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切り絵と分析_1

ファサードデザインの分析そのものを目で見て楽しめるようにできないかと思い(なんなら常に眺めていたい)、

修士論文の際にキーワードとなった”重ね合わせ”をヒントに

透明なレイヤーを重ねた切り絵にしてみました。

壁や窓、ストリングコースやコーニスを1枚ずつレイヤーに分解し、

すべてのレイヤーを重ねるとパラッツォが完成します

その切り絵にから何が読み取れるのか、をレイヤー1枚ずつ重ねながら見ていきたいと思います

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designed by Mario Asnago e Claudio Vender (1940)

今回はこのパラッツォ

①壁と開口

壁に開けられた開口の形や配置により、下部2層と上部4層が柔らかく分節されています

これがファサード構成のベースとなり、順に要素が重ねられていきます

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②壁の素材

一面に同じ素材(レンガ)が用いられているため、壁の素材による分節はありません

窓の形の違いによる分節がそのまま表れます

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③窓のサッシ

メインエントランス部と下部左端の窓を除き、サッシはほぼ同形状のものが全体に配置されているため、

①②同様の分節のみが保存されています

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④窓のフレーム

下部2層分に白いフレームが付加されることにより、柔らかい分節だった下部2層の分節が明確化されます

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⑤コーニスとストリングコース

最上部とその1層下にシンプルな帯が付加され頂部が生まれます

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⑥バルコニー

2層目から6層目までバルコニーが付加されることで

1層目と2〜6層目の間に分節が生まれ、パラッツォのファサードが完成します

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ルネサンス期に確立されたと言われるファサードの文法は

基壇、胴部、頂部の3層構成ですが、

このパラッツォでは複数の要素により、いくつもの分節が重なり合い

緩やかな3層構成がつくられていることがわかります

見れば見るほどいろいろな工夫がされているデザイン、勉強になります。


#facade #palazzo #architecture


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