個人的な2023-24シーズンにおけるスタッド・ランスのシーズン総括
前書き
2022-23シーズンから伊東純也選手目当てにサッカーについての知識を深めるためにスタッドランスを追いかけた人間が、2023-24シーズンで本格的に移籍市場での動きや情報なども追っかけて始めたシーズンとなります。正直、途中でリアルでの自分の体力の無さが原因で幾つかの試合をリアルタイムで見る事が出来ずディレイでも見逃す事があったり、チームの勢いが落ちた時に情報を追っかける事を辞めたりしてしまった事もあります。また、期待していたWill still解任にショックを受けたり、このnoteを書くの止めてしまおうかなと思った事が正直ありました。ただ、今シーズンの前半戦総括など複数のnoteを製作していた事もありやはりシーズン総括の記事は書かなければならないと考えこの記事を著述しています。
そんな人間による個人的な総括記事です、それではどうぞご一読ください。
チームの絶対的主力となった伊東・Teumaの攻撃の二本柱
昨シーズンの絶対的な得点源であったBalogunがレンタルバックで退団し、ストライカーの穴を埋めるためにもフロントは夏の移籍市場で総額約4900万€の大金を投じ、オランダのアヤックスからMohamed daramy(移籍金1200万€)、ベルギーのヘントからJoshph okumu(移籍金1000万€)、オーストリアのLASKリンツから中村敬斗(移籍金1200万€)、ベルギーのユニオンSGからTeddy Teuma(移籍金460万€)、アンジェのAmine Salama(移籍金400万€)、オーストリアのRBザルツブルクからOumar Diakite(移籍金250万€)、イングランドのブライトンからReda khadra(移籍金190万€)を獲得しました。しかし、いざシーズンが開幕すると中村・O.Diakiteはリーグアンの壁にぶち当たる事になりsalamaは能力を発揮する事なく冬にリーグドゥのクラブへレンタル移籍、Khadraも序盤から力を発揮する事が無かった。そんな中、ベルギーリーグ・ヨーロッパリーグでも結果を残したTeumaがセットプレーのキッカーからビルドアップ面の補助までチームの攻撃を支える事になり、昨シーズンの主力であった伊東も攻撃の要としてチームを牽引。Teumaはシーズン後半戦に調子を落とし怪我で一か月の離脱はあったものの6G3A、伊東は昨シーズン以上に相手チームからの厳しいマークを受けながらも昨シーズンを超えるアシスト能力を発揮してリーグ戦でチームトップの3G7Aの数字を残す事が出来ました。来シーズン、両者共に30代前半で能力のピークは過ぎ去りコンディション面も良い状態を保つ事が難しくなる年齢であるのは確かだが、是非とも今シーズンと同じようにチームを支えてもらいたい所。
シーズンのゴール/アシストでチーム最多を叩き出したDaramy
シーズンを通じて苦戦する傾向が高かった中村・O.Diakiteらの新戦力の中で伊東・Teumaを超えてシーズンの最多G/Aを記録したのがMohamed Daramy
です。中村のような点を獲りにいくWGストライカーではなく、伊東のような味方へのアシストでチームを支えるWGであるため前半戦はDiakiteの苦戦で点を獲る事を求められるCFへの適応に苦戦する傾向もあったり割と好不調の波が激しかったりしたが、3月後半に離脱するまで今シーズンにおけるチーム最多の5ゴール6アシスト出来たのは見事だと思います。
fotmobのデータだと昨シーズンのデンマークスーペルリーガでのドリブル成功率51.4%を超える58.4%、fbrefのデータによる前進キャリーの貢献度で伊東を超える数値を叩き出したりしたドリブラーであるが、伊東のような確立されたプレースタイルと多様性を持った選手ではないためどのような成長を遂げるかがよく分からない点はある。3月後半の代表ウィークでA代表初ゴールを挙げたもののゴールポストに膝が直撃して、そのまま離脱してしまい期間が長引いてシーズン終了になったのは悲劇だった。
絶対的得点源が居ない中で相手チームと状況に応じたフォーメーションと戦術でチームを戦える状態に整備した監督のWill Still
