仏さま、マジ卍! 第2話「インターン先はブラック企業!?」(2/2)#創作大賞2024 #漫画原作部門
「えー… 田中君、今日はわざわざお越しいただき、ありがとうございます」
鬼ヶ島商事の面接会場。薄暗い会議室で、太郎は冷や汗を流していた。
向かいに座っているのは、いかつい風貌の人事部長と、疲れたような顔をした若い社員。そして、その後ろには… 後光を消したアイムの姿があった。
(な、なんでアイムがここに…!?)
よく見ると、人事部長の様子がおかしい。視線は泳ぎ、顔は引きつっている。
(もしかして… アイムが、この人事部長に憑依してる…?)
太郎の予想通り、アイムはこっそり耳打ちしてきた。
「なぁなぁ、この会社、めっちゃブラックっぽいオーラ出てるっしょ? 修行にはもってこいだな!」
(修行って… 俺の就職活動はどうなるんだよ!)
心の中でツッコミを入れる太郎をよそに、面接は進んでいく。
「で、田中君。君は、弊社でどんな仕事がしたいんだね?」
人事部長は、ギラギラした目で太郎を見つめた。
「え、えーっと… 出版業界に興味がありまして…」
「出版? そんな甘いもんじゃねーんだよ! ウチは、結果が全て! 数字を上げられない奴は、ゴミクズ同然だ!」
人事部長は、机を叩きながらまくし立てた。
「ひぃぃ…」
恐怖で体が震える太郎。しかし、アイムは楽しそうに笑っている。
「いいぞ、もっとやれ! その調子で、ブラック企業の洗礼を受けさせてやれ!」
(アイム… お前、本当に菩薩なのか…?)
面接は続き、最終的に太郎は、とんでもない条件で採用されてしまう。
「よっしゃー! これで、お前の修行開始だぜ!」
アイムは、ガッツポーズを決めた。
こうして、太郎は、ブラック企業・鬼ヶ島商事で、地獄のような日々を送ることになるのであった…。
(つづく)
#創作大賞2024 #漫画原作部門
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