化銀を除去します。
最終水洗で定着液を除去して、乾燥させます。

こうして出来上がったフィルムはネガフィルムと違い、
色が反転していなくて、そのまま見ることができます。

ネガはネガフィルムからプリントすることで写真を見ることができるが、
リバーサルフィルム(ポジフィルム)はフィルムのまま写真を視聴することができます。裏からライトボックス等で照らしてフィルムを眺めて楽しんだりもします、スライドフィルムと呼ばれたりもします。リバーサルフィルムもプリントすることはできます



3.1 カラーフィルムの仕組み


モノクロのような光の強弱を写真にする技術は出来上がりました。
これをいわゆるカラー写真にする方法を次は考え始めました。

物理学者のマクスウェル(電磁気で有名な)によるカラー写真の始めの実験として、モノクロネガフィルムの前にR/G/Bのフィルタを置いて赤色、緑色、青色光で観光したネガフィルムを作ります。
出来上がったネガフィルムに引き延ばし同様に光を当て、通過した光をR/G/Bのフィルタに通します。それを重ねることでカラー画像を作るという方法です。ですがカラー画像が映し出されはしますが、それが写真という形で保存できるというわけではありません。このアイディアの方法を加色法と呼ばれます。マクスウェルによるタータンリボンの写真。

画像5

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB


フランスのオーロンによるC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)の三原色を利用した、現在の銀塩カラー写真の原理となっている減色法という方法がでてきました。

カラーフィルムにも、ネガフィルムとリバーサルフィルムがあります。



3.2 カラー・ネガフィルム


カラー用のネガフィルムです。
モノクロのネガフィルムでは単色の光の強弱しか記録ができなかったため、上記で説明したRGBやCMYに関わる色光の光の強弱を記録する方法を考えました。

カラーフィルムの構造は青色感光層、緑色感光層、赤色感光層と緑色と赤色感光層に青色光が入るのを防ぐイエローフィルターの4層からなります。

感光層にはそれぞれの色を感じる感光色素と呼ばれる色素カプラーという薬品がハロゲン化銀が含まれているゼラチンに加えられています。

画像6

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml

画像5

参照画像
https://optica.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/5-4a32.html

カメラのシャッターを切ると、レンズから入ってきた光がフィルムに当たります。青い光は、青い光を吸収する青色感光層に、緑色の光は緑色感光層に、赤色の光は赤色感光層に吸収されます。それぞれの感光色素は近くのハロゲン化銀にエネルギーを与え、還元されて銀になります。こうして潜像が出来上がります。


潜像に対して、発色現像という現像を行います。
発色現像液は潜像でできた少量の銀の近くの未露光のハロゲン化銀を銀に変えます。そのとき現像主薬は酸化されます。酸化された現像主薬は各色素カプラーと反応して、銀の周囲に色素雲(色素画像)を形成します。

現像の段階でそれぞれの色素カプラーが反応して青色では黄色の色素、緑色ではマゼンタの色素、赤色ではシアンの色素が出来上がります。

画像9

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml

画像7

参照画像
http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q23.html


次に漂白という工程を行います。
漂白液は、発色現像液の働きを止めて、銀をハロゲン化銀に戻します。
次の段階の定着の工程で色素以外を除去したいので一度ハロゲン化銀に戻します。未露光のハロゲン化銀には何も変化貼りません。
もちろんまだハロゲン化銀が残っているので、光をあてると観光してしまいます。

画像10

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml


水洗後、
定着という工程を行います。
定着では全てのハロゲン化銀を可溶性の銀化合物に変わります。可溶性の銀化合物は定着液によりフィルム中から取り出されて色素雲(色素画像)だけが残ります。うまく定着が機能するとフィルム中からハロゲン化銀がなくなります。そのため感光は行われなくなります。

画像11

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml


水洗後、
安定という工程を行います。
色素を安定し、残っている色素カプラーが変色しないようにします。さらにフィルム表面を均一に覆い水滴ができないようにします。(乾燥ムラ防止)

画像12

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml

乾燥させて

こうすることで色が反転されたカラーのネガフィルムが出来上がります。

画像8

参照画像
https://www.alexburkephoto.com/blog/2019/10/16/manual-inversion-of-color-negative-film

画像13

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%A0


このままではモノクロネガフィルム同様、写真として普通の鑑賞できないためプリント(焼き付け)しなければなりません。

まずネガフィルム同様にプリントするカラーパーパーにも感光層があり、ペーパー支持体の上に塗布されています。
上から赤色感光層、緑色感光層、青色感光層とフィルムとは逆順に配置されています。ペーパーの各層には露光された時に画像を記録するための感光性ハロゲン化銀結晶がゼラチン中にあります。

