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#エッセイ

いい香りに包まれて

ドールチェアーンドガッバーナーが流行っている。ということで香水について興味があるだろうか。わたしはといえば、全然なかった。香水をつける意味って何なのか、ずっと疑問だった。 過去、自分と香水の接点といえば中学生の頃に「香水をつけるのがカッコいい」みたいな文化があり、それに遅れるまいと買った数千円のもののみ。なので、香水というワードには思春期特有の痛々しさが思い出され、なんとなく「カッコつけアイテム」に分類してしまっていた。 それに自分のなかで、「香り」は「性」のイメージとど

人生で初めて、ジーンズが似合ったこと。

わたし、ジーンズが似合わない。 あれだけ、色々なジーンズがあって、子どもから年配の方まで、 とにかくたくさんの人が履いていて、 おしゃれな人だけが履けるものでもなくて、むしろその逆の どんな人でもとりあえず履けるもの、 だという印象なのに、 なぜかわたしには本当に似合わない。 そんなふうに思って、避けてきたジーンズ。 けれど最近、仕事の関係でほぼ毎日履かざるを得なくなり、 仕方なくユニクロで買って履いていた。 ユニクロで買った理由は、苦手なものにお金をかけ

本気出して目玉焼く

目玉焼きを、真面目に作ってみようと思った。 きっかけは料理家である有元葉子さんのレシピ本『ふだんの洋食 レシピを見ないで作れるようになりましょう。』。 目玉焼きから始めましょう 洋食の基本中の基本ということで、目玉焼きの作り方から始まっている。 わたしは昔から有元さんのファンで、愛用している鉄のフライパンは彼女がプロデュースしているブランドのもの。料理だけでなく、洗練されたライフスタイルや世界観に憧れ、10年ほど前に購入した。 ただ、鉄のフライパンはくっつく。 目

儚きもの、洋服。

 子供のころ、洋服はだいたい仕立ててもらったのを着ていた。というとなんだかお嬢様みたいだが、伯母が洋裁の仕事をしていたのである。  洋服を仕立てるのは時間がかかり、子供の私にはとても退屈なことだった。まず、どんなものをどんな生地で作るのかを相談しに行かなければならない。すべての決定権は母にあり、私の意見は聞き入れられない。私がすることといえばサイズを決めるときにおとなしくしていることだけである。キューピーみたいに両手をやや広げて胸回りや胴回りを測ってもらうのはくすぐったい。

着物を普段着にしたい私の着物文化衰退論

何年か前から、着物を普段着にしたいなと思っていた。別に、劇的な出会いやきっかけがあったわけではない。 めちゃくちゃ可愛い着物を見て感動したり、着物雑誌のすてきな装いにくらっときたわけでもない。 七五三や成人式で着物を着させてもらったけど、眠い目をこすりながら早朝4時から着付けだったし、必要な物は母や祖母が用意してくれていたおかげで、注意力散漫だった。全く記憶にない。 それなのになぜか、着物を普段着にしたいな、なんて思うようになってしまった。 一時期独学で勉強しようとし

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