見出し画像

答案は最低ラインを意識せよ!?R1刑訴法の巻【答案改造⭐︎ビフォーアフターVol.4】

みなさま、こんにちは。OLS編集部です。OLS採点実感講義はいよいよ刑訴に突入。今回は令和元年の問題を題材に、素敵な講義が展開されました。

講義のご担当は現在17ライバーとしても活躍中、多才っぷりが眩しすぎる……るぅ先輩です。

それでは、ここでライターは担当の梶原くんにタッチ。答案作成時の感想から伺うことにいたしましょう。

解答編

私はこの問題は初見でした。構成は約25分、答案は45分程度で書き上げたはずです。

あまり書いたことのない論点でしたので自分なりに意識したのは原則→例外の流れでした。『勾留単体では適法に思える(原則論)→先行逮捕手続の違法が後行勾留の適法性に影響を与えることの指摘(例外)』という大きな流れがあり、例外の中でも『6日午前9時10分の逮捕は通常逮捕としては適法に思える(原則)→しかし、違法な実質逮捕の可能性の指摘(例外)』という流れがあると考え、そこに照らして構成しました。

「細かい部分はともかく大きな流れは外していないだろう」と若干のドヤ顔で提出したのですが…実際は答案の流れ以前に誤読が酷すぎました…笑

まず、L55〜L57のあてはめですが、犯行が起きた時間は実際は6月5日午後2時であったにも関わらず、私は6月6日午前2時ととんでもない誤読をしており、ここのあてはめは今回担当されたるぅアドバイザーを始めとする採点者の方からすると恐らく「???…とりあえず×」という記述だったと思われます…。

そして、これは講義中に気付いたのですが、設問文には「ただし、刑事訴訟法第60条1項各号該当性及び勾留の必要性については論じなくてよい。」とハッキリ明示されているにも関わらず、私はこの記述を読み飛ばしてこの点を検討してしまいました。そうすると、L2〜L10はまるまる余事記載でした…。

このような基本的なミスは本当になくしていかないといけません。

講義受講編

では、講義受講した感想です。

いつも思うのですが、採点実感講義はアドバイザーの手によるレジュメが本当に素晴らしいです。今回も出題趣旨から書くべきポイントが抽出され詳しく解説されているばかりでなく、提出された答案や実際の再現答案を前提にるぅアドバイザーが考える「現実的答案」のイメージが示されています。合格に必要なのは最程どのラインなのか、そしてより得点を得るためにはどこまで書くべきなのかが具体的にイメージできます。実際の現場で出題趣旨に完全に沿った答案を書くことは困難(というより不可能?)ですから、この辺りは大変参考になりました。

今回、私が特に勉強になったのは、実質的逮捕の違法性が認められるとして後行する勾留が違法と言える場合への論理のつながりでした。私はなんとなく覚えていた緊急逮捕の要件を唐突に検討したのですが、「それをなぜ検討するのか?」という視点が足りませんでした。

また、実質的逮捕の論じ方も私の答案はかなり粗い印象です。甲に対しての人権制約を適切に論じるという視点が欠けており、ここの部分は強制処分では常に問題になる点ですから、もっと強く意識しなければならないと反省いたしました。

レジュメと併せて、るぅアドバイザーの解説が非常にわかりやすく、自らの答案の良かった点、そして悪かった点が明確に理解することができたと思います。

解き直し編

ここまで述べた反省点を活かし、書き直したのがこちらです。

具体的には、(当たり前ですが)誤読をしないように気をつけ、実質的逮捕の部分、違法の重大性についての論理のつながりを明確にすることを心がけました。また、書きながらあてはめを丁寧、かつポイントを明確にすることが重要であると気づき、そこも最初の答案よりも意識しながら書きました。この辺りはこの講座でも重要性が指摘されており、もっと訓練をしていきたいと思います。

最初はかなり迷いながら書いた答案でしたが、今回の講座のおかげで「どこのポイントをどこまで書くべきか」がかなり明確になっていたと思うので、自分としては迷いなく書けた気がします。

るぅアドバイザーのご指摘のとおり、この問題がとても重要度が高い問題であることも講義の受講と答案の書き直しをしながら理解することができました。とても実りある講義だったと思います。しっかりと復習し、他の問題にも応用できるよう練習を重ねたいと思います。

るぅアドバイザー、本当にありがとうございました!

おわりに〜編集部より

刑訴は繰り返し似たような論点が出る傾向があるといわれており、過去問演習の重要性は他科目に比べても高いと言われているようです(るぅさんが予備試験に合格された年は一事不再理効が出題されましたが……)。

本講義がみなさまの論文学習に少しでも役立ってくれればいいなあと思いつつ。ライター一同、今年の本試験に向けて頑張ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?