画像14

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml


モノクロネガフィルム同様にペーパーを露光します。
ネガフィルムを通して光がペーパーへ露光します。ネガのシアンの部分を通った光はペーパーの緑色感光層と青色感光層のハロゲン化銀結晶に当たります。同様にイエローは赤感光層と緑感光層、マゼンタは赤色感光層、青色感光層に当たります。こうしてペーパーに潜像が出来上がります。

画像15

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml

ネガフィルム同様に発色現像を行います。
潜像で銀となった近くのハロゲン化銀が銀に変わり、現像主薬は酸化されます。酸化れた現像主薬は周囲の色素カプラーと反応して色素雲(色素画像)を作ります。

画像16

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml

ペーパーの現像処理では漂白定着という漂白と定着を一つの工程で行います。発色現像の反応を止め、銀をハロゲン化銀に戻し、ハロゲン化銀を可溶性の銀化合物に変え、可溶性銀化合物をペーパーから取り除きます。

画像17

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml

漂白定着後のペーパーには色素カプラーと色素雲だけが残り、安定を行います。安定液は、残留している薬品を取り除き色素の安定性を向上させます。

画像18

参照画像
http://www.grace-mpm.com/sien/common/quality/light_color8.shtml


こうしてプリントが出来上がります。



3.3 カラー・リバーサルフィルム


モノクロフィルム同様にポジフィルムが出来上がるカラーフィルムです。


画像20

画像19

参照画像
https://dowjow.com/studio/2009/01/21/post/

カラーリバーサルフィルムとカラーネガフィルムは基本的な構造は一緒です。感光乳剤が塗布されています。


まず第一現像(モノクロ現像)と呼ばれる現像を行います。
モノクロリバーサルフィルムと同様で、感光した潜像に対し、現像液で潜像で感光されたハロゲン化銀を銀へ変えて黒くしていきます。
モノクロネガフィルム用の現像液と近似の現像液を用いられます。この段階ではモノクロネガフィルムみたいに光が当たった部分が黒くなっています。

次に、反転現像と呼ばれる、第一現像で現像されなかった部分を反応させるための処理が行われます。fogging(カブリ)という。昔は第二露光と言って、感光させることにより行われていたが、露光村を防ぐため現在ではこのプロセスも薬品浴で行います。
こうすることで第一現像で金属銀が生じた部分以外に、観光した潜像が生じます。この現像が発生した部分に対して行うのが発色現像であります。以下の処理はネガカラーフィルムと同じになります。現在はfoggingと発色現像を同時に行うように改良されています。

発色現像で酸化発色で色素が形成されて、終了後定着を行い、第一現像で生じた金属銀と二次感光で発生した潜像の金属銀を漂白で溶かし、洗浄すると透明ポジ画像が形成されます。

画像21

参照画像
https://dowjow.com/studio/2009/01/21/post/



内式と外式

カラーリバーサルフィルムには感光乳剤中に色素を形成するカプラーを混入したものと、発色現像中にカプラーを混入させて処理するものがあり、前者を「内式」、後者を「外式」と呼ぶ。

外式の方が耐変色性に優れるが、フィルム現像は内式よりも複雑で、3色分の感光乳剤層を個別に二次露光と現像をするため機械の制度や技術者の熟練が必要とされ、限られた現像所でしか処理ができない。




4.1 クロス現像


クロスプロセスとも呼ばれる。
Cross processing , Xpro

特にカラーの現像処理において、
リバーサルフィルムをネガ現像の工程で、
ネガフィルムをリバーサル現像の工程
などの現像を行う手法のことを言う。

色合いやコントラストが本来と異なる像として現れることを意図してする手法である。

白黒ネガフィルムを白黒リバーサル現像することはカラーの場合ほど特殊な意味はないので、特にクロス現像とよぶことはあまりない。


画像22

画像23

画像24

参照画像
https://www.lomography.jp/about/faq/2503

画像25

画像26

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E7%8F%BE%E5%83%8F

ネガフィルムは「C-41」という現像液で処理されます。
リバーサルフィルムは通常「E-6」とよばれるリバーサルフィルム用の現像液で処理されます。
クロスプロセスをする場合はリバーサルフィルムを「C-41」で処理するのがです。



4.2 ネガフィルムとリバーサルフィルム

ネガフィルムとリバーサルフィルムの違いについてです。

ダイナミックレンジ、ラチチュード

リバーサルフィルムの方がラチチュードが狭いです。狭い範囲の光しか記録できません。

色味

リバーサルフィルムの方が彩度が高いような色を出します。
ネガフィルムはどちらかというと彩度の低いような色を出します。

金額

リバーサルフィルムの方が値段が高いです。ネガフィルムの方が安く手に入ります。




4.3 フィルムと色温度

カラーフィルムには太陽光およびフラッシュ高原で撮影することを前提に作られたデイライトフィルムとタングステン光源で撮影するように作られたタングステンフィルムが存在する。リバーサルとネガフィルムにも存在するが、ネガフィルムには極めて少数しか存在しない。