昨シーズンのフォーメーションは4-2-3-1に固定気味で絶対的得点源のBalogunとG/Aを稼いでくれる伊東・Munetsi・Flipsのアタッカーに依存する形で戦った監督のWill stillだったが、今シーズンはチームの戦力に厚みはあるものの絶対的得点源が居ない状況下で戦うしかない状況だった。しかし、相手チームの戦術と自チームの怪我人に応じたチーム状況で前半戦はチームを躍進させ、後半戦もアウェーのモナコ戦でKhadraの偽9番戦術を機能させてリーグアンの強豪を撃破する事が出来た。昨シーズンと同じようなアタッカーに依存した攻撃だったが、非保持ベースのチーム戦術とセットプレーの戦術を整備してマルセイユ・リヨン・レンヌらのリーグアンの強豪・中堅が低迷した今シーズンを一定期間まで戦う事が出来たのは見事でした。
しかし、クラブのフロント首脳陣による1月の移籍市場での守備的MFのMatusiwa売却でチームが狂ってしまった事は確かでWill still自身も現状のチームでベストな守備的MF探しに奔走してしまったのは事実。
2024年1月以降のリーグ戦でモナコ、ル・アーブル、メス戦しか勝利する事が出来ないチーム状況の中で、1-4のスコアで大敗したアウェーのクレルモン戦後にロッカールームに問題が生じてしまい監督のWill stillのメンタルが折れてしまった時点でThe End。全権的に補強・売却を握るフロント首脳陣の判断に振り回されてしまったのは事実ですし、監督として確かな手腕を持っている指導者なので次のクラブキャリア以降でよりよい指導者人生を送れる事を祈ります。
今シーズンのスタッドランスのフロントへの個人的な総括
2023年夏の移籍市場で補強ポイントだったCF・アタッカー・左SBといった補強ポイントに対して順次補強していき、獲得オファーのあった複数の主力を売却して移籍金を確保していった手腕は良かったと思うが8月の時点で左WGがメインの中村敬斗、左WGがメインでCFもこなせるDaramy、両WGこなす事が出来るErnest Nuamahの三名に対して獲得オファーを複数に出して並列させた時点で何処か狂った点があったのは事実。中村を獲得濃厚になっていたがEU外国籍選手枠の処理でもたついていたリールを出し抜いて獲得オファーを成立させたり、プレミアリーグのバーンリーとの争奪戦を制してDaramyを獲得したりと断られたNuamahを諦めて左WGメインの選手に大金を費やして二名獲得した時点でちょっとおかしかった気配はあります。
チームのターニングポイントになった1月のMatusiwa売却以外にも、チームの主将であり守備の要で残り契約が一年だったYunis Abdelhamidに契約延長オファーを出さなかった点はAbdelhamidの年間サラリーがチームの中で伊東と並ぶ上位クラスだった点や選手サラリーに費やすペイロールを出来る限り限りたいものには分かるので一応納得できますがやっぱりMatusiwa売却がなぁ…
(Matusiwaを売却した後に補強ポイントの左SBを補強するためにラ・リーガのアルメリアからSerigio Akiemeを補強したりとその後の補強は意図が読めたりしているのである程度納得している。)
フロントがMatusiwa売却を決断した意図としてはリーグアンの国内放映権未定問題で中小クラブは予算縮小を迫られると言った言説がありましたが、シーズン終了後に国内メディアとのインタビューで会長であるJean pierrre Cailotはこう答えております。
内容を一部要約すると「Matusiwa売却オファーはボーナス込みで2000万€と我々が断れるものでは無かった」、「15年連続のプラス収益で終了する会計年度に対しては余裕を持ってDNCG(フランスサッカーにおける監査機関)に向かう」、「Matusiwaの売却金額は翌シーズンの会計年度に計上する事が出来、来シーズンの予算にする事が出来る」、「予算も今シーズンと同じ内容にする事が可能」、「放映権収入よりも選手の売却額がクラブのメイン収益になっており既に売上高の三分の二を達成している」というもの。
