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<徒歩電鉄>~山手線一周奮闘記~
2022年春、桜が散り始めたころ、「ゴールデンウォークどこにも出かけないし、山手線一周歩くかな~」社内で”ボソッ”と言ってしまったのが始まりだった。「いつ行くの?」「いつ行くの?」上司からプレッシャー。後に引けなくなった。
以前、カメライベントCP+のトークショーで、写真家中藤毅彦さんと写真家コムロミホさんが、それぞれ山手線の駅界隈をテーマに撮ったスナップ写真を視聴したとき「山手線一周歩けるのかな・・・」。その時の記憶が「山手線一周歩く」と、言葉に出てしまったのかもしれない。
【山手線の豆知識】
山手線は東京の巨大な交通網を支え、関東圏、さらには日本各地の鉄道へも繋がる東京の大動脈。30の駅があり1周約35kmを約60分で回ります。
山手線の開業は1885年。品川駅から新宿を経由して赤羽駅を結び、貨物輸送列車として運行をスタート。当時は品川線と呼ばれていた。山手線の名前が付いたのは1901年(明治34年)。この当時、まだ今のような丸い環状線になっていません。1906(明治39)鉄道の国有化を経て、1925(大正8)年11月、東京ー上野間の高架線完成により、いまの環状線となる。
山手線は”やまのてせん”と呼びますが、1945年(昭和20年)の終戦後から1971年(昭和46年)までの間、”やまてせん”と呼ばれた時期があります。戦後、連合国軍最高司令部(GHQ)の指令下で名前が分かりにくい。が理由だったそうです。1971年に”やまのてせん”に呼び方が戻されています。読み方にも歴史のある山手線です。
Web検索で「山手線一周徒歩」と検索すると実際に歩いている人はたくさん出てきます。だいたい10時間程度で歩いている人が多かったので3日間で歩く予定を計画しましたが、初日から予定が大幅に狂うことに。。
撮影1日目(2022年5月3日)新宿駅スタート
ゴールデンウィーク中で、気持ちの緩みもあり新宿駅に着いたのは14時。新大久保に向かって外回りのスタート。今回の撮影で使用した機材は、カメラ:OM SYSTEM OM-1とレンズは動画撮影をメインで考えていたので、M.ZUIKO DIGITAL ED8-25mm F4.0 PROとM.ZUIKO DIGITAL ED75mm F1.8の2本。動画もスチルも撮影はすべてアートフィルター「ネオノスタルジー」縛りと決めて撮影スタート。
新大久保駅から高田馬場駅へ向かう途中。金網に草が巻き付いた隙間をトンネル構図で撮影しました。電車が来るタイミングが読めない環境。こういう時にはプロキャプチャー連写が効果的です。
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プロキャプチャー連写SH1
高田馬場駅から目白駅へ向かう途中の高架下で可愛い壁画を発見。山手線沿線の高架下では、可愛い壁画をたくさん見つけました。こういうものを見つけられるのも「徒歩電鉄」のいいところ。
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目白駅に停車する山手線車両。金網をあえて入れてフレーム効果を作りました。
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池袋駅から大塚駅に向かう途中の歩道橋上から。列車が交差するタイミングを待ってスローシャッターで撮影。時間は17時を過ぎていましたが、まだまだ明るく、スローシャッターを得るためにライブNDを使用。ライブNDは、あらかじめカスタムモードにセットしていたので素早く設定を呼び出して撮影出来ました。
列車がいいタイミングで来るのを待っていると、時間があっという間に過ぎていきます。
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ライブND(ND32)
池袋駅-大塚駅間の東京スカイツリーが見えるスポット。鉄道写真愛好家のために、あらかじめ金網にレンズを通す穴が開けられているのはうれしい。
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スタートが出遅れたこともあり、初日は大塚駅まで来たところで撮影を終了。
撮影2日目(2022年5月5日)大塚駅スタート
初日出遅れたこともあり、3日間での撮影をあきらめ、この日も午後から大塚駅をスタート。
大塚駅に来たら撮りたいのが荒川線。祝日なので日の丸国旗が付けられています。荒川線は今度「徒歩電鉄」をしようと思う。
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田端駅から西日暮里駅へは少し高台に登って歩きます。その途中で見つけた鉄道専門店「エクスプレスショップはやて」。
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田端駅から西日暮里駅へ向かう途中の高台から。東北新幹線が撮れるスポット。ここは今度望遠レンズを持って来よう。