デイライトフィルムは色温度5500K , タングステンフィルムは色温度3200K前後の光源が基準の色再現設計となっている。

フィルムにDという名前がついていたらデイライトフィルム、
ABという名前がついていたらタングステンフィルムを表す



4.4 カメラとフィルム装填


ネガフィルムやリバーサルフィルムでの仕組みについてを話した時にも頻繁にできてきたが、フィルムはハロゲン化銀がついているときは、感光します。
つまり、カメラにフィルムを装填するときにも感光してしまう恐れがあります。暗室のような真っ暗な状況で装填するか、ダークバックなどと呼ばれる黒い布の中で手探りで光が当たらないように装填する必要があります。

フィルムを装填するだけでもテクニックが必要で練習が必要となります。

一眼レフのような写真用のフィルムでは、ダークバックに入れるなどの作業は必要が無かったりもします。感光しないようなフィルムの収納がされています。

カメラによっても装填の仕方が違うので、練習が必要となります。


5.1 インスタントフィルム

Instant film

撮影直後に自動的に現像を行う写真フィルムのことである。

インスタントフィルムで撮影できるカメラをインスタントカメラと呼ぶ。
撮ったその場で写真を見ることができるという最大のメリットだが、デジタル写真はその特徴を持っている。

インスタントカメラをポラロイドカメラとも呼ぶことがある。

インスタックスチェキなどがこれに当たる。

画像29

参照画像
https://www.amazon.co.jp/FUJIFILM-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9-instax-mini8%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9-%E6%8E%A5%E5%86%99%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%BB%E7%B4%94%E6%AD%A3%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97%E4%BB%98%E3%81%8D/dp/B014CGOM4M

画像30

参照画像
https://www.fujifilm.com/jp/ja/consumer/instax/films#frame20




6.1 写真フィルム


ロールフィルムとシートフィルム

ロールフィルムは軸に巻き付けた帯状の写真フィルムの総称で、
対してシートフィルムは1枚分ごとにカットしてある写真フィルムのこと。

一眼レフカメラとかに装填するフィルムがだいたいロールフィルムで、
カメラへの一回の装填で複数枚の写真撮影が可能です。
コダックが定めたおもなロールフィルム番号があり、wikipediaに一覧として乗っています。


画像31

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%99%E7%9C%9F%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%A0


大判カメラなどに使われるフィルムがシートフィルムと呼ばれる。
1枚ずつ撮影するものなので、1枚撮影するごとにすぐ現像できる。
ロールフィルムと比べて、撮像面積が大きいので画質が優れている。
フィルムホルダーへの装填にテクニックが必要で失敗の可能性があったり、撮影一コマ当たりの金銭的コストが高い、連射性に劣るなどの欠点がある。
事前に暗室でフィルムホルダーに入れて、フィルムホルダーをカメラに装填するカットフィルムと一枚ずつパケットに装填済みで明室で扱うことができるパケットフィルムという二種類がある。

画像33

参照画像
https://blog.goo.ne.jp/tipa-c/e/8de9d9d49caf69db36221d6faa792beb

画像33

参照画像
https://pixta.jp/tags/%E5%A4%A7%E5%88%A4%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%20%E3%82%B7%E3%83%8E%E3%82%B4




6.2 写真フィルムサイズ

規格別に様々な大きさの写真用フィルムが存在する。
フィルムの大きさによって、装填できるカメラも変わってくる。

規格別の一覧がwikipediaに乗っている。

大判カメラのフィルムとして
4x5inは ”シノゴ” と呼ばれているシートフィルムのサイズ。
5x7inは "ゴヒチ" 8x10inは "エイトバイテン"、"バイテン"
11x14inは "イレブンフォーティーン"と呼ばれている。


35mmフィルム
映像用としても使われるが、スチール(写真)用としても使われるサイズ。
現在世界的に最も広く使われている写真フィルムサイズ。



6.3 映像フィルム

原理的には写真フィルムを長くして、連続的に撮影できるようにしたフィルムのこと。
最終的にポジ画像フィルムとしたものを映写機のような断続的な光を投影して映画のスクリーン上に動画を映写するまでのフィルムの総称でもある。
音声も同時に収録するためのフィルムが存在する。

撮影用フィルム(カメラフィルム)プリントフィルムラボフィルムという使い方によって三種類に分けれる。

撮影用フィルム(カメラフィルム)
映画用のカメラに装填されるフィルムでネガフィルムとリバサールフィルム(ポジフィルム)に大別され、環境や効果によって種類がある。ニュースなどの迅速性が求められる映像でフィルムを複製(デュープ)しない場合はリバーサルフィルムが使われ、映画などデュープや画像を加工する場合はネガが多用される。
また音声収録も同時に行えるフィルムもある。