元々「欧州でのクラブの立場向上を目指して欧州コンペティション出場を目指す」といった野心を掲げていたんじゃないのか?とは思いつつも、インタビューの内容で一番気になったのが「Valentin atanganaとAmadou koneが代役になり得る」と明言していた点です。Amadou koneはマリにいた時は攻撃的MFで今シーズンの夏に移籍してきてスタッドランスで守備的MFにコンバートされたのでは?とか、Atangana EdoaはU-17フランス代表のレギュラーでアンダー世代のエリートではあるが売却を決めた一月の時点で複数回故障歴抱えてた選手では?とかシーズンが終了して来シーズンの夏の移籍市場で売るべきだったのでは?など思う所が無い訳ではないですね…(Atangana edoaに関しては結局、4月にまた故障してそのままシーズン絶望となってしまった。)
個人的なシーズン終了後のスカッド編成に対してはWill Stillがメインとしていた4-1-2-3を基調とするのがベストだと思いつつも、守備的MFの能力的不安などから4-1-2-3がベストになりにくいみたいな不安は抱いているので、来シーズンの夏の移籍市場でこの不安を解消してほしい所です。
現地のスタッドランスサポーターたちが運営するファンメディアサイト「Reims media Football」は来シーズンに向けた補強ポイントして四か所挙げております。(個人的に意訳している要素もあり)
①チームの得点源になれて、レギュラーを務められるセンターフォワード
②実力があってアンカーを務められる守備的MF
③3バックの左CB・4バックの左CBを務められるCB
④右SB
特に、右SBはCaillotがインタビューでも同じポジションで年齢が20代後半のFoketを放出して新しい選手を獲得すると明言しているのポイントなので補強は確実、個人的に出来ればアンカーの選手も獲得してもらいたい所です。
後はしっかりした監督になり得る指導者を連れてくる事と、レンタルバックして戻ってくるKamory Doumbia含めたインサイドハーフ・攻撃的ポジションの選手を整理してくれる事もお願いします。
来シーズンの補強ポイントに関しては本noteの後に作成する来シーズンの展望などを描いたnoteなどで述べていきたいので、このnoteではこの後選手個人の個人的な印象やスタッツサイトを用いたパフォーマンスによる貢献度などを話していきたいです。
トップチームのスカッド全員分の内容について語ろうかと思ったら、本Noteの作成に思ったより時間が掛かってしまったので全員分を記述する事は諦めて自分の印象に残ってる多くの選手に対して書きだそうと思っています。
個人的な印象な今シーズンにおける選手個々のパフォーマンスなどの印象
伊東純也
シーズン31試合2723分出場3ゴール7アシスト
個人的な今シーズンのスタッド・ランスにおけるMVP。私生活面では問題のあるものなってしまい、後半戦は一部パフォーマンスが落ちてしまった試合もあったがテクニックやスキル面で向上をさせてリーグアン初年度の昨シーズンよりもスキル・テクニック面が向上したシーズンだったのではないだろうか。balogun不在の状況と昨シーズンよりも厳しいマークを受ける中で3ゴール7アシストを記録した。sofascoreのデータで昨シーズンの決定機創出12・アシスト期待値9.18の数字を今シーズンは決定機創出19・アシスト期待値9.95に伸ばす事に成功しリーグアンでもトップに入る数字を残している。
fotmobのデータだとxGは4.54でG-xGは-1.54の数字だが枠内シュートの質を図るxGOTは5.16でxGOT-xGは+0.62の数値、fbrefにおいてリーグアンに所属する攻撃的MF/WGを比較したスカウティングレポートを参照するとアシスト期待値・キーパス・ペナルティエリアへのクロス・クロス全般の数値で計測値90以上の数値を叩き出しているがこれはイメージ通りか。他にも前進キャリー・前進パス・ショットクリエティングアクション・コーナーキック・パスで前進した距離の数値で計測値85以上の数字を残している。来シーズンも攻守全般で躍動する伊東のパフォーマンスを観たい。
Teddy Teuma
28試合2124分出場6ゴール3アシスト
昨シーズンはヨーロッパリーグで躍進を果たしたユニオンSGの絶対的主力を主将の立場を兼ね備え、リーグ戦で9ゴール7アシストの記録を残し故郷のフランスにステップアップしたマルタ代表の苦労人。今シーズンは攻撃の中心として活躍し複数回ミドルシュートをゴールにぶち込んだりコーナーキックからアシストをしたりとリーグ戦で6ゴール3アシストの活躍を見せた。
