人生最後の玉子丼
靖国神社に、靖國八千代食堂という名のレストランがあります。
ここで振る舞われる玉子丼は、知覧にかつてあった富屋食堂のメニューです。軍指定の食堂で、飛行学校に通う若者たちが通いました。鳥濱トメさんは、そこのおかみとして、私財を注ぎ込んで兵士たちの世話をしたと言われています。
知覧から取り寄せている割り下を使い、当時と同じレシピで作られているという玉子丼、一度食べてみたかったのです。東京にいる間、行きました。
特攻に行く若者の多くが、最後にトメさんの玉子丼を食べました。若い兵士たちに親子丼を振る舞うときのトメさんの気持ちはどんなものであったのでしょうか。
靖国神社の静寂は、何かの思いに浸りたい時にうってつけです。トメさんの気持ちに思いを馳せながら、ゆっくりゆっくり、食事をしました。
八千代食堂の中はミュージアムにもなっており、いろいろな資料を見ることもできます。
もう少し涼しくなったら、靖国神社を歩くのも苦にならなくなります。この玉子丼、東京で私がおすすめする数少ないグルメの一つです。ぜひお出かけください。
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