プリントフィルム
映画を上映する際に映写機に使用されるフィルムで、編集済みのフィルムからさらに複数のデュープを経て量産されるポジフィルム。
何度もデュープが繰り返されたフィルム他の目、画質はマスターフィルムに比べると劣る、過程で傷やブレ、ゴミなどが入りやすい。何度も巻き出しと巻き取りを繰り返すため、フィルムそのものの破損を予防するために、パーフォレーション(穿孔穴)と呼ばれるフィルムの縁に空いている穴の精度も求められる。

ラボフィルム
撮影用のフィルムの画像をプリントフィルムにデュープする工程で使用されるフィルムで、摺動などから起こりうる損傷から撮影用フィルムを防ぐ「インターメディエイトフィルム」や、タイトルロゴや特殊効果を加えるために挟み込んで使用するフィルムなどがこれに当たるフィルム。


またフィルムによる音声収録には、光学式とで磁気式が存在する。


画像34

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/16mm%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%A0

画像35

参照画像
https://www.pronews.jp/special/20190130101138.html


6.4 映像フィルムサイズ


映像用のフィルムサイズがいくつかある。

8mmや16mm、35mm IMAX65mmなどなどたくさんある。

フィルムサイズによる規格についての一覧がwikipediaに乗っている。




6.5 フィルムと映像フォーマット


8mmフィルム

8mmはアマチュア用の映画の規格と位置付けられており、フィルムの使用量の削減が重要であったことから、リバーサルフィルムが多く用いられていた。ネガフィルムを使うと、反転させた上映用のプリントも必要となりフィルムの使用量が二倍になり、コストがかかるためだ。

基本1フレーム辺り、1パーフォレーションとなっている。

シングル8 / Single-8mm Film
フィルム片側に、フィルムの走行方向と平行に連続してパーフォレーションが開けられている。
フィルム自体はスーパー8と同じ形で、同じ映写機で上映できる。
撮影前のフィルムが入っているマガジンの形が違うため、使用するカメラが異なる。シングル8は富士フィルムが製造した。

スーパー8 /  Super 8mm Film
フィルム片側に、フィルムの走行方向と平行に連続してパーフォレーションが開けられている。
フィルム自体はシングル8と同じ形で、同じ映写機で上映できる。
撮影前のフィルムが入っているマガジンの形が違うため、使用するカメラが異なる。スーパー8はコダックが製造した。スーパー8は国内に現像してくれるところはないらしい。
ダブル8の改良版として発売された。
ダブル8と違う点はパーフォレーションを小さくし、その分画像面積を約1.5倍に拡大、また16コマ/secが標準であったフィルム走行速度を18コマ/secと速めた。さらに高級機種においては24コマ/secという商業映画と同じ撮影・映写を可能とした。
また日中でもフィルムのカブリや観光をおそれることなく、カメラにフィルムを装填できる。

ダブル8 (レギュラー8,スタンダード8、ノーマル8、シネコダック8)
Double - 8 / Regular-8 / Standard 8 / Normal-8 / Cine-Kodak 8
フィルム片側に、フィルムの走行方向と垂直に連続してパーフォレーションが開けられている。
このためシングル8やスーパー8に比べて画面が小さくなる。
スーパー8やシングル8規格が登場する以前から存在した、8mm幅の上映用フィルムを用いる小型映画規格のレトロニム。
コダックが開発して、16mm(シネコダック)よりも安価かつポータブルな規格として発表当初はシネコダック8と呼ばれた。
単に8mmフィルムと呼ばれた。
撮影用には、特殊な16mmフィルムを使用し、左右片側ずつを撮影し、現像後に立てに分割して、上映用の8mmフィルムをとる方式。撮影用の生フィルムは16mmフィルムの両サイドに沿ってパーフォーレーションが開けられている。

画像36

ダブル8とスーパー8の違い。右側のように16mmフィルムに2つのタイムラインを撮影し、現像後に分離するのがダブル8である。
参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AB8



16mmフィルム

ニュース映画やドキュメンタリー映画の取材・テレビ番組、テレビCMノオクリダシ、ハイアマチュアの自主映画制作・小規模上映などの用途に使われた。編集を前提とする用途であったため、基本的ンはネガフィルムでありその後反転焼き付けをして上映用フィルムを得た。

基本フィルム走行方向に平行に連続して開けられている。フィルムの両側に開けられた両目(ダブルパーフォレーション、 Standard 16mm)とフィルムの片側に開けられた片目(シングルパーフォレーション、スーパー16mm)がある。
1フレームあたり1パーフォレーションとなっている。