後半戦は負傷で一か月していた期間やパフォーマンスが落ちていた時期もあったが来シーズンも主力としての活躍を期待したい選手。
今年で年齢が31歳でリセールを見込める事が出来ない主力選手ではあるが、来シーズン以降主力として活躍する未来の選手達のためにもチームを支えてもらいたいプレイヤーと言える。
Mohamed daramy
27試合1836分出場5ゴール6アシスト
17歳の時にガーディアンの「ネクストジェネレーション」に選出される程の高い期待を集めていた逸材で、今シーズン中村に同様にクラブレコードの移籍金1200万€で移籍してきた左WG。シーズン序盤からドリブルといった個人技が通用しており、そのまま左WGのレギュラーかと思いきやCFのO.Diakiteの不調でセンターフォワードに一時期移ったり後半戦以降は左WGとCFを行ったりきたりとシーズンを通じて一つのポジションに固定する事が出来なかった。左WGでレギュラーを掴みつつあった矢先、3月の代表ウィークでA代表初ゴールを挙げるもゴールポストに膝が直撃して負傷、想定外の離脱期間により長引いてそのままシーズン終了となってしまった。
本人のプレースタイルと気質も相まってフィニッシュ面は苦戦しており、Fotmobのデータで昨シーズンのデンマークスーペルリーガではG-xGで+1.02、xGOT-xGは+1.59だったが今シーズンはG-xGで-0.58、xGOT-xGは+0.43の数字であった。Fbrefのリーグアンの他の攻撃的MF/WGを対象にしたスカウティングレポートだと、テイクオン勝利で計測値93の数値だったのもののキャリー前進が計測値70の数値でパススタッツが幾つかの項目を除けば軒並み平均か低いのは懸念点。ドリブルで敵の陣地を進んでいくプレースタイル故にクロスの数値も低く、クロス中心だがミドルシュート・スルーパスなど多彩な攻撃手段を持つ伊東のようなアタッカーになるのかそのままのプレースタイルで突き進むのか興味が尽きない。
Oumar Diakite
28試合1587分出場5ゴール1アシスト
シーズン開始前のプレシーズンマッチ5戦5ゴールと高い期待を集めていたセンターフォワードで、シーズン開始後もバログンの後釜になれるのではないかと期待されていた。しかし、シーズンがいざ始まるとリーグアンのプレースピード・守備レベルにそのまま苦戦、センターフォワードとしてのスキルも充分ではない事も露呈し観戦していた自分でも「コートジボワール代表のスカッドに選ばれる程の実力なのか?」と疑っていた。
しかし、アフリカネーションズカップの代表戦で試合を決めるゴールを挙げ復帰後はアウェーのPSG戦で1ゴール1アシストの活躍を決める事が出来たのは驚き。センターフォワードとしてのスキルもポストプレーやロングボールの的になる能力など向上している事は確か。ただ、fotmobのデータでG-xGが-2.02、xGOT-xGで-0.79のスタッツでもたついてしまうフィニッシュ面以上に問題があるのは試合の流れを左右しかねない場面でオフサイドに引っかかったりする判断面は確実に克服してほしい。
来シーズンも優れたセンターフォワードを求めているチームなので、フィニッシュ面・判断能力など多くの課題を克服できないと来シーズンレギュラーを掴むのは難しい。
中村敬斗
25試合1388分出場4ゴール1アシスト
本人も自覚している通り、今まで経験したヨーロッパのリーグよりレベルが高い水準にあるリーグアンの壁に跳ね返され続けたシーズンだったのではないだろうか。シーズン序盤からリーグアンのプレースピード・守備レベルにドリブルなどの個人技が無力で終わる事もありシーズン中盤以降は前の試合で良いパフォーマンスを見せてリーグアンに順応してきたなと思ったら次の試合で力を発揮できないという展開がシーズン終了まで続いた。長所のフィニッシュ面でも苦戦しており、fotmobのデータで昨シーズンオーストリアブンデスリーガで挙げたゴール数14とG-xGが+3.71でxGOT-xGが+0.95の数字だったが今シーズンはゴール数4・G-xGで+0.84でxGOT-xGは+0.34と落としている。fbrefのリーグアンの他の攻撃的MF/WGを対象にしたスカウティングレポートだと、ペナルティエリアで点を獲る事を志向するプレースタイルも相まってパススタッツの項目の多くが計測値60以下と低く、ゴールアンドショットクリエイション・キャリーにおけるスタッツも軒並み低いので来シーズンに向けた課題点か。
