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ラッコ啓蒙(啓発)週間2023

毎年9月の最終週は”Sea Otter Awareness Week”と呼ばれ、各国の水族館や野生動物保護施設などでラッコへの意識を高める活動が行われます。

日本の園館ではあまり活動がありませんが、SNS上でラッコファンたちが #ラッコ啓蒙週間 のハッシュタグをつけてさまざまな投稿をしています。
“Awareness”の上手い訳語がない(意識していること、気づいていること)ので、日本語では「ラッコ啓発週間」とも訳されます。

ラッコがどれほど可愛らしくて尊い存在なのかは皆の知る通りだと思いますので、幾つか大勢の方に知ってほしいことをまとめてみます。

「お気に入りの石」はウソ

某書で書かれた、ラッコはお気に入りの石をなくすと落ち込むという話。すごく有名になりましたが、実際は間違いです。
ラッコが海底の石を落としては拾っている行動が観察されているそうです。
多くの人に間違った情報が広まったのは、ざんねんです。

「コンブの森」を保つ種

ラッコはいわゆる「キーストーン種」で、その生態系のバランスを保つのに欠かせない生き物です。
ラッコがいない海では、ウニが大繁殖し、海藻が食べ尽くされてしまいます。すると、他の魚や生き物の住処が減り、やがて誰も住めない海になります。
そこでラッコの出番です。ラッコが適度にウニを食べることで、この「コンブの森」が保たれ、他の生き物の住処も保たれるというわけです。

猫のフンをトイレに流さない

猫のフンには、多くの場合、トキソプラズマという寄生虫が含まれています。
猫の中にいる分には無害なのですが、ラッコには有害です。多くのラッコがトキソプラズマ感染症で死亡していることが分かっています。
最近はトイレに流せる猫砂もありますが、トキソプラズマは下水処理場では死なずに海に流れますので、猫のフンは基本的には可燃ごみとして処分しましょう(自治体の指示に従ってください)。

ドローンを飛ばしたり、ボートで近づいたりしない

近年、北海道でも野生のラッコが定着しつつあり、多くの観光客が来ています。
霧多布でドローンを飛ばして撮影する人がいますが、この行為はガイドラインで禁止されています。
ラッコは非常に神経質な動物です。
危険な場所だと判断すれば、もう二度と現れないかもしれません。
どうか遠くから優しく見守ってください。

さらに詳しく

らっこちゃんねる様の記事には、より詳しいことが書かれています。


私の記事も読んで頂けると幸いです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

神戸市立須磨海浜水族園にいた、明日花とラッキー。

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