16mm / Standard 16mm Film
アスペクト比 - 1.33
35mmアカデミー・フォーマット・プリントを作成する時の拡大率 - 4.58倍
撮影 - 10.26×7.49mm
投影 - アスペクト比1.33のフルフレーム時9.6×7.01mm、アスペクト比1.85時9.6×5.2mm
TVステーション - 9.65×7.26mm
TVトランスミッション - 9.34×7.01mm
TVセーフ・アクション - 8.4×6.29mm(コーナーφ1.67mm)
TVセーフ・タイトル - 7.44×5.61mm(コーナーφ1.47mm)
1フレームにつき1パーフォレーション

スーパー16 / Super 16 mm
16ミリフィルムの映像記録部分を音声トラック部分にまで広げ、画角を広げている。その画角はほぼビスタサイズであり、そのままハイビジョン対応のテレシネにかけたりすることができる。
アスペクト比1.66
撮影 - 12.52×7.41mm
投影 - アスペクト比1.66のフルフレーム時11.76×7.08mm、アスペクト比1.85時11.76×6.37mm
1フレームにつき1パーフォレーション

ウルトラ16 / Ultra 16 mm
アスペクト比1.89
撮影 - 11.66×7.49mm
投影 - 11.66×6.15mm
1フレームにつき1パーフォレーション


画像38

画像39

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/16mm%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%A0

画像41

参照画像
https://noamkroll.com/super-16mm-vs-ultra-16mm-why-im-converting-my-arri-sr-ii-to-ultra/




35mm フィルム

フィルム走行方向に、フィルム両側に平行に連続しパーフォレーションが開けられている。
最も代表的な撮影方法で映画黎明期から用いられてきました。
世界最初の映画システムであるトーマス・エジソンのキネトグラフ/キネトスコープ,リュミエール兄弟のシネマトグラフともに採用していた。


35mmスタンダード / Standard 35mm film
アスペクト1.33 : 1(1.375 : 1)
1フレームあたり4パーフォレーション
エジソンが採用した横縦比は1.33:1(4:3)で、以来サイレント映画時代は1.33:1だった。トーキー映画の出現で一時期サウンドトラックによって画面が削られたため1.19:1なども使われたが1932年に映画芸術科学アカデミーによって1.375:1(4.135:3)に定められ、これが標準となった。そのためアメリカではアカデミー比(Academy ratio)と呼ばれる。IMAX映画では1.33:1を採用している。(アナログ)テレビ放送の標準画面は1.33:1(4:3)である。


画像58

参照画像
https://www.pronews.jp/special/20190308150010.html



スーパー35mm / Super 35mm FIlm
サウンドトラックをとらない撮影専用。
1フレームあたり4パーフォレーション


スーパー35では撮影時にそのサウンドトラック部分まで使い、大きな映像で撮影する。
その後、上下をトリミングしてアナモルフィックレンズを使い左右を圧縮して上映用プリントを作成する
35ミリに焼き付ける前の段階まではアナモルフィックレンズ特有の歪曲収差が出ないので、それ以前のマスターポジやネガフィルムまで還ってコンピューター処理でスコープを得てビデオ化された製品では歪曲収差が出ない。
つまりフィルムはスーパー35mmフォーマットで撮影されるが、その後光学的、デジタル的中間処理を得て標準フォーマットの何かに変換されて上映される。



35mmフィルムのサウンドトラック領域まで目いっぱい使って撮影。
同じ長さのフィルムで33%長い時間撮影できる方式。

4パーフを使用した場合、スーパー35のカメラ開口部は24.89mm×18.66mm(0.980mm×0.735インチ)となり、標準的なアカデミー35mmフィルムのサイズが21.95mm×16.00mm(0.864mm×0.630インチ)であるのに対し、標準的な35mmフォーマットよりも32%の画像面積を確保することができます。4パーフスーパー35とは、簡単に言えば、35ミリ無声映画で使われていた本来のフレームサイズのことである。つまり、サウンドトラックのためのスペースを確保するためにフレームサイズをトリミングする前のフィルムストックの使用方法に戻ったものです。

画像49

参照画像
https://wolfcrow.com/what-is-the-35mm-equivalent-and-why-is-it-confusing/


撮影段階からTVサイズでの収録も考慮した制作が行われるようになった。その中で生まれたのが本方式。

上映時には上下をカットしてシネマスコープ方式のマスターを作成するか、
上下左右をカットしてTVサイズのマスターを作成する。

画像47

参照画像
http://www5a.biglobe.ne.jp/~s_ken1/michinoku/a_v/word/cinema_screen.htm?fbclid=IwAR1ZjY6wZcq-sGUx2kCcQSfJuKcUdJPFC0IfHmcM2Anclc_vDoJlFoMnSK8