ただ、オーストリアブンデスリーガ1シーズン目の21-22シーズンでのデータをfotmobで確認すると、シュート成功率30%・ドリブル成功率45.7%の数字を残しており実際そのシーズンは22試合1104分出場6ゴール1アシストと完全に主力とは言い切れない成績を残している。当時の細かいスタッツは確認できないがもしかしてリーグ環境への適応に時間がかかる選手なのかも…?
もしそうであるなら、来シーズン確固たる主力として活躍する事を期待したい。
Adama bojang
11試合112分出場
U-20アフリカネーションズカップで4ゴール1アシストの結果を残しガンビア代表の決勝進出に貢献、U-20ワールドカップでも2ゴールと活躍した「ガンビアのハリケーン」。大会後、プレミアリーグのエリートクラブらとの争奪戦を制して移籍する事が決まった。早速、ナショナル3(フランスサッカーで五部リーグに当る存在)で得点を量産しトップチームにも帯同し始め第13節のレンヌ戦でトップチームデビューも飾った。ただ、3月頃に膝の怪我で離脱していた事もあってトップチームにおけるシーズントータルの出場時間は11試合112分と短い。短い出場期間の中でのプレーを見る事が出来た印象は「速い!スピードは期待出来そう!」といったもの。ただ、現場のWill stillやsamba diawaraといった人間は一貫してO.Diakiteに出場時間を与えていたため課題としてはポストプレーやロングボールの的になれる能力か?
来シーズンの新監督の意向・スカッドの入れ替えと補強次第でトップチームに残るのか他チームにレンタル移籍になるのか動向が読めない選手。多分、プレシーズンマッチだとキャンプ~日本へのアジアツアーに帯同するのは確実なので個人的に長い時間でのプレーを確認したい選手でもある。
Marshall Munetsi
27試合2178分出場4ゴール3アシスト
昨シーズン途中にトップ下としてコンバートされて攻撃能力を開花させ、今シーズンはインサイドハーフ・ダブルボランチがメインポジションとして起用され一時期アンカーとして起用される事もあった。前半戦は足首の故障で一か月離脱していた期間もあったが、概ねレギュラーとしての地位を保てたのではないだろうか。豊富な運動量以外にも前線への飛び出しでクロスのターゲットになったり、ロングボールを収められる能力もある中盤の選手。
fbrefの欧州五大リーグ・CL・ELに出場したMFを対象にしたスカウティングレポートだとユナイテッドのマクトミネイやウェストハムのソーチェクが類似した選手として挙げられ、空中戦の計測値88と高いが多くのパススタッツやゴールショットクリエイション・キャリー面の項目が軒並み低い。
来シーズンは今年で28歳になりTransfermarktでの今シーズンの市場価値がチーム最高額の1200万€で売却するチャンスがあるなら最後のチャンスでは?と思ってしまう選手。(実際にReims media footballで分析を担当しているサポーターアカウントは売却を主張している。)ただ、昨シーズン契約延長したばかりでcapologyの年間サラリー約72万€と契約延長の余地があるのでどうなるのか見守りたい所。
Reda khardra
31試合1476分出場1ゴール3アシスト
昨シーズンのEFLチャンピオンシップで29試合4ゴール2アシストの結果を残し、起用法はセンターフォワードから両サイドのサイドハーフポジションまで起用された攻撃的な選手。今シーズンは序盤から途中交代で出場する控えとして使われ、徐々に推進力のあるドリブルで輝きを見せ始め前半戦の終盤にはインサイドハーフから偽9番のポジションでレギュラー起用されるようになった。前述した推進力のドリブルに加えて献身的に守備へ奔走するなど一定の実力を持つ選手。ただ、伊東・ダラミー・テウマ・中村・ムネツィといったWG・IHのポジションでスタメンで起用される選手と比較して押しのけるられる程の実力かというそうではなく、本人のユーティリティ性の高さも相まって怪我せずベンチに居てほしい選手止まりな気はする。来シーズン、成長を果たしてレギュラーを奪えるか?
