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小竹 直人・夏だ!! Tough TG-6で遊ぼう

2022年夏のロケでは、各地で発生した積乱雲を眺めながら蒸気機関車の煙と対比させようと思いつきました。雲の白のグラデーションと黒煙の黒のグラデーションの対比です。さらに、そのデータをモノクロ化していつかの展示作品にしようと考えたました。

この作品は、そうしたイメージから撮ったショットです。場所は磐越西線の山都付近の一ノ瀬橋梁で、言わずと知れた有名ポイントですね。さらに面白いショットを求めて翌週末もこの場所に立つ予定でした。ところが自宅を出る寸前に豪雨で山都喜多方間の鉄橋崩落のニュースから、ばんえつ物語号が運休となることを知りました。皆さん、ご承知の通りその豪雨は磐越西線を寸断し米坂線にも壊滅的な被害を与えました。
そして行き場をなくしてしまったわけですが、お盆の帰省も兼ねて新潟へ行く予定だったので海水浴でもしながら撮影しようと思いつきました。

タフネスなアウトドアカメラ TG-6

そこで使用したカメラはTG-6です。このカメラをざっくりと説明すると、コンデジ水中カメラで、防水15m、耐衝撃2.1m、耐荷重100Kg、耐低温−10℃に対応するタフネスなアウトドアカメラなのです。

コンデジで撮り鉄・・なんで思われた方も少なくないでしょう。私はこれまでに何度も写真展に関わり様々なプリントを制作してきました。TG-6であればA2までなら破綻なく綺麗にプリントできます。ものによってはA1まで出力しても鑑賞に耐えます。よって、雑誌の紙面はもちろん、コンテストに入選して大きく伸ばして展示する場合も対応するということです。
唯一弱点を申せば、1/2.33型のセンサーサイズゆえに大幅なトリミング耐性は期待できません。(画面隅に余計なモノが写り込んだ程度なら問題ありません。)

さて、撮り鉄に限らずこれから写真を始める方にもTG-6をお勧めします。光学性能は35㎜判換算で25㎜~100㎜。望遠側はちょっと物足りないかもですが、この画角で大抵のモノは撮れます。いきなりデジ一眼+大三元レンズなどとなると費用的にもそのハードルがかくなります。否定はしませんが、先ずは写真を撮ることを楽しむということが大切に思います。

デジタル一眼では簡単に対応できないシーンでもTG-6なら撮れるというシーンがあるのです。その発見こそが、より写真を楽しくさせてくれます。デジ一眼はそれからでも遅くはありません。

いまやスマホのカメラもコンデジ並みの性能を持ち合わせています。ですが、スマホは大切なライフラインであり故障したなら通信はもちろん場合によって電車にも乗れず買い物すらも出来なくなります。やはりカメラはカメラとして持ちたいですね。それでは、TG-6で撮影した作品をご覧ください。

激流の水面ぎりぎりで撮る

只見線の六十越トンネルに進入するキハ110。沢に下りたなら、激流で周囲の音はかき消され気動車のエンジン音もまったく聴こえない状態です。おおよその通過時刻は承知していますが、それでもその2分ほど前からカメラを激流の飛沫にさらしながら待ちました。もちろんカメラはずぶ濡れ状態です。
焦点距離4.5㎜(35㎜版換算25㎜)で絞りは開放(F2.0)から一絞り絞ったF2.8で撮影。コンデジのF2.8は35㎜判換算にすると≒F16相当になります。また、F2.8以上に絞ってもカメラ側で減光される仕組みで実質の深度は深くなりませんから、動きのある被写体はF2.0~2.8で高速シャッターで撮影することです。


カメラを半分水中に沈めて撮る

磐越西線の早出川(五泉-猿和田)は撮影ポイントでもあり、夏場は川遊びのスポットです。海パンを履いて半身川に浸かりながら撮影しました。

上の写真と同じ場所から、さらにカメラを半分沈めて撮影しました。水流によって想像もつかない写真が撮れました。こうした撮影では、撮影後にモニター画面を見るのが楽しみになところです。

夏のひとこまを撮る

まさに絵にかいたような夏のひとこまではありませんか?この写真もカメラを半分沈めて撮影しています。小さな魚が潜んでいるのが見えますか・・・

この写真も数匹の魚が写りこんでいます。コンデジはF2.8でもF16相当の被写界深度になりますから、どこでも、ほぼパンフォーカスになります。

今回の“半”水中写真はいかがでしたか。本格的な水中ハウジングを用意しなくともTG-6ならこのように撮れます。皆さんの近所でもこうしたポイントがきっとあることでしょう。どうぞ、試してみてはいかがでしょうか。

余談ながら、羽越本線の笹川流れや信越本線の笠島海岸でも撮影しましたが、波に体を取られて失敗の連続でした・・。やはり川が無難でしょうか。くれぐれも、川の流れや足元に気を付けて撮影ください。

筆者紹介

小竹 直人/Naoto Kotake

1969 年新潟市生まれ。
日本写真芸術専門学校卒業後、フォトジャーナリスト樋口健二氏に師事。
1990 年より中国各地の蒸気機関車を取材し、2012 年~17 にかけて中朝国境や中露国境の鉄道遺構の撮影に 取り組む。
近年は、郷里新潟県及び近県の鉄道撮影に奔走し、新潟日報朝刊連載「原初鉄路」は 4 年に渡り 200 回を数えた。
新潟日報 WEB にて「撮り鉄のすすめ」を 114 回に渡り執筆。
近著に「国境鉄路~満鉄 の遺産 7 本の橋を訪ねて~」(えにし書房)などがある。


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