画像50

参照画像
https://en.wikipedia.org/wiki/Super_35


現在はデジタルカメラのセンサーサイズとしてもSuper 35mmというサイズがある。



シネマスコープ / CinemaScope
1フレームあたり4パーフォレーション
20世紀フォックス社開発

フィルムは従来の35mmを使用。撮影の際に横方向に映像を圧縮するアナモフィック・レンズを用い、縦伸びの映像としてプリント。上映の際に、同様にアナモフィック・レンズを通して左右伸長し、元の横長の映像にして映写する。
1.37:1のアス比でフィルムに記録し、アス比は2.35 : 1。

当初は横方向だけとは言え引き伸ばして映写するため、映像の粗が指摘されたが、技術の発達に伴いフィルムの質も向上し、十分遜色ない映像が可能となっている。
もともとは光学サウンドトラックを用いず、パーフォレーションの外側に記録された磁気サウンドトラックで4トラックサラウンドでの上映されることが前提だった。光学サウンドトラックは省略されていたために2.66:1の縦横比となった後、光学サウンドトラックが追加され、縦横比が2.35:1に変更された。

画像51

参照画像
http://www5a.biglobe.ne.jp/~s_ken1/michinoku/a_v/word/cinema_screen.htm?fbclid=IwAR1ZjY6wZcq-sGUx2kCcQSfJuKcUdJPFC0IfHmcM2Anclc_vDoJlFoMnSK8



ワイドスクリーン / Wide Screen
1フレームあたり4パーフォレーション

映画では、ワイドスクリーン映画とは、35mmフィルムの標準的な1.37:1のアカデミーアスペクト比よりも大きい幅対高さのアスペクト比を持つ映画画像のことを指します。

テレビでは、放送のための元の画面比率は、フルスクリーン4:3(1.33:1)であった。主に1990年代と2000年代初頭の間に、様々な国で様々なペースで、16:9(1.78:1)のワイドスクリーンテレビディスプレイがますます一般的に使用されるようになりました。



ビスタビジョン / Vista Vision 
1フレームあたり8パーフォレーション
パラマウント社によって20世紀フォックス社のシネマスコープと対抗してつくられた。
従来の35mmフィルムを横方向に流すカメラを用いる。
スタンダードサイズの2倍以上の画面面積を使って撮影し、上映用プリントを作成する際には縦駆動のポジフィルムに縮小焼きつけする。
その際、スタンダードサイズの画面にレターボックス状態で焼付け横長の画面を得る。スタンダードの2倍の面積の画像を縮小することで鮮明な画質を得られる。が、1961年以降はフィルムの性能が向上したために撮影時にフレームを確認しながらポスト処理でマスキングする方式に移行した。

画像45

参照画像
https://en.wikipedia.org/wiki/VistaVision

現在はフィルムの質も十分なため、今まで通りに35mmフィルムに撮影し、上映の際に(または撮影、編集の段階から)画面の上下をマスクしてワイドスクリーンにする方法が一般的である。

画像45

参照画像
http://www5a.biglobe.ne.jp/~s_ken1/michinoku/a_v/word/cinema_screen.htm?fbclid=IwAR1ZjY6wZcq-sGUx2kCcQSfJuKcUdJPFC0IfHmcM2Anclc_vDoJlFoMnSK8

ヨーロッパビスタ(1.66:1)アメリカンビスタ(1.85:1)との2種類がある。日本映画においては、アメリカンビスタサイズが用いられることが多い。




テクニスコープ / Techniscope
フィルム節約用特殊フォーマット
35mmフィルムを縦に流して撮影し、2パーフォレーション、24fps
22 mm x 9.47 mm
フィルムアスペクト比率: 2.33:1
プリントアスペクト比率 2.39:1 (2.35:1 prior to 1970 SMPTE revision)

スタンダードサイズのフレームを上下に分割して横長のネガを撮影し上映プリント作成時に左右を圧縮して焼き付け、シネマスコープ同様に上映し横長画像を得る。
撮影用ネガを節約できて、記録映画を中心に用いられた。収録面積が少ないため画質は悪い。

画像52

参照画像
https://en.wikipedia.org/wiki/Techniscope



テクニラマ / Technirama / スーパーテクニラマ70 / Super Technirama 70
1フレームあたり8パーフォレーション、24fps
38 mm × 25.2 mm
アナモルフィックパワー : 1.5
アスペクト比率 : 2.35:1 (プリント) 2.25:1 (ネガフィルム)
テクニカラー社が開発した。横駆動のテクニラマのカメラにアナモルフィックレンズをつけて35mmフィルムで撮影し、シネマスコープ(2.35 : 1)に伸ばす。