Amir Richardson
28試合1350分出場3ゴール1アシスト
昨シーズンはル・アーブルの昇格に貢献し、リーグドゥベストイレブンの賞を獲得してスタッド・ランスに移籍してきた若手有望株。インサイドハーフ以外にもダブルボランチをこなす事が出来る選手で、長い手足を活かしたボールの刈り取りが特徴。シーズン序盤からスタメンとしてインサイドハーフのスタメンとして使われ始め、徐々に注目を集め始めるもインサイドハーフとして攻撃性能が微妙に足りない感があり前半戦の終盤でKhadraにポジション奪われた感があり2024年1月の後半戦以降は5試合しかスタメン出場が出来ていない。地味にダブルボランチは出来るけどアンカーだと微妙みたいな結果だったのも痛かった。
fbrefで今シーズンのリーグアンのMFを比較したスカウティングレポートだと、フィニッシュ面の項目が優秀だが多くのパススタッツ・ゴールアンドショットクリエイションの項目で軒並み計測値が平均かそれより低かったのも個人的にイメージ通りだった感はある。
今のままのスカッドのベストフォーメーションが4-3-3なのでアンカーをこなす事が出来るのがベストだが、成長してインサイドハーフ・ダブルボランチをこなす選手になるのかどちらの道を歩むのか見守りたい。
ちなみに、2022-23シーズンでU-23モロッコ代表のU-23アフリカネーションズカップの制覇に貢献した主力選手の一人でかつA代表へ継続的に選ばれてる若手であるため、パリ五輪へ出場する可能性を持つ選手で7~8月のアジアツアーに帯同しない可能性するかというと微妙。
valentin Atangana edoa
15試合553分出場
2021-22シーズンのU-17EURO本大会でU-17フランス代表の主力として活躍した守備的MF。前述のMatusiwa売却の話の通り、スタッドランスのフロントやサポーターに高い注目を集めている若手有望株である事は事実だが今シーズンの稼働率に大きな問題があったのは事実。2023年の10月後半から12月前半、2024年1月前半から2月の中盤に一か月以上離脱する怪我を負ってしまった。更に4月のストラスブール戦の試合中に負傷でそのままシーズン絶望になってしまう。今シーズン3回一か月以上の離脱してしまった事を考慮すると、来シーズン以降もシーズン通した稼働率に対して不安を抱いてしまうのは確かなので、アンカーが出来る守備的MFの補強が必須と思えてしまう選手。
来シーズンはレギュラーを掴む云々の前に怪我で離脱する事を出来る限り避けてほしい選手なので、怪我無くシーズンを戦う事からスタートしてほしい。
amadou kone
16試合465分出場
今シーズンの夏の移籍市場でマリからフランスに渡りスタッドランスでプロ契約を結んだ攻撃的MFだったが、契約後は守備的MFにコンバートされる事になり10月後半のトゥールーズ戦にはチーム事情ながらもトップチームのベンチ入りどころかリーグアンデビューまで果たした選手。2024年1月のナント戦には初スタメンでフル出場まで飾るも、2月の中旬に負傷で一か月の離脱。4月のストラスブール戦には前半の途中出場からイエローカード二枚で退場という試合を壊す結果まで導いてしまう。
ただ、フロント陣の評価は高くReims media footballの分析アカウントも「ボールプレーさえ改善できれば期待出来る」と評価している。実際、fbrefのスカウティングレポートだと多くのパススタッツ項目で計測値が低いためボールスキル全般で改善する必要があるのは確か。シーズン終盤でイエローカードカード四枚を受けており、現時点でカードコレクターの要素もチラつくのでそこも改善してほしい。
Yunis abdelhamid
31試合2782分出場4ゴール
