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わたしが一緒に育ったロングセラー絵本 バーバパパ

はじめてえほんをよみました。

ぼくが、いきるせかいは、かこくで、ざんこくで、すくいがないとおもいました。

せきはんをたべてうれしいとたまつきをしたら、おとんがいけにえにされたおんなのこ。

マッチをうらされ、さむいよるにひとしれずしぬおんなのこ。

このよは、なんとすくいようがなく、くらく、すぐにひとがしんでしまう、よのなかだとおもいました。

そんな、ぼくが、せかいは、たのしいものだとかんじたえほんがバーバパパです。

うす暗く、じめじめとした部屋から、おおきな窓を開けはなち、新鮮な空気がはいりこみ、やさしく肌にさわる爽やかな微風。

鮮やかな色の登場人物に目をひきつけられました。

ピンクの丸くでかい物体は、なんだ?と思ったものです。

いきなり庭からピンクの生物が産まれ、その生物をうけいれる家族たち。多様性が叫ばれる時代です。庭先から産まれたピンクの生物をうけいれる家族たちは、多様性の最先端だったのかもしれません。

バーバパパは丸いです。誰も傷つけない丸さです。バーバパパは、四角にも三角にも機械にも変身できますが、どこか丸みと優しさを感じさせられるボディーに親しみを覚えました。

人間にみとめられ、人間と楽しい生活を送るバーバパパ。
あるひ、バーバパパは、伴侶や子どもがいないときづきます。そして、バーバパパは、伴侶と子どもを見つける旅にでます。

世界中をまわり、いろいろな人と出会うバーバパパ。しかし、伴侶や子どもを見つけられません。

バーバパパをすこしでもご存知のかたは、バーバパパの伴侶をしっているかもしれません。
青い鳥のように、バーバパパのもとめるものは、みじかに眠っていたのです。
幸せは、いつもみじかにあるものだと気づかされました。

ネタバレになりますが、バーバママの色は黒色です。ごぞんじバーバパパの色は桃色です。
黒は男の子の色、桃は女の子の色と思っていた私は衝撃をうけました。固定概念を丸い体でうち破ってくれるバーバパパとバーバママ。

そして、ふたりは、子どもを作ります。
お父さん、お母さんがもっとも困る質問「子どもはどうやったらできるの」
バーバママでは明確に教えてくれます。
穴をあけて、サムシングをうめたら、子どもが生まれます。そいうものだと、小学生高学年まで思っていました。

バーバママとバーバママは、おおきな体と成熟しきった思考をもち産まれてきました。子どもたちは、ちがいます。色とりどりの子どもたち。運動が得意な子ども、勉強が得意な子どもたち個性はさまざまです。
つるりとしたバーバ一家。ただ、ひとりだけ、黒くもじゃもじゃの子どもがいます。
アヒルの世界であれば、イジメがおこるでしょう。しかし、イジメなどとは無縁のやさしい世界。子どもをわけへだてなく育てますのでご安心ください。

家族がふえ、物語がふくらみます。みんなで、家をたてたり、はこぶねを作ったり、サーカスのお手伝いをしたり、家族で協力して、いろいろな物事を解決していきます。

私は記憶に残っているエピソードがふたつあります。
ひとつは、バーバパパとバーバママが、子どもたちにクリスマスプレゼントを渡すエピソードです。
子どもたちが好きなプレゼントをしっかりと渡すバーバパパとバーバママ。子どもの趣味をしっかりとリサーチしています。
プレゼントをもらえた子どもは嬉しいだろうなと思いました。

動物好きの子どもには、南国に住むクチバシがでかく豪華な羽をもつ鳥がプレゼントされました。
子どもは、鳥のプレゼントを喜びます。しかし、季節は寒い冬です。鳥は体調をくずします。
バーバパパとバーバママが子どもを説得し、鳥を野生にかえすのですが、なんだか、モヤッとしたものを感じました。
私が、動物に興味をもち、シートン動物記を読むキッカケになった絵本がバーバパパです。
そして、動物を飼うという責任感、下調べ、野生にかえしていいのか、考えすぎるほど考える人間になりました。
その結果、魚類は飼育しても、動物と鳥類を飼育したことがありません。

さらに、自然環境にも興味をもちました。なにが出来るわけではありませんが、いま、地球でどのようなことが問題になっているのを知りました。

バーバパパの絵本のように、やさしく、だれも傷つけずに、自然環境問題を解決するのはむずかしいでしょう。

しかし、自然環境について考えるのは悪いことではないでしょう。

もしかしたら、私の世代では自然環境についての問題は解決しないかもしれません。
しかし、バーバパパを読み、自然環境について考えた子どもたちが、地面に穴を掘りサムシングを埋めることで、自然環境が改善し、やさしく、だれも傷つけずに、自然環境問題を解決するかもしれません。

バーバ一家は、自分の体をいろいろな物に変化させられます。
地球の未来は不確定です。バーバパパを読んだ誰かが、地球の未来をよい姿に変化させる可能性を生みだす力がある絵本だと思っています。

やさしく、だれも傷つけない、まるい地球になる種になる絵本バーバパパ。


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