スーパーテクニラマ70は、70mmフィルム, 5パーフォレーションのフィルムに焼き付ける方式。

現在はあまり使われてない。
日本ではテクニラマカメラが使えず、パラマウント社から購入したビスタビジョンカメラで代用した。


画像43

参照画像
https://en.wikipedia.org/wiki/Technirama




画像42

参照画像
https://en.wikipedia.org/wiki/Super_35


画像46

参照画像
https://en.wikipedia.org/wiki/35_mm_movie_film



3-Perf

パーフォレーションの数が3になっており、4パーフォレーションよりも1パーフォレーション分、つまり使用量を25%抑えれるフィルム。
経済的な選択肢。

画像59

画像60

参照画像
https://www.pronews.jp/special/20190308150010.html


70mmフィルム
65mm フィルム


フィルム走行方向に、フィルム両側に平行に連続してパーフォレーションをあけられている。
1フレーム辺り5パーフォレーション
通常の映画用35mmフィルムの規格より高品質とされている。
写真用は65mmフィルムが使用されており、
映像用は6つのサウンドトラックを収容するためにパーフォレーションの外側に設けられた磁気式のストリップの分だけ、各端2.5mmずつ広くなっている。
実質映像部分はは65mmフィルムということになる。

アスペクト比が1 : 2.20
70mmフィルムを扱うことのできない映画館は、いったん35mmフィルムに移してシネマスコープ/パナビジョンのアスペクト比2.35 : 1に直してから公開する。

画像54

参照画像
http://www5a.biglobe.ne.jp/~s_ken1/michinoku/a_v/word/cinema_screen.htm?fbclid=IwAR1ZjY6wZcq-sGUx2kCcQSfJuKcUdJPFC0IfHmcM2Anclc_vDoJlFoMnSK8


画像57

参照画像
http://www.jgss.jp/pop.html


スーパー・パナビジョン70 / Super Panavision 70

横長の画像をそのまま撮影するする。

アスペクト比率2.20 : 1

ウルトラ・パナビジョン70 / Ultra Panavision 70

アナモルフィックレンズを使った撮影方法。
上映時にもアナモルフィックレンズを使って圧縮された画像を戻す。

アスペクト比率 1 : 2.75
シネマスコープより横長


IMAXフィルム

通常の映画で使用されるフィルムよりも大きなサイズの映像を記録・上映出来るシステム。IMAXフォーマットで撮影され上映される作品もあるが、通常の映画作品をアップコンバートし、IMAX用の映画館(IMAXシアター)で上映することもある。
1フレーム約3倍精細化させたのがIMAX15/70


IMAX15/70
70mmフィルムを水平方向に送ることで、1コマに使うフィルムの面積を通常の映画より広くし、高精細度の映像が得れるようにしたシステム。
70mm幅を映像の垂直方向に使い、水平方向には15パーフォレーション分のフィルムを使う。

高価な70mmフィルムを大量に使用し、カメラのレンタル料も高額なので制作費が多くかかってしまう。また、撮影素子(フィルム面積)が非常に大きいため、フォーカスの合う範囲が非常に狭く、セッティング、撮影に時間がかかってしまう。

画像53

参照画像
https://ja.wikipedia.org/wiki/IMAX#IMAX15/70

画像55

参照画像
https://filmaga.filmarks.com/articles/108/


画像56

参照画像
https://filmaga.filmarks.com/articles/108/


国内にはIMAX 70mmフィルムで上映できる映画館はない。
海外では対応映画館が存在する。



現在はデジタル化されたIMAXデジタルシアターという規格がある。




画像40

参照画像
https://www.j-sky-film.net/images/sensor-size.pdf

画像37


参照画像
http://www.biogon.co.jp/blog/2013/11/141000.html







6.6 フィルムタイプナンバー

フィルムの種類を表すナンバー

画像61

参照画像
https://www.pronews.jp/special/20190130101138.html


コダック映画用制作総合カタログ



6.7 エマルジョナンバー

フィルムの乳剤番号(生産ロット)によって色調は若干異なることがあり、また現像液の温度、発泡状態によっても異なる。(朝一番か夕方かなど)これらの実情からプロラボではフィルム乳剤番号とそのプロラボで処理した場合どれくらい発色の偏りが出るかを記した情報エマルジョンニュースを出している。

映画撮影などのたくさんのフィルムを使う撮影では、同じシーンや映画内での色味や質感などを統一したいと考えることが多い。そのため同じエマルジョナンバーのフィルムを取り寄せて購入し、それを撮影時に使うこととなる。










