分籍して戸籍筆頭主になった

22歳の時、私は戸籍筆頭主になった。分籍によって、親の戸籍から出たからだ。成人していれば自分の意思で選択できる。親と縁を切ったわけでもないし、どちらかというと関係は良好だと思う。

あえて親に言うことはしなかった(言う必要もないし)。戸籍なんて滅多に見る機会がないので、きっと気がつかないし、もし気がついて尋ねられても、事実を答えるまでだと思っていた。

先日私の友人が結婚した話をきっかけに、婚姻届を出した時によく「入籍」という言葉が使われるけど、多くの場合は2人で新しい戸籍を作るから、「入籍」ではないんだよという話を親としていた。その流れで、じゃあ今うちの戸籍は、親と私が一緒に入ってるってことなんだね、と言われたので、私は出たから1人だよということをさらっと?伝えた。

私が一人の戸籍をつくったのは、家単位で管理する戸籍制度へのせめてもの抵抗として。戸籍筆頭主にその他の家族が連なるかたちで管理する在り方への抵抗としてである。

最初はさすがに親も動揺したようで、さすがにそういうことは言わないといけないんじゃない?と言っていたが、2分後くらいには今更驚かないとも言っていた。もう分籍してから何年も経過していて、感覚的に何も変わらないというのが分かったからかもしれないと思う。分籍した時に言ったら、これから何かが変わるのではという不安が生じたのではないかなとも思う。

私一人の抵抗なんて小さな小さなものだけど、選択するときにはやっぱり勇気が必要だった。役所の人に変に勘繰られないかとか、親に絶縁したいと勘違いされないかとか。
今となっては、22歳の私に大丈夫だよと言ってあげたい。


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