今年も選手達を統率するキャプテンとして振る舞い、頼れる守備能力と空中戦の強さでチームを盛り立てたベテランCB。守備面以外にも同点・ビハインド時の前線へ攻撃参加したり、放り込みの的として空中戦に参加、セットプレー時の得点源としても機能する事が出来た。
今シーズン限りで契約切れになるクラブとの去就問題に関しては本人も前向きで「このクラブで引退したい」と宣言する程だったが、彼の年間サラリーが伊東と並ぶ120万€とチームでも上位に入るものだった事や来シーズン37歳の年齢に入る事を考慮されたのか、フロントは契約しない事を選択する。この決断に関しては現地のネットのサポーター層を観ている限り、大きく非寄りの賛否両論だった事は確かでファンメディアサイトはニースがベテランCBダンテと契約延長した事を引き合いに出してクラブの決断を批判したりしていた。
実際、ホーム最終節のレンヌ戦で本人もPKを決め勝利出来た後に行われたセレモニーでabdelhamidに拍手が送られたが、契約延長しない事を決断したフロントのcailot氏には一部でブーイングが行われるといった現象が起きている。
現行のリーグアン環境で通用する守備面を持っており、カタールワールドカップ後のモロッコ代表にも復帰できている実力の持ち主なのでフリーとなった来シーズンも元気にプレーできる事を祈りたい。
fbrefのスカウティングレポートを観る限り、類似している選手として同チームのJoseph okumuを挙げておりインタビューでもokumuをabdelhamidがポジションとしていた4バックの左CBに据える意向のようだ。
ただ、okumuの場合ハムストリングに負傷歴を抱えており昨シーズンのヘントで45試合3712分出場時間を得たが今シーズンはレギュラー争いとシーズン終盤にハムストリングの負傷もあって23試合1923分の出場時間に留まっておりシーズン全体の稼働率の点でokumuに不安があるのは確か。
Abdoul kone
3試合196分出場
ナショナル3のセカンドチームだとセンターバックがメインポジションの選手で、今シーズンのセカンドチームでもレギュラー格という選手ではなかった。(おそらく、怪我による離脱が複数期間起こってしまった。)
ところが、Will Stillが解任されてアシスタントコーチのSamba Diawaraが暫定監督に就任するとトップチームの右SBに抜擢されてそのまま試合に出場、第三十二節のブレスト戦から第三十四節のレンヌ戦まで右SBのスタメンを務めた。シーズン終了後にチームと3年間のプロ契約を結んでおり、恐らく来年も7~8月のキャンプ~プレシーズンマッチが終わるまではトップチームに絡んでくるのが予想出来る選手。右SBはフロントによって補強が明言されたポジションであるが、シーズン開始前に高いポジション争いが出来るのではと個人的に期待している選手の一人なので頑張ってほしい。
Emmanuel agbadou
34試合2775分出場3ゴール1アシスト
今季はシーズンを通してほぼCBのレギュラーを保ち続け、昨シーズンにおける31試合2419分の出場時間を超えたDF。4バック・3バック時の右CBをメインポジションとして時折右SBとして起用される試合があったが、やはり右SBは無理があったように思う。3月の代表ウィークでコートジボワール代表への復帰を果たしており、召集が続いて欲しいところ。Fbrefのスカウティングレポートを見ると、キャリー前進で計測値94・パス前進で計測値95・ロングパスのコンプリートで計測値97など幾つかの項目で優秀と思える数値を叩き出しているが多分これは推進力がありチームの攻撃を支えていた伊東が右サイド中心で起用されていた事が絡んでいるかも?ただ、パス面だとショートパス絡みの計測値と空中戦の計測値が低いためそれらの項目は明確な課題の一つかもしれない。