References


モノクロフィルム - Wikipedia

リバーサルフィルム - Wikipedia

写真フィルム - Wikipedia

フィルム - Wikipedia

映画用カメラ - Wikipedia

[Film Shooting Rhapsody]Vol.01 アナタがフィルムで撮影できない理由とは? - PRONEWS


[Film Shooting Rhapsody]Vol.02 なぜフィルムが選ばれるのか? - PRONEWS

[Film Shooting Rhapsody]Vol.03 知っておきたいフィルムの知識 - PRONEWS

[Film Shooting Rhapsody]Vol.04 フィルムの需要からアドバンテージ、コストを抑える知識などについてコダックに聞く - PRONEWS

[Film Shooting Rhapsody]Vol.05 日本映画のフィルム現像を支える「IMAGICA Lab.」探訪〜フィルムが映像になるまで - PRONEWS

[Film Shooting Rhapsody]Vol.06 IMAGICA Lab.インタビュー。独特の緊張感や魅力を持つフィルム撮影という選択肢を今後も残していきたい - PRONEWS

[Film Shooting Rhapsody]Vol.07 日本のフィルム現像の灯火を守り続ける「東京現像所」探訪〜フィルムとスキャナーで映像表現の可能性を拡張 - PRONEWS

[Film Shooting Rhapsody]Vol.08 フィルムで撮るカメラマンがいる限りは現像を続けていきたい。使命をもって取り組む:東京現像所インタビュー - PRONEWS

[Film Shooting Rhapsody]Vol.09 東京藝術大学 大学院 映像研究科 映画専攻で行われたフィルム撮影実習ゼミについて聞く - PRONEWS

8mmフィルムで映像を作ろう

映画 - Wikipedia

インスタントカメラ - Wikipedia

銀塩写真 - Wikipedia

潜像 - Wikipedia

非銀塩写真 - Wikipedia

カメラの歴史をみてみよう | キヤノンサイエンスラボ・キッズ | キヤノングローバル

【2020年最新】カメラの歴史を学ぼう。〜フィルムの誕生からミラーレスの開発まで〜 | #GooPass MAGAZINE

カメラの歴史を知ると変わる"撮影意識" | Swings

カメラの歴史 - Wikipedia

写真乾板 - Wikipedia

特性曲線-Rainbow Eyes

写真論 デジタル vs 銀塩 その① | 写真集団 J/M/P/S

クロス現像 - Wikipedia

白黒写真の仕組み 写真の仕組み(3): 光と色と

ゼラチン - Wikipedia

暗室 - Wikipedia

セーフライト - Wikipedia

カラー写真の始まり 写真の仕組み(4): 光と色と

加色法によるカラー写真の仕組み 写真の仕組み(5): 光と色と

減色法によるカラー写真の仕組み 写真の仕組み(6): 光と色と

モノクロフィルムの違い オルソクロマチックとパンクロマチック

暗室を作ろう | tokyo-photo.net

暗室 (あんしつ)とは【ピクシブ百科事典】

白黒リバーサルフィルム - Wikipedia

質問コーナー 銀の性質について、本や教科書に<光感受性に優れていて、フィルムの感光剤に使われている>と書いてありました。

カラーリバーサルフィルムの仕組み

ネガフィルム・ポジフィルムの良いとこを比べてみました | 節目写真館スタッフブログ|節目写真館

フィルム現像とは?フィルムの種類別の現像原理と工程を解説 | Amazing Graph|アメイジンググラフ

光と色_色の再現

キリヤ: Q&A カラー写真の原理は?

1.写真フィルムの使い方・基礎編 | 新丸子・武蔵小杉、家族の写真館

クロスプロセスって何? · Lomography

【比較】クロスプロセスってどんな写真が撮影できるの? · Lomography

E-6現像 - Wikipedia

C-41現像 - Wikipedia

オプティカル・サウンド - Wikipedia

パーフォレーション - Wikipedia

シングル8 - Wikipedia

8ミリ映画 - Wikipedia

ダブル8 - Wikipedia

スーパー8mmフィルム - Wikipedia

16mmフィルム - WIkipedia

画面アスペクト比 - Wikipedia

35mm フィルム - Wikipedia

35mm movie film - Wikipedia

映画の撮影・上映方式

Super 35 - Wikipedia

VistaVision - Wikipedia

ビスタビジョン - Wikipedia

Widescreen - Wikipedia

Techniscope - Wikipedia

Technirama - Wikipedia

Super Technirama 70 - Wikipedia

スーパー35mmって一体なんだ?35mmフィルムに隠された意外な事実! | フォトミルクる

70mmフィルム  - Wikipedia

Super Pnavision 70 - Wikipedia

Ultra Panavision 70 - Wikipedia

タランティーノの「ヘイトフル・エイト」を70ミリ・フィルムで見ると、どこがどう違うの?

 | シネマズ PLUS

IMAX - Wikipedia en

IMAX - Wikipedia ja

今さら聞けない【IMAX】って何!?50万ドルのカメラをぶっ壊した男 | FILMAGA(フィルマガ)

「ダンケルク」でも使われるIMAX 70mmフィルムはどのようにして上映するのか? - GIGAZINE
















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?