見出し画像

#117 ラポールを築く

「ラポール」を築くとは、「認める」「聴く」ことです。人は十分に認め、聴いてもらえるから、安心して話そうという気持ちになります。
聞き手に安心感を持つ(不安がない)と、本音で「話す」ことができます。安心感を持てれば、当然話しやすくなり、よりたくさんの本音や本当のことを引き出すことができます。

相手に対する安心感や解放感、信頼関係を築くことは、1on1ミーティングをする上でも必要な要素となります。ミーティングをする最初の段階で行なうべきことになります。

安心して話せる環境とは

では、安心して話せる環境づくりを考えるには、あなた自身の「安心して話せた」という経験を思い起こしてみるとよいでしょう。その時にはどんな条件・環境がそろっていたでしょう?逆に、あなたの部下は、あなたに対して安心して話すことができているかどうかを考えてみることも大切です。建前でなく、本音のコミュニケーションがどこまで出来ているでしょうか。あなたの表情や態度、言動などが影響しているはずです。安心して話してもらうために、改善すべき点はないか、素直に反省してみることも、上手にラポールを築けるようになるために不可欠です。

改善すべき点はあるか?

例えば、1on1ミーティングをする際の物理的な位置関係も、心理的に大きな影響を与えます。机をはさんで正面から相手と相対するのは、どうしても緊張感を生みがちです。90度の角度で「ハの字」形に、寄り添うような感じの位置関係の方が、ずっと安心できるでしょう。

守秘義務

「認める」「聴く」といったスキルを使う前提の問題として、「安心」や「信頼」といったものを確実に損ねる要因があることに留意してください。
それは、相手が話したことについての守秘義務を守るという点です。
信頼関係が壊れる最も簡単な方法は、秘密を守らないことではないでしょうか?
どの世界でも、口の軽い、秘密を守れない人間は信用されることはありません。
テーマの内容は仕事関連のものが中心となりますが、「聴く」「質問する」といったスキルを使っていくと、相手の個人的なプライバシーに関わる問題へも話が発展していくことは、しばしばあるものです。

いくら仕事のためのミーティングとは言え、プライバシーに関わる問題が、自分の同僚などに話されてはたまりませんからね。また、物理的環境という点でも、会話が周囲の社員に聞こえてしまう状況では、全く意味がありません。周りに聞かれることが気になれば、本音で話すどころのさわぎではないのです。

自己開示

もう一つ、ラポールを築くのに大切な原則があります。それは、あなたもあなた自身についてのことを話すことです。相手にしてみれば、一方的に質問攻めされるのは居心地が悪いものです。人間の心理には「返報性の法則」があって、あなたが自分のことを話せば、相手も自分のことを話そうという気持ちを生みます。
あなたの体験や考え、思い等を「自己開示」することで、部下はあなたのことを理解したり、共感を感じたりします。このこともまた、ラポールを築くのに不可欠なのです。

返報性の法則とは、人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く心理のことです。特に部下との会話では、自分の若い頃の失敗経験などを話すことが、相手の気持ちをリラックスさせ、コミュニケーションを促進することになるでしょう。
返報性の法則

このように、安心感を築くためには、いくつもの留意点があります。

何より一番大切なのは土台でもある自己基盤を確立し、100%部下の味方であり、最大の理解者、応援者として意思と主体性を尊重するというマインドです。そうすることによって相互の信頼関係が生まれ、部下が自分に対して、安心して話せるような関係を築けると考えています。
小手先のスキルや質問によって引き出したところで、成長を促進できるほど容易いものではありません。
目標達成の有無は、部下のモチベーション以前に日頃からの接し方や社内環境も十分に影響していると言うことです。

自分が源泉。

今日も良い一日でありますように
godaigenso

よろしければ、サポートお願いいたします。いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせて頂きます。