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11周年のごあいさつ

おかげさまで11周年を迎えました。ありがとうございます。
 
もっと多くの人に知ってもらいたく、当院が行っている施術やサービスを改めて言葉にしてみました。これを周年のご挨拶とさせていただきます。
 
【施術の流れ(2回目以降)】

お客様が扉を入った瞬間から施術は始まっています。今日の声色、顔色、姿勢、歩き方、体の動作、服、髪、メガネ、メイクなどを見てコンディションを確認しているからです。お客様を更衣室へご案内し、帰りにすぐ履けるよう靴を揃えます。
 
施術をする前には問診をします。今日気になる症状や来ていなかった間に起こった症状、いつからあるか、どうしたら痛くなるか、ラクになるか、原因は何かなど細かくお聞きしていきます。
 
「症状がない」と言うお客様も多いです。症状の原因は「疲れ」と言うことを理解し予防として自分では取り切れない疲れを取りにメンテナンスにいらしているのです。当院では治療よりもメンテナンスにいらしているお客様の方が多いです。
 
お客様には少しやわらかめのお布団にうつ伏せになっていただきます。下には少しかためのマットレス、その上にやわらかい布団を敷き、中敷きをした上にシーツを巻いています。胸と顔に当てるクッションは本革のものを使用しています。大きめの枕に巻くガーゼタオルは施術後に洗濯し毎回清潔にしています。さらにピローペーパーをかぶせてより清潔な状態で横になっていただきます。
 
ベッドではなく布団を使う理由は手足がはみ出ても構いませんし楽な姿勢がとれるからです。落ちる心配もありません。じっとしていなくていいというのは心地いいものです。ひざが悪い人にはしゃがんだりひざをつく動作がつらい方がいらっしゃるのでサポートします。
 
お客様がうつ伏せになり腕の位置を決め、脱力したのを確かめてから施術を始めます。最初に触れるタイミングでお客様を緊張させることもあるので施術者は全身の力を抜いてリラックスし呼吸を整え脱力した状態でふんわりと手を乗せ指を乗せ、ゆっくり、やさしく、ていねいに体重を乗せていきます。
 
治してやろう、良くしてやろう、ゆるめてやろう、整えてやろうなどは雑念になり余計な力となってお客様に伝わってしまうので頭は常に空っぽの「無」の状態に近いです。お客様と会話していても同じようにできます。
 
雑念がないと圧の強さは自然とお客様のお身体の部位ごとに合わせたものになっていきます。学校では施術者は患者さんに聞いてはいけないと習いますが、私は一方的になっていないか気になるのでお客様にも確認を取るようにしています。お客様が求める微妙な圧のコントロールができるのもプロの技術だと考えているからです。
 
指では体重を乗せるのに限度があるため、足を大きな指と見立ててかかとや土踏まず、足の側面も使って大きい範囲で押していくこともしています。
 
下半身(腰、おしり、太もも、ふくらはぎ、足の裏)の筋肉は大きいので手と足の両方で施術しています。※足は指の約4〜5倍の体重をかけられます。
 
私の指の圧でできる強い圧は約55キロで弱い圧は1キロ以下です。触れるだけの数グラムまでコントロールできます。体重を利用して施術するので感覚が狂わないように常に体重を68~72キロの範囲にキープするようにしています。それも仕事のうちです。
 
また筋肉だけでなく瞬間的に引っ張ったり、押したり、ねじったりして靭帯や関節にも手を加えたり、必要だと感じる部位のストレッチをしたり運動を加えたりもしています。「整体」という言葉を使っています。
 
指圧同様整えてやろう、関節を鳴らしてやろうという雑念はありません。引っ張る方向も押す方向もねじる角度もお客様の無理のないようにしていくと自然とそういう動作や形になります。無理をするとお客様の体に負担になるのでしません。
 
整体の時にポキッと音が鳴る時がありますが、怖いイメージをお持ちのお客様もいらっしゃるので必ず施術前にご説明をして確認を行っています。苦手な方にとってはストレスになってしまうためやらないようにしています。2回目の施術の時も前回の施術で苦手だったものをお聞きするようにしています。
 
当院の施術で行っていることを言葉で表すと、押す、ねじる、回す、のばす、縮める、ひっぱる、もむ、曲げる、反らす、こねる、さする、つかむ、ゆする、踏む、つまむ、ゆらすです。
 
なぜそこに手や足を当てるのか、押しているのか、のばしたり縮めたり動かしているのか、どうしてその角度なのかなど一つ一つ理由があるのでお客様に質問されたときは必ず答えられるようにしています。
 
当院の施術を「治療」という言葉で表現していますが、実際は症状の原因である「疲れ」を取る作業をしているだけです。疲れた部分が取れてくると脱力して深く呼吸ができるようになり血流が良くなって神経が動き出して自然と回復に向かいます。いわゆる自然治癒力というものです。
 
施術だけに頼っても回復はしないので、お客様には下の図を基にセルフケアとメンテナンスの必要性を説明し、元の生活に戻らないように体操などで「疲れ」を取る作業を徹底してもらっています。

