檸檬を巡る或る酒飲みの回想、如何にして彼は理想の世界を手に入れたか
世の中を二分する話題というものは、右派政権か左派野党のどちらを支持するか、なんてお堅いものから、マッシュルーム型のチョコ菓子がいいか、はたまたバンブースプラウト型がいいかなんぞという、俺みたいな酒飲みからしたらどうでもいいお茶受け話まで、まあ事欠かないものだ。
そんな中にも、酒飲みどもが永遠にモメ続ける、くだらなくも重要な論題がある。「ツマミの唐揚げに、レモンをかけるか、かけないか」だ。徹頭徹尾、ニッコー・ドライの生ビールさえ飲んでりゃ満足な俺からしたら、大皿の唐揚げに、勝手