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日暮里駅前の跨線橋。山手線/京浜東北線/常磐線が乗り入れ、複数の車両を俯瞰して見られる場所として、鉄道ファン人気スポット。子供たちも夢中に見ています。
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日暮里に来たので、谷中銀座に寄り道し、谷中霊園を通って鶯谷→上野へ向かいます。
2日目は上野駅まで来たところで撮影を終了。
撮影3日目(2022年5月6日)上野駅スタート
上野駅からアメ横を通り抜けて東京方面に向かいます。御徒町駅から秋葉原駅間の高架下には“ものづくりショッピングモール「2K540 AKI-OKA ARTISAN」があります。小さなセレクトショップが複数あり、モノづくりワークショップを開催していたり楽しめそうな場所。
ちなみに、2K540は距離を示す鉄道用語「キロ程」に由来し、東京駅を起点に「2キロ540メートル付近」に位置していることから、名前が付けられたとのこと。
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秋葉原駅に来たら肉の万世。疲れた体に肉のビジュアルがそそられます。
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東京駅到着。
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デジタルテレコン
浜松町駅から田町駅に向かう途中。屋形船と鉄道車両が撮れる、今回一番のお気に入りの場所。
徒歩撮影だから見つけられた場所。今度ゆっくり撮影に来ようと思う。
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高輪ゲートウェイ駅から品川駅間は再開発中。ここの景色もこれから大きく変わっていくだろう。鉄道車両も一緒に撮っておけば良かったと後悔。
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3日目は大崎駅まで来たところで撮影を終了。
撮影4日目(2022年5月7日)大崎駅スタート
ゴールデンウィークも残り少なくなり、少し焦りも出てきた。4日目は朝から撮影開始。
五反田駅界隈で東急池上線。
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目黒駅近くで偶然見つけた「一般財団法人日本鉄道福祉事業協会」。
蒸気機関車C5515の車輪が飾られている。
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蒸気機関車C5515号は、昭和10年10月28日、川崎車両株式会社において製造されました。当時は国鉄自慢の花形機関車で、最初は仙台機関区に旅客列車用として配置され、昭和13年11月23日より東北本線・常磐線の平~盛岡間の急行列車として牽引しました。続いて青森機関区および会津若松機関区に配属されるなど、長期間にわたって東北・奥羽・磐越西線の旅客列車として牽引しました。その後、昭和25年12月6日に九州の門司機関区に配置換えとなり、鳥栖・大分・早岐・若松機関区に配属され、旅客列車を専門に鹿児島本線をはじめ長崎・佐世保・日豊・大村・筑豊の各線で活躍しました。
最終列車は、昭和43年10月6日の筑豊線飯塚駅15時34分発-若松駅16時57分着の736列車で、昭和45年1月15日に国鉄鹿児島工場で解体されました。
この主動輪は、この機関車にある三つの大きな車輪の真ん中に位置します。初運転より廃車に至るまでの走行距離は約33年間で地球から月までを4往復したキロ数となります。
目黒駅-恵比寿駅間で見つけた踏切。一見ローカル線にも見える踏切が都心でも見られる場所。恵比寿に踏切があるのもちょっと驚き。
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コロナ禍でも賑わう原宿駅前
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新宿駅到着。
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写真・動画を撮りながらの徒歩一周なので、想定の約2倍の時間が掛かってしまいましたが、山手線車内からの見慣れた風景を歩くことで発見できた風景や撮影スポットがたくさんありました。
今度はどこの路線を「徒歩電鉄」しようかな。
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今回の機材
OM SYSTEM OM-1
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
撮影・記事
菅野 幸男 / Fusao Kanno
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#鉄道写真 #OMSYSTEM #OM1 #ZUIKO ♯山手線 #徒歩電鉄
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