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オリバー旅行記 無一文でローマ放浪編

2018年10月に姉と初めての海外二人旅に行った時の話です。

旅の目的地はイタリア。ローマからイタリアに入り、列車に乗って、フィレンツェ、ベネチア、ミラノを回る、約1週間の旅でした。僕にとっては初めてのヨーロッパでした。姉とは別に住んでいるため、なかなか揃って計画を立てる時間がなく、バタバタと出発の日を迎えました。

出発直前に「外貨両替はどうするのか」と姉に聞いたところ、「いったん全て姉のクレジットカードで支払いをし、あとで必要な分を請求する」と言われ、僕はそれならいいか!と、現金も自分のクレジットカードも持たず出発しました。

ローマの空港に到着!生まれて初めて上陸するヨーロッパの雰囲気に、長時間フライトの疲れも忘れ、テンションがブチ上がります。そして、事件が起きたのは、市街地までのバスチケットを買おうとした時でした。チケット窓口の女性にクレジットカードで支払うことを伝えると、暗証番号を入力するように促されます。姉が「サインで」と伝えると、窓口の女性は「暗証番号が分からないとクレジットカードは使えない」と言うのです…。姉は日本でいつもサインでクレジットカードを利用しているので、暗証番号はうろ覚え。その番号を入力してみると、番号が違って決済ができないとの表示…。なんでサインで使えないんだろうねーなどと文句を言いながら、空港の両替所で姉が持っていた日本円をユーロに両替して、バスチケットを購入し、市街地へ向かいました。

バスの中で調べてみると、イタリアでは防犯の目的でクレジットカードのサインでの利用が近年できなくなっているらしい…。慌ててクレジットカード会社に国際電話を掛けて暗証番号を問い合わせますが、その場であっさりカードの暗所番号という超個人情報を教えてくれる訳もなく、郵送での通知になり、受け取るには1週間くらい時間がかかるとのこと。二人とも血の気が引きました。

今回の旅の支払いは完全に姉のクレジットカード頼み…。そのカードがイタリアでは使いものにならないかもしれない…。ホテルはインターネットで部屋の予約のみしていたので、支払いは現地でクレジットカード決済をする予定でした。鉄道のチケットと帰国便のチケットだけは支払いが出国前に済んでいたので、このままでは、ホテルに泊まることも出来ず、一週間飲まず食わずで野宿と移動だけを繰り返し、日本に帰るしかない…?ずっと楽しみにしていたヨーロッパ旅行が頭の中で音を立てて崩れ落ちていくようでした。

とりあえずホテルに行って、クレジットカードをサインで使えないか聞いてみましたが、バスチケット窓口と同じ対応でした。二人の財布から日本円をかき集めてみると、なんとかその日の宿代は払えそうだったので、両替をすべく、まず銀行に行きました。窓口でイタリアの銀行では外貨両替はできないよと冷たく言われ、今度は街の両替所を探して歩き回ります。なんとか見つけて入った小さな両替所では、日本円は対応してないとのこと…。

重いスーツケースを押して一度歩いた道をローマ駅まで戻り、駅の両替所で聞くと両替は可能。しかしレートが異常に悪く、手数料も法外に高い…。後でインターネットで調べてみると、駅の両替所は主にドルの両替をしているため、日本円は絶対にやらない方が良いと載っていました。けど、僕たちには他に手段がありません。泣く泣く手持ちのありったけの日本円をレート最悪の両替所でユーロに変え、ホテルに戻りました。

とりあえずその日の宿は確保したものの、どうしようと二人で途方にくれます。必死にインターネットで調べていると、「海外で困った時はまず自分の国の大使館に助けを求めること」と書いてあるのを見つけました。

翌朝、ワラにも縋る思いで、在ローマ日本大使館の門を叩きました。経緯を説明すると、日本から送金するとすぐに海外で外貨の引き落としができる「ウエスタンユニオン」のことを教えてくれました。ご丁寧にパンフレットまで印刷して渡してくれて、僕たちは大使館を出てすぐに、両親に電話をかけました。両親が日本から送金をしてくれて、ウエスタンユニオンのマークのついた両替所で、ついに旅の資金を受け取ることができたのです。

ありがとう、大使館と両親とウエスタンユニオン!本当に助かりました。

終わり。(一体なんの話) 旅はトラブルがあると記憶に残りますねという話でした。

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