来シーズンはチームの要であったAbdelhamidが去るためOkumuと共にDFラインを支えてほしいCBなので、素晴らしいパフォーマンスを見せてもらいたい。
Joseph okumu
23試合1923分出場1ゴール
夏の移籍市場でベルギーのヘントから移籍金1200万€で獲得したCB、今シーズンは4バックの右CBや3バック時のCCBを務めていた。個人的な印象があまり残っておらず、Transfermarktで確認すると4月前半のニース戦で足首を負傷してシーズン絶望になっていたのは知っていたが2024年2月後半にグローインペインで二週間離脱してたっけ…?となってしまった選手。
fbrefのスカウティングレポートを見るとショートパスの項目は壊滅的だがロングパスの項目は計測値99、サイドチェンジのパスは計測値92、キャリーの項目は軒並み優秀と幾つかの項目でabdelhamidを上回ってる項目があり来シーズンは彼のポジションを能力的に全うできそう。ただ、幾つかの負傷歴を抱えている彼がシーズン通して怪我無く稼働できるかという点で保証出来るものは無いため前述の通り来シーズンはCBのポジションが補強ポイントになるのは確実。
Yehvan Diouf
34試合3060分出場
正GK一年目の昨シーズンは高いシュートストップ率でリーグの中でも注目されるGKで、エリート的キャリアから道を外していた選手人生を取り戻すシーズンだったが今シーズンは見事なまでに厳しいものとなってしまった。
昨シーズンのパフォーマンスだとセービング指標であるPSxG-GAは+6だったのに対して、今シーズンのPSxG-GAは-4.3と低調でありスカウティングレポートを比較しても昨シーズンの長所であったクロスストップは計測値92だったのに対して今シーズンは計測値70と減少、対照的にペナルティエリア外でのアクションが昨シーズン75だったのに対して今シーズンはそれが計測値89と向上している。
問題はDiouf本人のボールスキル面や判断面で時折危ないパフォーマンスを見せていた事で、まだまだそれらの点で成長する事を求められてるのは事実。
課題であるスキル面・判断面を成長させて、シュートストップ・クロスストップのパフォーマンスを取り戻す事が出来ればリーグアンを代表するGKになれると思うのだが…
後書き
流石に数週間近くこのnoteを製作するために向き合ったり、1万字以上タイピングする事に対して個人的にも疲れてしまった、次に製作するnoteにも向き合わないといけないという点で限界が来てしまったのでこの時点で今シーズンの総括を終わらせたいと思います。
このnoteを読んでいただきありがとうございました、次回も拝読して頂く機会がある事を願います。
本noteの製作のために参考にしたサイト・アカウント
Transfermarkt
FBREF
Fotmob
Sofascore
Reims Media football
https://twitter.com/reimsmediafoot
「Reims VDT」と並ぶ現地のスタッド・ランスサポーターが運営するメディアアカウントの一つ。ただ、「Reims VDT」の場合は更新頻度が多いが更新される情報にはレキップなどのメディアサイトの有料記事情報が流される事も多くコラ画像を交えて「マクロン・現フランス大統領がスタッドランスの首脳陣に対してabdelhamidの契約更新を訴えた」とかいうネタ情報を流した事があったり、自分が応援してるクラブ中心の視点なので著作権的な意味でも注意が必要。
「Reims media Football」の場合もレキップの採点表といった情報を流したりするので注意が必要だが、プロビンチャの予算でも獲得できる若手選手特集とか独自の視点があるのでそういう独自の情報で参考に出来る。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?