セルフケアが必要の図


疲れがたまっているところを放っておくとは筋肉は緊張したままの「コリ」になります。コリは血管と神経を締め付けるため手を置くと冷たく感じることが多いです。それを放っておくと症状に変わっていくことも説明します。

不調のしくみ


ですから施術後は疲れが取れて脱力感があり血管が開いて深呼吸ができるので、酸素が運ばれて身体がポカポカする感覚になるお客様もいます。
 
しかし厄介なのは疲れが取れると身体の感覚も戻るので余計に痛み、コリ、眠気を感じてしまうことが少なからずあります。
 
悪化したと思う方もいらっしゃいますが、そんな時はあせらずに安静にしたり体操をすると治ることがほとんどですのでお客様自身にセルフケアとメンテナンスを徹底していただいています。体の知識がないと不安に思う方も多いのでメールやLINEで施術時間外にもコミュニケーションを取ることもしています。
 
施術やセルフケアの経験を積み重ねることで新たに症状が出てもあせることが無くなってくるお客様がほとんどです。
 
その他、施術中に身体が疲れを取ろうとおやすみモードになり深く気持ちよく眠ってしまう人もいます。目がパッと開いて視界がクリアになりましたと言う感想が一番多いかもしれません。
 
施術中はうつ伏せ、横向き、仰向けと身体の向きを変えていただくのですが、それらもしっかりとしたリハビリと捉えています。お布団に寝る、お布団から起き上がる、立ち上がるのも同じです。
 
必要な場合は手を貸しますが私は一切手伝うことなくお客様ができるまで側で待ちます。最初はできないお客様もいらっしゃいますが、次第に柔軟性や筋肉がついてきてできるようになっていきます。
 
「早くしなきゃ!」と焦ってしまうお客様もいらっしゃるので会話をしたり「ゆっくりでいいですよ」「痛みのないように」「時間かかっても大丈夫です」とお声がけをしています。
 
一通りの施術が終わったあとの10分間の時間を使って必要な体操、筋トレ、マッサージがある場合は指導をしています。施術中に浮かんだ質問やアドバイスが欲しいなどのリクエストにも答えるようにしています。
 
お着換えが済んだ後はご希望の方だけにあたたかいお茶をお出ししています。妊婦さんや産後のママさんもいらっしゃるのでノンカフェインの麦茶を提供しています。
 
お茶を飲みながらお客様のお身体の状態を骨格の図に色をつけて見ていただきます。

今日の体

 
図を見ながら身体のゆがみ、ねじれ、傾きから症状が出ることもありますが、ストレスからくる心因性の症状のお客様も大変多いことも説明しています。
 
他にも足を組んだり片側体重になっていたりと普段のクセから症状が出る方もいらっしゃるので生活の見直しもしてもらっています。クセをやめるだけで良くなってしまった方もいらっしゃいます。
 
施術中の何気ない会話の中にもヒントが多々あるのでとても大事にしています。
 
施術の好みも体操も、ケアやメンテナンスの流れも人それぞれなのでお一人お一人に時間をかけて向き合うようにしています。一緒に見つけていくという方がしっくりくるかもしれません。
 
施術は50分~70分ですがお一人様につき90分の枠を設けています。これはお着換え、夏はクールダウンタイム、体操指導、お客様の遅刻対応(電車の遅延、渋滞、お子様のハプニングなど自分ではどうしようもない事態)、カウンセリングが長くなる場合、症状の説明、次のお客様の準備、コロナ対策、問診票の整理、お客様のデータ整理、私の休憩などに使うようにしています。
 
お帰りの際は「お大事に」ではなく「お気をつけて」とご挨拶をするようにしています。これは腰痛や肩こり、その他の症状もそれぞれ生活の中の「疲れ」を積み重ねているだけで病気ではないからです。
 
「患者さん」ではなく「お客様」と呼ぶのも同じ理由です。みんな病気じゃありません。疲れがたまっているだけです。
 
お客様を見送った後は今日の施術と会話の整理、ご説明した今日の体の図と体操カードをLINEにまとめて送ります。その他、細かい技術的なことやサービスを実施していますが長くなるので割愛します。
 
ここまでが当院での施術の流れになります。
長い文章を書いてきましたがやっていることは『脱力と深呼吸』ができるからだづくりです。ものすごくシンプルに表現すると人間はのびてちぢんでいるだけです。それができなくなってくると不調が出てきます。ただそれだけのことです。
 
ぐにゃぐにゃになる必要もないし、ムキムキになる必要もない。お客様にとって日常生活や仕事が何不自由なくできる柔軟性と筋力があれば十分です。
 
あとは「自分で治す」スキルをつけることを一緒に身につけることをしています。僕がいなくても店がなくても自分でできるようになります。お金も時間もかかりません。
 
お客様とあーでもないこーでもないとメンテナンスに力を入れた予防型治療院を楽しみながら11年もかけて作ってきました。おかげさまで毎日が充実していてとても楽しいです!僕の話もたくさん聞いてもらえてありがたいです。日々感謝しています。
 
そして、自分で書いていて思うけど、僕はオリーブ指圧治療院に通いたい!こんな店に行きたい!と心から思えます。
 
12年目もよろしくお願いいたします。
 
院長 金森

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